グループCSV委員会
グループCSV委員会について
グループCSV委員会は、キリンホールディングス各部門及びグループ各社がCSVを積極的・自主的に推進していくため、グループCSV方針・戦略および取り組み計画の策定時や、CSV取り組み計画の実行状況のモニタリング実施時に、キリンホールディングス社長が委員長となり開催しています。(原則として年3回)
グループCSV委員会で意見交換した内容は、キリンホールディングスグループ経営戦略会議や同取締役会に付議・報告し、グループ全体戦略へ反映させます。委員長はキリンホールディングス各部門またはグループ各社に対して、CSVの推進に必要と思われる改善指示等を行い、委員会で決定したCSV方針・戦略の実効性を高めます。
キリンホールディングス各部門および主要事業会社企画部門の実務担当者で構成されるCSV担当者会議を設置し、グループ全体でのCSVの推進に向けて、情報共有と意見交換を行っています。
グループCSV委員会の傘下には、サステナビリティを巡る個別課題への対応を促進するため、これまで検討・実施してきた取り組みを仕組み化し、グループ横断の会議体を設置しています(CSV戦略担当役員を議長とするグループ環境会議、人事総務戦略担当役員を議長とするグループ ビジネスと人権会議・グループ健康経営推進会議)。
開催報告
2024年度開催報告
7月4日開催
主な議題
- Scope3削減に向けた今後の取り組みとARP方針改定に関する共有
- 一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄先生よりご講演
- サステナブルな人的資本経営の深化
- 事業会社版マテリアリティについて意見交換(キリンビール・キリンビバレッジ・協和キリン・Blackmoresの代表4社)
当日の主な報告・議論内容
- Scope3削減に向けた今後の取り組みとARP方針改定に関する共有
- Scope3
- 対2019年比で2030年30%削減を対外公表済みだが、現時点の見通しは23%削減に留まり、不足の7%分の施策検討が必要
- Scope3の目標達成に向け、全事業会社一律で「2030年30%減」を目標に設定し、削減施策を事業計画に反映し、確実な目標達成を目指す
- ARP
- グループのARP方針に関して、外部環境やお客様、競合の変化に対応するため、既存の方針を見直し
- ARP方針改定のポイントは ①ノン・低アルへの取り組みを記載 ②酒類事業のポジティブな側面を記載 ③グローバル業界団体との連携を記載
- Scope3
- 一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄先生よりご講演
- 企業価値の向上には、経済的利益だけでなく、社会的利益と環境的利益も考慮するROESGの考え方や社会と企業のサステナビリティの同期化が必要
- 人的資本経営の深化に向けては、経営戦略と人材戦略の連動、会社と個人のパーパスと成長の同期化が重要。人的資本の新しい指標として、Well-beingの可視化に加え、メンバーのフロー状態*創出につながる対話の実施などリーダーの役割が重要
*時間経過を忘れるぐらい熱中している状態
- 事業会社版マテリアリティについて意見交換(キリンビール・キリンビバレッジ・協和キリン・Blackmoresの代表4社)
- キリンビール
2025年度計画からKB独自のマテリアリティを導入。2030年のお酒の未来を想像するといった表現は、将来の日本国内の人口減の中で先を見通しづらい従業員がワクワクする表現。GMMにおける原料生産地と事業展開地域におけるコミュニティの持続的な発展に関して、KBはお客様につながりとよろこびを届ける会社といったパーパスをもって事業を行っており、KBの既存の取り組みや事業発展自体がコミュニティの発展にも貢献 - キリンビバレッジ
2024年度からKBC独自のマテリアリティをもとに事業計画を策定し、CSVコミットメントも設定し、アクションプランにつなげている。容器包装やGHGに加えて、食品ロスの削減も非常に重要 - 協和キリン
