好きなお酒を健康にいつまでも
年齢にふさわしい飲み方を
人生のライフステージで、お酒との付き合い方も変わります。
特に30代から中高年は、過度なお酒の摂取により、生活習慣病のリスクを高める原因にもなるため注意が必要です。一般的に高齢になるほど、アルコールの代謝能力が低下し、酒量も減少します。しかし、中には代謝機能が低下したことに気付かず、若い頃からの酒量を続けている人がいますが、この状態を続けていると臓器に障害を起こしやすくなります。
お酒は適量を上手に飲めば健康を損なうことはありませんが、「自分は大丈夫」などと過信せず、年齢や健康状態に応じた「適量」を心がけて、楽しく長く付き合っていきましょう。
健康診断でお酒をおいしく
「最近、飲みすぎかな?」「若い頃に比べて、少し太ったかな?」
心配をしながら飲むことは、不安を助長させておいしくありません。
安心して長くお酒と付き合うためには、自分自身の健康状態を知ることが重要です。
お酒を飲む、飲まないに関わらず、年に1〜2回の定期的な健康診断を受診しましょう。
体調が気になるようであれば、一般的な健康診断の検査項目にある採血、検尿だけでなく、腹部の超音波検査も有用です。
検査結果で、糖尿病、痛風、高血圧などの生活習慣病や肝機能疾患が判明した場合は、その治療に専念し、飲酒については主治医の判断を仰ぐことが必要です。特に、沈黙の臓器と呼ばれる肝臓は、自覚症状があらわれないことが多いため、正しい処置をしましょう。
なお、会社や組織に属していなかったり、退職後に健康診断を受診しない人たちも増えています。おいしく飲むためのバロメーターとして、自らすすんで毎年必ず受診することをおすすめします。
主な肝機能の検査
肝機能検査には、飲酒を続けると増加するγ-GTP、肝細胞の壊れ具合を診るGOT・GPT検査、胆道系の異常を診るAL-P・LAP、血清に含まれる蛋白質、黄疸の有無を調べる血清ビリルビン検査などがあります。
一般的にアルコール性の肝臓病ではGOT・GPTの数値が上がります。また、γ-GTPの数値はお酒を多量に飲み続けると上昇し、やめると下がるというように飲酒状況に敏感に反応します。そのため、過剰飲酒者を見つけ、適正飲酒のアドバイスをする際の目安となっています。