ブドウ栽培と日本ワイン産業の活性化

高品質なブドウの安定的確保と適切な農地拡大を通じた収穫量増加による取組みにより、ワインづくりやブドウづくりを支える産地・地域農業や経済の活性化に貢献します。

取り組み

適地・適品種

  • 適地・適品種

1877年、現在の山梨県甲州市勝沼町に設立された日本最古の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツに持つシャトー・メルシャンは日本でしか造り得ない最高のワインを造るため、高品質なブドウづくりを追求しその土地の風土にあったブドウ品種を探索し続け、産地と品種のペアリングを行ってきました。現在、シャトー・メルシャンのブドウ栽培地は、山梨県、長野県、秋田県、福島県の4県に広がっています。

日本ワイン全体の品質向上へ

「はじめに、ブドウありき」、「ブドウ」は、ワインの味わいを決める大切な要素です。シャトー・メルシャンでは、定期的に契約栽培農家を訪問し、自社管理畑で培った知見をフィードバック。季節ごとに必要な芽かきや新梢誘引、収穫時期の決定、冬季剪定などの栽培管理を通じて品質の向上を図っています。
また、日本固有のブドウ品種「甲州」では、業界に先駆けシュール・リー製法を取り入れ、旨みのある辛口タイプの甲州ワインの開発に成功。その後、「シャトー・メルシャン玉諸甲州きいろ香」の特長である柑橘を思わせるさわやかな香りを引き出すための栽培・醸造にも成功。産地全体の品質向上のため、企業秘密とも言えるその製法技術を他のワイナリーにも公開してきました。

  • 日本ワイン全体の品質向上へ

地域と共に歩む

農業であるブドウ栽培は、日本の農業全体が抱える課題とも向き合っています。
自社管理畑を拡大することで、後継者不足や遊休農地の活用に貢献、また、契約栽培農家からブドウを継続的に購入することで、長期的に地域農業の保全維持を目指しています。
2008年からは塩尻市と産学連携の協定を締結し、講師の派遣を開始、醸造やワイン分析の講義やブドウの剪定実習などの技術指導で、ワイン産業を担う人材育成に協力するなど、ブドウ栽培を通じて地域の皆様と共に課題を乗り越え前進し続けています。
高品質なワイン用ブドウを確保するため広い土地を探していたシャトー・メルシャンは、長野県上田市で栽培適地と出会い、椀子ヴィンヤードを開園しました。それまでに蓄積したブドウ栽培のノウハウを活かし、ブドウの垣根栽培を行い、より品質の高いブドウづくりに挑戦しました。2019年には椀子ワイナリーもオープンしました。

日本の魅力を世界に

1970年に誕生した「シャトー・メルシャン」シリーズは、「シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルロー」の1985年ヴィンテージが、1989年の国際ワインコンクールで大金賞を受賞しました。
その後も数々の国際的な賞を受賞しています。シャトー・メルシャンシリーズではラベルに産地・品種名を記載し、全世界の人々に、日本ワインの産地と品種の魅力を伝えています。