医薬品にとどまらない新たな医療ニーズへの取り組みでは、患者さんのお困りごと解決に向けたソリューション提供を目指し、スタートアップ企業と連携 - Blackmores
サプライヤーと連携してScope3の削減にアプローチ。特にTier1サプライヤーとの取り組みを加速し、サプライチェーンの取引先との契約におけるインセンティブの付与などを実行
- キリンビール
4月24日開催
主な議題
- 2025年以降におけるキリングループ環境投資の方針の共有
- 2025年以降に向けたGMMとCSVパーパスの更新に関する意見交換
当日の主な報告・議論内容
- 2025年以降におけるキリングループ環境投資の方針の共有
- 事業会社ごとに事業環境、規模、GHG排出量が異なることを踏まえ、キリンホールディングスと事業会社間にて環境投資(設備投資、再エネ費用増など)と事業利益目標を協議・対話するプロセスを明確化
- 協議・対話を通じて、「GHG削減量など非財務の期待」と「長期的な財務の期待」を合わせた目標の合意形成を目指す
- 2025年以降に向けたGMMとCSVパーパスの更新に関する意見交換
- GMM更新関連
- 「Life-changingな医薬品の創出と提供」について、協和キリンでは、GMMの右上の最重要象限に位置付けられている「医薬品の品質保証と安定供給」と同様、最重要課題に設定
- 環境について、国際的に最も重要なトピックは気候変動だが、4つの経営諸課題を同じ象限に位置付けている理由は、キリングループ環境ビジョン2050で、4つの経営諸課題にホリスティック(包括的)に取り組んでいくと明示していることに起因
- CSVパーパス更新関連
- コミュニティの“心と社会”という記載に関して、健康であることには、”体”だけでなく、”心”の健康も含まれているため、“心”は健康のパーパスの対象であり、コミュニティのCSVパーパスの対象は“社会”のみに限定することが妥当
- GMM更新関連
2023年度開催報告
11月13日開催
主な議題
- ESG投資を取り巻く環境変化と対応状況の共有
- ESG評価機関からの評価結果の報告
当日の主な報告・共有内容
- ESG投資を取り巻く環境変化と対応状況の共有
- ESG投資に関して、米国では政治的な側面に起因する揺り戻しがある一方、欧州ではサステナビリティに関する情報開示と規制を強化
- ISSBは2023年6月にサステナビリティ全般と気候変動の開示基準を公表。日本では今後、SSBJの議論を受けて、2026年3月期以降に非財務情報の開示が制度化される予定
- 当社グループの非財務情報開示対応として、グループおよび各社の非財務情報開示に関連する課題について、幅広く検討を開始。ISSBへの準拠も視野に入れ、非財務情報に関する業務をスムーズかつ正確に進めるための課題解決方法を検討中
- ESG評価機関からの評価結果の報告
- 当社グループのESG評価は、グローバル酒類企業とはほぼ同等であるが、国内外の食品・日用品企業のESG水準は向上しており、優位性は縮小傾向。加えて、アルコールセクターに対するリスク評価が上昇
- 「世界のCSV先進企業」の実現に向け、HS事業へのシフトなどの事業ポートフォリオの転換に加え、PETのケミカルリサイクルやネイチャーポジティブ・TNFDで先行し先進企業としての評価向上を目指す
7月31日開催
主な議題
- グループCSV委員会傘下の会議体からの進捗報告(2024年度の方針共有)
- グループ環境会議
- グループビジネスと人権会議
- グループ健康経営推進会議
参照)サステナビリティ課題別会議開催報告
- GMMの更新計画の報告(※GMM:グループ・マテリアリティ・マトリックス)
- 非財務情報開示の最新動向の共有
当日の主な報告・共有内容
- GMMの更新計画の報告
- 社内外環境変化のデスクトップ調査や従業員アンケートの結果を踏まえ、 2024年度計画に向けた更新無
- 次期2025年中期経営計画に向けた更新スケジュール
- 非財務情報開示の最新動向の共有
- ISSB開示基準では、財務諸表と同じ年度期間、同じ報告主体(連結子会社を全て含む)でScope3まで同時開示が必須
