日本におけるその他の取り組み
社外への適正飲酒啓発
20歳を祝う式典での適正飲酒啓発活動
お酒のエントリー層である満20歳を対象とした活動として、キリン本社および全国のキリンビールおよびメルシャンの工場所在地において、20歳を祝う式典での適正飲酒啓発活動を実施しています。キリンオリジナルアルコールパッチテスト付啓発リーフレットを配布し、自身のアルコール体質を知り、正しい飲み方等の知識をお伝えすることで、お酒に対し抱いている不安を払拭し、お酒に興味を持つきっかけにしていただくことを目的としています。キリンが提案する大人なお酒の飲み方として、ゆっくりと適正に飲む「Slow Drink」には、お酒とともにより豊かで楽しい人生を送ってほしいという願いが込められています。
全国大学生協共済生活協同組合連合会との共同取り組み
大学に入り20歳を迎えた学生が不適切な飲酒が原因で引き起こすさまざまな問題を未然に防止し、お酒に対する正しい知識を身に付け、適正な飲み方を推進するため、大学生協共済連と共に適正飲酒の啓発に協力して取り組んでいます。
新社会人、関係先企業、工場見学者への啓発セミナーの実施
お取引先、工場見学のお客様、地域の諸団体などのご要望に応じて適正飲酒セミナーを実施しています。アルコールパッチテストを活用して、自身のアルコール体質を確認しつつ、お酒の特性と効用、また誤用によるマイナス面を正しく理解していただき、適正な飲酒に向けたアドバイスなどをお伝えしています。
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大学生へのセミナー実施
全国各地の大学からのご要望に応じて、適正飲酒セミナーを開催しています。若者のイッキ飲みによる事故や問題飲酒が後を絶たない中、間違った付き合い方をしないよう、お酒に対する正しい知識を伝える場としています。キリンオリジナルアルコールパッチテストキットを活用し、自身のお酒に対する体質を確認しながら、正しく楽しい飲み方を学びます。
飲酒運転根絶への取り組み
ハンドルキーパー運動
キリンビールは、飲酒運転根絶に向けた取り組みの一つとして、2009年から「ハンドルキーパー運動」を支援しています。「ハンドルキーパー運動」とは、自動車で飲食店へ行き飲酒する場合、お酒を飲まない人(ハンドルキーパー)を決めることで、飲酒運転を防止しようとする運動です。毎年春と秋の全国交通安全運動に合わせ、警察署や自治体と連携しながら全国各地でハンドルキーパー運動を実施し、啓発チラシとともにアルコール0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン グリーンズフリー」を街頭配布し、飲酒運転根絶を訴えています。また、「キリン零ICHI」「キリン グリーンズフリー」の容器へのハンドルキーパーマークの掲出※や、飲酒運転根絶に向けた啓発動画の制作など、商品を通じて社会課題解決につながる啓発活動を実施しています。
- 「キリン グリーンズフリー」 はびんのみに掲出。
工場見学者への対応
工場見学されるお客様でお車やバイク等で来場された方にアルコール飲料を誤って提供しないよう、来場時に確認の上、ドライバーカードをお渡しして注意喚起しています。また、試飲会場では飲酒をされない方にノンアルコール飲料を提供しています。春と秋の全国交通安全週間には、駐車場にのぼり旗を掲示し、スタッフや警備員がたすきやハンドルキーパーバッジ等を着用し、飲酒運転防止を呼びかけています。
株主優待の「キリン飲酒運転根絶募金」
2010年より飲酒運転を含む交通事故による被害者の方々の援護を目指し、株主優待メニューに、「キリン飲酒運転根絶募金」を選択肢として設けました。株主様よりお預かりした募金は、公益社団法人交通遺児等育成基金に寄付します。当財団は、交通事故でご家族を失った交通遺児等の援護を行うため、自動車関連団体等の出資により、国土交通省および厚生労働省の許可を得て設立された公益財団法人です。キリングループでは、この募金によって多くのステークホルダーに、飲酒運転をはじめとする適正飲酒問題を考えていただく機会にしたいと捉えています。
女性の適正飲酒啓発キャンペーン「ほど酔い女子 PROJECT」
ビール酒造組合及び会員であるビール5社は、女性の適正飲酒啓発活動の一環として、「ほど酔い女子PROJECT」を2017年11月にスタートしました。女性の社会進出やライフスタイルの変化に伴い女性のストレスは複雑化しています。リスクがある飲酒者の割合が高まっていると言われる中、女性の飲酒による健康リスクを世の中に広めていく重要性が指摘されています。ビール酒造組合が昨年実施した調査では、「女性の適量飲酒量」の認知度は全体の25.5%で、さらにお酒の飲み過ぎで失敗・後悔した経験がある女性は68.5%となり、女性がお酒に対して正しく向き合えていない結果が浮き彫りになりました。そこで本PROJECTを発足し、女性にお酒に対する知識をもっていただき、楽しく、正しく、ほど良いお酒との関係を築いていただくことを目指しています。
20歳未満飲酒防止に向けた取り組み
大正11年に制定された「未成年者飲酒禁止法」では、20歳未満の者は酒類を飲用してはならないと規定されています。20歳未満の飲酒は、脳細胞にダメージを与えるほか、身体・精神両面に重大な悪影響を及ぼします。また、20歳未満の飲酒を制止しない親権者、および20歳未満に酒類を販売したり、与えたりした場合、罰せられます。本人の自覚はもとより、周りの大人たちも未成熟な心身へのアルコールの害をきちんとわきまえ、20歳未満の人の飲酒を防止することが必要です。
