飲んではいけないとき
こんな時は、お酒を飲んではいけません。
お酒は飲み方を誤ると危険です。ルールを守り、正しく飲みましょう。
飲酒運転は絶対にしない
お酒を飲むと、血中アルコール濃度が高くなるため中枢神経が麻痺し、運動機能、認知能力、状況判断力や集中力の低下や身体の平衡感覚が鈍ることにより、瞬時に的確な判断ができず、ブレーキやハンドル操作が遅れたり、運転が乱暴になる傾向があります。
また、アルコールが脳に達するまでは、約30分〜2時間かかります。酔いは後から回ってくるため、酔っているのに自分の意識が正常だと思い込んだり、少し休めば大丈夫だと錯覚します。翌日に車を運転する予定があれば、それを考慮した飲酒時間、飲酒量を心がけることが重要です。夜遅くまで飲酒した場合、翌朝には体内にアルコールが残っている可能性がありますので、車の運転は控えましょう。
過信が悲劇につながりますので、お酒を飲んだら絶対に運転をしてはいけません。
飲酒運転の法律と実態
飲酒運転は法律で禁止(「道路交通法」第65条)されているにもかかわらず、後を絶ちません。
2021年度の飲酒運転による交通事故は2,198件で、前年に比べて減少し、そのうち死亡事故件数は152件で、こちらも前年と比べて減少しました。飲酒運転による死亡事故は、2002年以降、飲酒運転の厳罰化や飲酒運転根絶に対する社会的気運の高まり等により大幅に減少してきましたが、2008年以降は減少幅が縮小しています。
また、飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なしの約9倍と極めて高く、飲酒運転による交通事故は死亡事故につながる危険性が高いことが分かります。
当事者だけではなく、お酒を飲んだことを知りながら同乗した場合は同乗者も一緒に罰せられます。さらに、飲食店で飲酒後に、車を運転した場合、運転者や同乗者のみならず、飲食店(酒類を提供した人)も処罰されます。
周囲にお酒を飲んでいる人がいたら、運転させないことも肝に銘じてください。
特別法
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第3条(危険運転致死傷として新設)
「アルコール又は薬物若しくは運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響により、正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転し、よって正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合」
罰則 致死:15年以下の懲役(最高で20年) 致傷:15年以下の懲役
- これまでの刑法「危険運転致死傷罪」は、危険運転致死傷罪に新たな類型を追加するなどして、悪質・危険な運転者に対する罰則を強化した「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に変わりました。(平成26年5月20日施行)
道路交通法
平成21年6月1日に道路交通法は改正され、飲酒運転に対する行政処分が強化されました。主な強化内容は、酒酔い運転、酒気帯び運転などの違反点数の大幅な引き上げと免許欠格期間の延長です。
飲酒運転の取締り基準
- 酒酔い運転:まっすぐ歩けないなど、酔った状態で運転すること
- 酒気帯び運転:酒に酔った状態でなくとも、一定基準以上のアルコールを体内に保有して運転をすること
罰則
違反種別 | 罰則 |
---|---|
酒酔い運転 | 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
違反点数と行政処分
違反種別 | 違反点 | 処分内容 | 欠格・停止期間 | |
---|---|---|---|---|
酒酔い運転 | 35点 | 免許取消 | 3年 | |
酒気帯び運転 (呼気1リットル中のアルコール濃度) |
0.25mg以上 | 25点 | 免許取消 | 2年 |
0.15mg以上 0.25mg未満 |
13点 | 免許停止 | 90日 |
「欠格・停止期間」は前歴なしの場合。
処分内容は、過去の交通事故や交通違反の前歴等により異なります。
(平成21年6月1日施行)
飲酒検知拒否
罰則・・・・ 3月以下の懲役または50万円以下の罰金(平成19年9月19日施行)
自転車の飲酒運転
道路交通法第65条には「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とあります。車両の中には軽車両が含まれ、軽車両には自転車が含まれます。したがって、自転車で飲酒運転した場合も処罰の対象になります。ただし、自転車(軽車両)は、酒気帯び運転の罰則はなく、酒酔い運転の罰則のみになります。(道路交通法 第117条より)
自転車で酒酔い運転をした場合、自動車と同様、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
運転者の周辺者に対する罰則
(教唆犯の場合は運転者本人に同じ。)
(平成19年9月19日施行)
車両提供 |
酒気を帯びていて飲酒運転をするおそれのある者に対して車両を提供した場合
|
---|---|
酒類提供 |
酒気を帯びていて飲酒運転をするおそれのある者に対して酒類を提供した場合
|
要求・依頼しての同乗 |
あらかじめ運転者が酒気を帯びていることを知りながら同乗した場合
|
呼気中のアルコール濃度と血液中のアルコール濃度の関係
警察の検問では医療行為にあたる血液検査を行えないため、呼気中のアルコール濃度を測定して、酔いの程度を調べています。違反となる呼気中のアルコール濃度を血液中のアルコール濃度に置き換えると、以下の表のようになります。
ビール中びん1本の半分くらいの飲酒量でも、酒気帯び運転になります。 酔いの状態でいう爽快期でも、運転には非常に危険だと見なされています。
(ご注意)この表は、違反にならない飲酒量を示したものではありません。飲酒運転の取締りの基準がいかに厳しいものかをご理解いただくためのものです。実際には上記の半分の量(血中アルコール濃度0.15mg/ml 、呼気1リットル中0.07mg)でも運転に関わる能力に影響が出ることがわかっています。運転する時は、お酒を一滴も飲んではいけません。
呼気 1リットル中 |
0.15mg以上 | 0.25mg以上 |
---|---|---|
血液 1ミリリットル中 |
0.3mg以上 (0.03%以上) |
0.5mg以上 (0.05%以上) |
飲んだお酒の量 (ドリンク数) |
1ドリンク以上 | 2ドリンク以上 |
ドリンク数の目安
- 1ドリンク=ウイスキーシングル1杯
- 2ドリンク=ビール中びん1本、日本酒1合
自転車も飲酒運転
飲酒運転は、車だけではありません。お酒を飲んで自転車に乗ることも法律で禁じられています。
自転車は軽車両に含まれるため、お酒を飲んで自転車に乗ると、自動車と同様、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
お酒をひと口でも飲んだら、自転車に乗ってはいけません。