- EUでは本年より順次企業サステナビリティ報告指令(CSRD)にて域内外企業に欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に沿った情報開示を義務化。開始年度は企業規模で異なるが、当社グループではKKC/KHBの欧州子会社が開示対象であり、今後対応が必要
- 他社に先駆けて環境報告書でTCFDとTNFDβ版(本年9月確定版公開予定)を統合した環境関連財務情報を開示
6月16日開催
主な議題
- グループCSV委員会傘下の3会議体からの報告(進捗状況)
- グループ環境会議
- グループ ビジネスと人権会議
- グループ健康経営推進会議
- 株式会社丸井グループ 青井 浩 代表取締役社長 CEOよりご講演
- 丸井グループの人的資本経営
- 気候変動対策の目標・現状と課題に関する意見交換
当日の主な議論
- 意見交換
- GHG排出量の削減に関して、2030年以降の目標達成に向けた追加投資が必要
- 環境投資の促進に向け、環境投資と業績評価を連動させる仕組みの導入を計画
- 業界や地域によって異なる事業特性や事業利益水準に対応できる仕組みの導入を検討
- 利益とGHG削減(及びそれに必要な投資や費用)を同時に/セットでキリンホールディングス・グループ会社間で合意するプロセスが実用的
- 追加の環境投資の判断については、技術革新やエネルギー価格の推移を注視していく
2022年度開催報告
11月14日開催(グループESG会議)
主な議題
- 2022年度 CSVコミットメントの着地見込みの報告
- キリンのESG評価の状況報告と今後の対応課題の確認
- Environmentの進捗状況報告
- SocialおよびGovernanceに関するトピックス報告
当日の主な議論
- 意見交換
- 企業評価もESGインテグレーションが主流化しつつあり、投資家との対話でも、財務だけでなく、非財務に関する質問が増加。ESG対応への期待に応えなければ、投資家からは評価されない時代
- ESG対応の観点から考えると、現在進めているアルコールを中心とした事業ポートフォリオからの転換は正しい方向
- 投資家に限らない、幅広いステークホルダーからESG対応を正しく評価されるためには、
- CSVコミットメントが未達となった場合の要因について、天災などの不可抗力によるケースは明確に区分することが重要
- 投資家を含む専門家には理解されているケミカルリサイクルへの対応などについて、一般消費者にも理解してもらうための取り組みが必要
- 今後、財務と非財務の同時開示が要請されてくるが、非財務情報の集約早期化は大きな課題
7月7日開催
主な議題
- グループCSV委員会傘下の3会議体からの報告(進捗状況と23年度方針)
- グループ環境会議
- グループ ビジネスと人権会議
- グループ健康経営推進会議
- 世界のCSV先進企業に向けたイニシアチブの進捗報告
- プラスチック包装容器に対するR&Dの取り組みについて
- 青山学院大学 北川哲雄名誉教授よりご講演
- あるべきシン・企業情報開示とは何か
- 気候関連情報開示から始まる非財務情報対応に関する意見交換
当日の主な議論
- 意見交換
- 投資家は財務目標の達成を大前提にESGに関する説明を求めており、企業は非財務情報の開示を通して説明責任を果たすことが必要である。
- 非財務情報の開示は、「世界のCSV先進企業」を目指すうえで、常に先行してブラッシュアップし続けることが重要である。
- 非財務情報対応を進める際、非財務と財務とのつながりを整理し、価値保全面だけではなく、事業化やパーパスブランディングなどの価値創造面で成果を上げて必要がある。
- 非財務情報開示の中でも、気候変動では比較可能性が、個別企業の経営戦略に紐づく人的資本では独自性が重要となる。
- 有価証券報告書における非財務情報開示を拡充していくうえで、組織の非財務情報に関するリテラシーの向上が必要である。
2021年度開催報告
6月10日開催
主な議題
- 2020年度グループCSV委員会以降の進捗確認
- サプライチェーンにおける人権への対応
- 「キリングループ環境ビジョン2050」の達成に向けた取り組み
- オムロン株式会社 代表取締役社長 CEO 山田義仁氏よりご講演
- オムロンが目指す企業理念経営