中学・高校向け啓発DVD
DVD「未成年者とアルコール~成長期の脳への影響~」を2005年より全国の中学・高校に無償配布し、アルコールが特に20歳未満の人の脳に与える影響を中心に解説し、アルコールに対する正しい知識の習得を促してきました。
「STOP!20歳未満飲酒」プロジェクト
20歳未満の飲酒を防止することを目的として、ビール酒造組合が主体となって実施している活動に、2005年のプロジェクト始動当初から参画しています。アルコール飲料の広告・宣伝には「STOP!20歳未満飲酒」マークを表示し、年2回購買接点でのPOP掲出、交通広告、ビジョン広告を通じて、20歳未満飲酒防止の啓発活動を実施しています。
20歳未満飲酒防止教育”学校コンクール“
ビール酒造組合の一員として、全国の中学・高校を対象に、20歳未満飲酒防止への関心を促すため、2002年より「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」を実施してきました。2017年より同キャンペーンを「20歳未満飲酒防止教育“学校コンクール“」と改め、新たに小学校も対象に加え、学校単位(小・中・高)で取り組みを募集する内容としました。より一層、学校・地域で20歳未の飲酒防止問題に向き合い、考える意識を高めるとともに、20歳未満飲酒が及ぼす健康への弊害等の理解促進を狙いとしています。
従業員に対する啓発強化
従業員への啓発教育
- 全従業員
酒類を扱う企業の従業員として知っておくべき適正飲酒 に関する知識を習得し、職場内でのディスカッションを通じて改めて意識を高めるために、集合研修とオンライン研修を行っています。また、飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)を実施し、自身の飲酒習慣を振り返る機会を設けています。
- 階層別従業員
・新入社員研修
適正飲酒の基礎知識を学び、酒類メーカー従業員としての自覚を促しています。
・新任経営職研修
組織に適正飲酒を浸透させるための知識を深め、職場リーダーとしての自覚を促しています。
従業員に対するアルコール検知の徹底
キリングループでは、業務や通勤に際して車両を運転する従業員を対象に、アルコール検知器による検査を義務付けています。業務上運転する営業や物流の担当者、マイカー通勤する従業員には検知器を貸与し、乗車前に検査をして「0.00%超」の値が検出された場合は運転を禁じています。さらに、キリン物流が配送を委託する運送会社に対しても同様にアルコール検知の徹底を要請しています。なお、飲酒運転を行った従業員は、公私を問わず解雇処分とするなど厳しく対処することを就業規則に定めています。
適正飲酒啓発教材のご紹介
キリングループおよび関連団体が作成した、お酒の正しい飲み方や付き合い方についての教材です。ぜひ、ご活用ください。
冊子
Webサイト
経営層の取り組み
国立病院機構 久里浜医療センター様訪問
キリングループは長期経営構想(KV2027)において、社会と持続的に共存共栄するための指針としてCSVパーパスを定めています。そのCSVパーパスの土台として「酒類メーカーとしての責任」を掲げており、全ての事業展開国で、アルコールの有害摂取の根絶を目指しています。
その取り組みの一環として前回の2017年に続き、昭和38年に日本で初めてアルコール依存症専門病棟を設立以来、アルコール依存症の専門治療を行っておられます国立病院機構久里浜医療センター様を磯崎社長以下キリングループ経営陣が23年4月に訪問し、アルコール関連問題の最新の研究と課題についてご講義を頂きました。
ご講義を実施いただいた先生方(役職は2023年4月当時)
当日のプログラム
アルコールが及ぼす身体への影響 | 横山 顕 臨床研究部長 |
アルコール関連問題の現状と対策 | 樋口 進 名誉院長 |
アルコール依存症とその治療 | 松下 幸生 院長 |
新病棟見学 | 真栄里 仁 精神科診療部長 |
当日のご講義概要
当時は先生方より、それぞれの専門分野における貴重なお話をお伺いいたしました。また、院内の様子についてもご案内頂きました。
【横山臨床研究部長】
アルコールが及ぼす身体への影響について、ご講義頂きました。
当日は遺伝子による違いや飲酒による身体への悪影響、疾患などについてわかりやすくご講義頂きました。
当日ご講義頂いた際の資料例(一部抜粋)
【樋口名誉院長】
国内外に渡たって幅広くアルコール関連問題の現状と対策についてご講義頂きました。また、現状の課題や酒類メーカーに対してのご要望などを頂きました。
当日ご講義頂いた際の資料例(一部抜粋)
【松下院長】
アルコール依存症とその治療についてご講義頂きました。アルコール依存症は病気であり、早期発見や早期介入による治療の重要性などについてご講義頂きました。
当日ご講義頂いた際の資料例(一部抜粋)
【真栄里先生】
新病棟の見学ご案内を頂きました。
キリンホールディングス代表取締役社長磯崎ご挨拶
「アルコールを取り巻く社会状況はますます厳しくなっており、キリングループはアルコール関連問題に真摯かつ適切に対応することが、アルコール飲料を製造・販売する企業としての社会的責任と考えています。今回経営陣にご講義を頂きましたことで、改めて責任を持って取り組んでいくことを胸に誓いました。アルコール関連問題への取り組みはキリングループのCSV経営の一丁目一番地であり、本日の学びは従業員にもしっかりと伝えていきます。」
当日の様子
新病棟見学の様子
開放的な施設と久里浜医療センター様の最新の治療方針をご説明頂きました。
キリングループ当日参加者
- 役職は23年4月当時