人権の尊重

バリューチェーン全体で人権課題の予防と是正に取り組み、ビジネスパートナーと共に安心・安全な労働環境をつくっていくと同時に、グループ全体で人権意識の向上に努め、従業員の人権尊重に向けた取り組みを推進していきます。

キリングループでは、人権についての活動方針を定め、その遵守に努めています。
従業員に人権尊重の考え方を徹底し、グループ全体の人権意識の向上をはかる取り組みを行っています。

方針・戦略

CPO(グループ人財統括)メッセージ

キリングループは従来から行ってきた人権活動を踏まえ、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、2018年2月に「キリングループ人権方針」を制定しました。2021年2月にミャンマーでクーデターが勃発した際、即座にジョイントベンチャーの解消を発表したのは、この人権方針に則った判断でした。

一方、ミャンマーでの経験を通し、現行の人権取り組みに対する課題も感じました。
私たちは、この教訓を継承するのが責務と考え、人権取り組みをグローバルなベストプラクティスのレベルへとステップアップすることを目指し、人権方針を改定することとしました。

キリングループは世界のCSV先進企業となることを目指しており、人権の取り組みはその基盤と位置付けています。新たな人権方針では、食からヘルスサイエンス・医へと拡大している全ての事業領域において、また研究開発、原材料調達から、製品・サービスの製造・販売を含むバリューチェーンの全てのプロセスにおいて、人権の取り組みを強化します。

これらを実行するため、キリングループの役員・従業員に対し、人権啓発に関する教育・研修を定期的かつ継続的に行い、一人一人の人権意識を高め、日々の行動に結びつけていきます。

人権啓発活動を行うことで、従業員の人権が一層尊重され、多様な人財が働きがいをもって活躍し、生産性の向上やイノベーションを生み出すとともに、あらゆるステークホルダーの人権の尊重を遵守する風土を根付かせ、社会へポジティブなインパクトを生み出していきたいと考えています。

私たちが人権を尊重する理念の礎には、キリングループの祖業であるビール造りの醸造フィロソフィー「生への畏敬」があります。ビール造りでは原料の農産物や酵母といった“いのち”の持つ力を引き出していくことから、いのちを学び、いのちを大切にしなければならない、という考え方です。「生への畏敬」はノーベル平和賞を受賞されたアルベルト・シュバイツァー博士が提唱された「われは、生きんとする生命にとりかこまれた、生きんとする生命である」という理念から由来しているものです。

今後も、国際スタンダードに則った人権デューデリジェンスを含め「キリングループ人権方針」に掲げている事項について、特定した人権課題のプライオリティに基づき確実に実践し、ステークホルダーの皆様への適切な情報開示と対話を通じて取り組みを継続的に進化させ、新たな人権課題の発見や課題解決につなげていきます。

  • 取締役副社長
    CPO(グループ人財統括)
    坪井 純子

これまでの歩み

取り組み概要 詳細ページ
2013 スリランカの紅茶農園に対して、茶摘みさんの労働条件や生活環境の向上など人権に関する項目が審査の対象となる「レインフォレスト・アライアンス認証」の取得支援を開始 紅茶農園
2015 キリングループの「持続的成長のための経営諸課題(グループ・マテリアリティ・マトリックス:GMM)」の一つとして、“人権”を選定 持続的成長のための経営諸課題(グループ・マテリアリティ・マトリックス)
2017 国連グローバルコンパクトの定める「人権」、「労働」、「環境」、「腐敗防止」分野における一連の本質的価値観を容認し、支持し、実行に移していくことを宣言した「キリングループ持続可能な調達方針」を制定 持続可能な調達の考え方
2018 国連人権理事会で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則したかたちで「キリングループ人権方針」を制定 キリングループ人権方針
「ビジネスと人権に関する指導原則」および「キリングループ人権方針」に則り、人権デューデリジェンスを開始 人権デューデリジェンスの実施
2020 グループCSV委員会において、“サプライチェーンにおける人権への対応”に関する意見交換を実施し、BSRを外部アドバイザーとした人権プロジェクトを立ち上げ、人権中長期戦略を策定 グループCSV委員会
2021 人権中長期戦略の進捗状況をモニタリングし、方針・戦略・計画を意見交換するため、人事総務戦略担当役員を議長とする「グループ人権会議」を設置
  • 「グループ人権会議」は2023年より「グループ ビジネスと人権会議」に名称変更しました。
サステナビリティ課題別会議開催報告
ビジネスパートナーであるサプライヤーとともに、社会の要請や期待に応え、事業を通じてさまざまな価値を創出し続けるために、「キリングループ持続可能な調達方針」のもと、サプライヤーに遵守いただきたいことをまとめた「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」を制定 持続可能な調達の考え方
2022 グローバルサプライチェーンにおける人権や環境課題へのリスクマネジメント強化を図るためSedexに加入 持続可能な調達推進に向けた取り組み
2023 「キリングループ人権方針」を5年ぶりに改定。併せて「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」も改定し、人権取り組みをよりステージアップしていく

キリングループ人権方針

キリングループ持続可能なサプライヤー規範