- 次期中期経営計画に向けたグループ・マテリアリティ・マトリックスに関する意見交換
当日の主な議論
- 次期中期経営計画に向けたグループ・マテリアリティ・マトリックスに関する意見交換
- ステークホルダーと自社の双方にとって、「アルコール関連問題への対応」は重要性が高い。
- 「人権」は、ステークホルダーの関心も高く、取り組みを強化していく必要がある。
欧米企業と異なり、日本企業は「人権」を当たり前の取り組みと捉えているが、“従業員”と”バリューチェーン”とを問わず、社外に開示していくべき課題である。
- その他意見交換
- 長期経営構想のビジョン「世界のCSV先進企業」実現に向けて、従業員一人ひとりのCSVの理念への共感を高め、現場力・実行力を高めていかなければならない。
- CSVを商品ブランドで訴求することは、お客様のみならず、社内へのコミュニケーションとしても重要である。
2020年度開催報告
6月3日開催
主な議題
- 次期中期経営計画に向けたグループ・マテリアリティ・マトリックスの更新予定
- 株式会社ファンケル名誉相談役ファウンダー 池森賢二氏よりご講演
- “サプライチェーンにおける人権への対応”に関する意見交換
- 環境ビジョンの改定に伴う施策の検討状況ほか
当日の主な議論
“サプライチェーンにおける人権への対応”に関する意見交換
- ビジネスパートナー・NGO・投資家などのステークホルダーから、サプライチェーンにおける人権への対応が要請され、企業のレピュテーションにも影響を及ぼす。
- 特に取引先からの要請が高まっており、いずれ消費者の意識も変化していく。
- サプライチェーンにおける課題は、取引先の経営課題でもあるため、協働して取り組むことが重要となる。
- 今後の取り組みは、業界トップレベルを目標とし、取り組み検討のプロジェクトチームを立上げ、組織として取り組んでいく。
2019年度開催報告
6月10日開催
主な議題
- 2018年度の主な進展と今後の課題
- “世界のCSV先進企業”を目指し、経営レジリエンス強化に向けて
- ESG評価対応
- TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)シナリオ分析・移行計画意見交換
- 社外講師よりご講演
当日の主な議論
CSV経営の実現に向けて
- キリングループのCSV経営は前進している。しかし消費者・ビジネスパートナー・投資家・政治・NGOなど複数のステークホルダーから企業への要請レベルは高まっている。
- 企業として、短期視点・思考や積み上げ式の中長期視点ではなく、GoalへのJourneyとの思考が必要。
- CSV取り組みは、地域差(国・エリアの経済レベル)も認識して進めることが重要。キリングループとしては、それぞれの事業地域でのトップレベルを目指す。
気候変動への取り組み
- 気候変動の移行戦略として、まず”製造・物流レジリエンス強化としてBCP策定”、”プラスチック代替・リサイクル”、”GHG排出削減をより進めるための再生可能エネルギーの拡大や、カーボンプライシングなど用いた社内システムの構築”を各事業会社・部門と進める。
- 一社では推進に限界があることも認識し、外部との協業が重要。
- 気候変動は、リスクだけでなく、機会として捉えることも重要。
- シナリオ分析結果等を新長期環境ビジョン・GHG排出量削減目標に反映して改訂する。
2018年度開催報告
5月18日開催
主な議題
- コミットメントの進捗状況ほか
- グループ・マテリアリティ・マトリックスの更新
- 次期長期経営構想に向けた意見交換
- 一橋大学名誉教授 石倉洋子氏よりご講演
2017年度開催報告
6月8日開催
主な議題
- 株式会社りそな銀行アセットマネジメント部
松原稔氏よりご講演 - コミットメントの進捗状況ほか
- コミットメント共通の議題について
2016年度開催報告
6月8日開催
主な議題
- グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン代表理事
有馬利男氏よりご講演 - 中長期的なグループCSVの重点テーマの選定
- 重点テーマの今後の進め方等について