CSVマネジメント
この100年以上の歴史の中でも今、私たちを取り巻く環境は大きく変わってきました。生活習慣病などの健康問題、医療費の高騰、高齢化、人と人とのつながりの希薄化、経済格差が進み、気候変動や自然破壊が深刻さを増しています。私たちは、こうした社会問題の解決に主体的に取り組むことでお客様の幸せに貢献したいと考えています。グループの強みを活かして社会課題に取り組むことが、発想の転換や創意工夫を促し、イノベーションを生み出します。そうすることで、キリンの組織能力が向上し、お客様にとっての価値を持続的に提供できるのです。これがCSV(社会と共有できる価値の創造)という私たちが最も大切にしている経営の方針です。
CSVガバナンス
キリングループでは、社会とともに持続的に存続・発展していくうえでの重要課題を「持続的成長のための経営諸課題(グループ・マテリアリティ・マトリックス:GMM」に整理しています。「GMM」を元に経営理念を社会存在意義に翻訳した指針として「CSVパーパス」を策定し、その達成のための中期アクションプランとして「CSVコミットメント」を設定しています。「CSVコミットメント」は、グループ/事業会社の事業計画に組み込まれており、その進捗状況を業績評価に連動させています。
CSVを積極的・自主的に推進していくため、キリンホールディングス会長・社長を委員長とする「グループCSV委員会」を設置し、CSV方針・戦略、取り組み計画策定、ESGリスクに関する討議や、計画実行状況のモニタリングを行い、必要に応じて取締役会へ付議・報告を行っています。決定したCSV方針・戦略の実効性を高めるため、キリンホールディングス各部門および主要事業会社企画部門の実務担当者で構成される「CSV担当者会議」を設置し、情報共有と意見交換を行っています。
CSVガバナンス体制
- Group Materiality Matrix
- 経営理念を社会的存在意義に翻訳
- 出席者: KH機能部門 企画担当者、国内外主要事業会社 企画担当
- 委員長: キリンホールディングス(KH)会長・社長 委員: KH機能部門 担当役員、国内外主要事業会社 社長
ステークホルダーとの協働
キリングループは、「お客様」「株主・投資家」「地球環境」「ビジネス・パートナー」「コミュニティ」「従業員」を、グループ共通のステークホルダーと考えています。「キリングループならではのCSV」実現のため、事業を通じたステークホルダーとのかかわりを大切にし、新しい価値を共創していくことを目指します。
お客様 | 確かなものづくりの技術によって、お客様の期待に応える高い品質を追求し、「食と健康」を通じて世界の人々の健康、楽しさ、快適さに貢献する。 |
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株主・投資家 | コーポレートガバナンスのさらなる充実、中長期的な企業価値の向上のために、情報開示の充実、建設的な双方向の対話を行う。 |
地球環境 | お客様をはじめ広くステークホルダーと協働し、自然と人にポジティブな影響を創出することで、こころ豊かな社会と地球を次世代に広げる。 |
ビジネス パートナー |
全てのビジネスパートナーと持続可能な社会の実現に向けた公正な取引を通じて信頼関係を築き、お客様によりよい商品・サービスをお届けする。 |
コミュニティ | 事業活動を支える地域社会を大切にし、コミュニティの健全で持続的な発展に貢献する。 |
従業員 | 多様な人財が活き活きと働き、仕事を通じて自己成長を実感し、イノベーションに挑戦する組織風土の醸成に取り組む。 |
サステナブルファイナンス
キリングループは、「キリン・サステナブルファイナンス・フレームワーク」に基づきキリン・サステナブルファイナンスを実行し、CSV経営を推進するための資金調達を行っています。調達した資金は、CSVパーパスに基づいて「酒類メーカーとしての責任」「健康」「コミュニティ」「環境」の社会課題の解決に向けた取り組みに活用し、その活用状況を発信することで、キリングループのCSV経営の更なる推進と社会課題の解決を目指しています。
マーケティングコミュニケーションポリシー・商品表示に関する指針
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、お客様に様々な商品やサービスを生み出してまいります。そして、それらが、ご利用いただくお客様の心からのよろこびにつながらなければならないと考えています。そのために、キリングループでマーケティングにかかわる従業員全員が、広告・クリエイティブの制作時に遵守すべきことを、マーケティングコミュニケーションポリシーとして定めました。
また、キリングループが製造・販売する商品及びキリンブランドで販売する商品について、商品への表示を「お客様や社会とのコミュニケーションの1つ」として位置づけ、 表示を行う際のお約束を「商品表示に関する指針」として定めています。
これらを常に意識し、キリングループのマーケティング活動が、社会にとってよりよいものになるように努めてまいります。