確かな価値を生む技術力

「確かな価値を生み出す技術力」を築き上げる

キリングループでは、長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)のイノベーションを実現する組織能力の一つとして「確かな価値を生み出す技術力」を掲げています。従来より強みを持つ発酵・バイオテクノロジー、パッケージング、エンジニアリングをより発展させるとともに、近年では、知的財産の取り組みにも力を入れています。

ビールづくりから始まったキリンの技術力

キリンの技術力の原点はビールづくりです。おいしいビールをつくるには、「良質な原料」と「最適な醸造」は欠かせません。これらを究める中で、原料を扱う技術や、発酵・培養を制御する技術が培われました。また、ビールのおいしさを保ったままお客様に届けるために、包装や容器、充填などのパッケージング技術が磨かれました。さらに、ビールを安定的に大量生産するために、製造設備を構築するエンジニアリング技術が培われました。

  • 図:ビール作りから始まったキリンの技術力

発酵・バイオテクノロジー

  • 図:発酵・バイオテクノロジー

原料を扱う技術の開発は、ビールに使われるホップや麦芽から始まりました。得られた知見や研究成果は、事業の拡大に伴ってワイン事業におけるブドウ、飲料事業における茶葉、コーヒー豆などへと応用されました。現在では、さまざまな原料に含まれる健康機能性成分を引き出し、健康課題を解決する技術へと発展しています。
また、同様にビール醸造から生まれた発酵・培養を制御する技術は、バイオテクノロジーとの融合によって、乳酸菌をはじめとするさまざまな微生物の培養に応用され、ヘルスサイエンス領域におけるさまざまな有用物質(機能性物質)の発見・抽出につながっています。さらに、医薬事業における動物細胞やヒト細胞の培養にも活用され、グループの技術力の基盤となっています。

R&D

当社グループの研究開発の中核がR&D本部です。お客様や社会がワクワクするような、イノベーションを創出する研究開発に取り組んでいます。

確かな価値を生む技術力―研究開発力と知財戦略を掛け合わせた競争戦略

当社グループは、食から医にわたる領域において技術力をより確かなものとするために、知財活動を推進しています。

パッケージング

つくられたビールや飲料を、製造・物流工程や店頭での外部衝撃、気温変化、異物混入などから守るため、包装と容器、充填の技術が培われました。強度を確保しながら資源の使用量を削減する容器や、ビールの新しい飲み方を実現するサーバーなどイノベーションの実績を積み重ね、あらゆる事業領域に貢献しています。さらに、近年ではプラスチック容器による海洋汚染など、パッケージを取り巻く社会課題の解決を目指し、新たな技術の獲得を進めています。

エンジニアリング

メーカーとして製造設備は必須基盤であり、確かな品質の商品を高効率に生産可能で、環境や働く人に優しい製造設備を迅速に実現するエンジニアリング力は非常に重要です。当社グループでは、各事業会社内にエンジニアリング組織を配置し、製造プロセス・生産技術・保全技術を熟知したエンジニアが製造設備を確実に支えています。さらに、ビール・飲料・医薬品等の工場建設を専門とする総合エンジニアリング会社であるキリンエンジニアリングをグループ内に保有して国内外グループ各社の大規模な製造設備新増設・改造を機動的に行っています。このエンジニアリング組織力や、さまざまな事業のエンジニアリングを自ら行うことで培われた設備づくりのノウハウと技術力は、当社グループの強みであり、食から医にわたる事業領域の成長・展開を支えています。

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