広がる、つながる。活動の輪
東北の人と未来を応援。
キリンシティで「岩手・宮城・福島おいしいものフェア」展開
「季節に合わせた東北地域の素材を使った商品の開発・販売を通して、“人と未来を応援”する」ことを目的に、2015年からキリンシティ・キリンシティプラスでは東北フェアを実施しています。東北の旬素材を使用し、生産者の想いにひと手間加えたメニューを提供することで、お客様に驚きと発見を楽しんでいただく。そして、楽しんでいただくことが、東北復興へのエールにつながっていく。そんな思いからこの企画は生まれました。フェア実施期間中は、キリンシティに来店いただいたお客様から日々嬉しい言葉が寄せられます。それらのコメントを受け取る担当者は「頂戴したたくさんの嬉しいお言葉を、これからも生産者の方々にお返していきたい」といいます。
キリンシティの隣にはいつも、天候や土と向き合い自然と対話する生産者の存在があります。食材に込められた想いを料理というカタチにし、お客様に伝えるために1品1品真心を込めてお届けする。“From Brewery&Farm”をコンセプトに、これからも生産者の方々と手を携え、食卓に笑顔を生み出していけたらと願っています。
2021年は、3月10日(水)からキリンシティ・キリンシティプラスの全32店舗で「岩手・宮城・福島おいしいものフェア」を展開予定。岩手県のこがね鶏、宮城県の金華さば・ほや、福島県のジャンボなめこ・かぶれ菜など、東北のおいしい食材を使った限定メニューが登場します※。
- 食材は変更になる可能性があります。
藤田純嗣
キリンシティ株式会社 営業部 マーケティング担当
過去3回の東北フェアではメニュー開発に携わり、食材を活かしながらビールに合う料理を提供してきました。企画担当となった現在、これまで積み重ねてきた生産者さまとのつながりを大切に育みながら、素材の選定はじめ、来店くださるお客様に楽しんでいただくためにできることを日々模索しています。実際に東北各地の生産者の方々とお会いしてお話を伺うなかで、ご苦労されている点や、おすすめの食べ方などたくさんのことを教えていただき、食材のバックグラウンドまで深く考えるようになりました。このフェアをきっかけに一個人としても成長させていただいています。
- キリンシティ・キリンシティプラス全店舗では、お客様に安心してご飲食いただくために、ソーシャルディスタンスや店内のクレンリネスなど、安心・安全への取り組みを徹底しています。
産地とともに歩んだ45年。
福島県会津美里町新鶴地区でのメルシャンの取り組み
シャトー・メルシャンでは長年、全国のワイン用ブドウ栽培に適した産地の確保・育成と、その土地に最適な品種の栽培に取り組んできました。なかでも福島県会津美里町の新鶴地区では、1975年からいち早く契約ブドウ栽培を開始。農家の方々の知恵と工夫、メルシャンとの連携により、雨よけを設置することで品質の高いブドウ栽培が可能になりました。
福島県会津美里町の新鶴地区で主に栽培されているシャルドネ。その品質の高さは、国際線ファーストクラスでの採用や国際コンクールでの金賞といった成果として表れ、今や日本を代表する産地として高く評価されています。
東日本大震災時、その新鶴地区も大きな被害を受けました。そこでメルシャンでは2011年〜2013年にわたり、新鶴地区に雨よけビニールおよび農薬散布機を支援。2018年からは毎年ドネーション企画を実施し、その寄付金を産地の活性化に活用いただいています。震災から10年となる2021年も、日本ワインの売上1本につき10円の寄付を行うドネーション企画を展開。新鶴地区の産地としての素晴らしさを訴求する店頭活動やSNSでの情報発信も予定しています。
また近年では、新たなチャレンジとして新しいブドウ品種「アルバリーニョ」の栽培に取り組み、「新鶴アルバリーニョ」を限定発売するなど地域との連携をより強化しています。これからもメルシャンは、ブドウ産地と日本ワイン産業のさらなる発展を願い貢献していきます。
安蔵光弘
メルシャン株式会社 シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャー
入社以来、新鶴地区のシャルドネの醸造を担当してきました。シャトー・メルシャンの契約ブドウ畑は棚栽培のため、植えてから十分な量を収穫できるまで5年、その後も30年ほど果実をつけます。そのため契約農家とは長いお付き合いとなり、生産者1人1人の顔が見える関係です。これまで、新鶴地区ではシャルドネのみの栽培が続いてきましたが、アルバリーニョという新しい品種の栽培も徐々に広まっており、まだ量は少ないものの高い品質が得られています。今後もワインづくりを通じて、産地の価値向上を目指していきます。
飲料を通して福島の農業を応援。
「キリン 氷結®もも」に込められた東北への想い
2001年の発売以降、みずみずしい果実のおいしさを食卓に届けてきた「キリン 氷結®」。東日本大震災後は被害を受けた福島県の農業の復興再生を願い、持続的な応援に取り組んできました。
2011年には東北産リンゴを使用した「キリン 氷結® アップルヌーヴォー<期間限定>」を発売し、1本につき1円を東北の“食”の復興支援に活用するというドネーション企画を実施しました。続いて2013年には、福島産の梨を使った「キリン 氷結® 和梨<期間限定>」を発売。震災以降、原子力発電所の被災による風評被害に苦しみ、早期の再生を目指していた福島県の農業を応援するとともに、福島県の元気とおいしさを全国に発信しました。
そして2015年。福島産の桃でつくった「キリン 氷結® 福島産桃<限定出荷>」を発売。原料の安全性に関する入念な協議・検証を行い、いち早く福島の農業復興の一助となることを目指しました。当時の担当者は実際に現地を訪問し、農家の皆さんにお話を伺い中味を開発。地域の方々と一緒に発売発表会を実施するなど、産地と連携してその魅力とおいしさをお伝えしてきました。当初、期間限定として発売された当商品は、2016年2月からレギュラー商品となり現在※も全国で販売しています。
野畑優菜
キリンビール株式会社 マーケティング部 RTDカテゴリー戦略担当
東北復興応援の活動をきっかけに、全国の魅力的な果実を使った特別な氷結®を通して、地域の応援だけでなく“地域と全国のお客様をつなぐ”きっかけをつくることを目指した「いいね!ニッポンの果実。プロジェクト」が始まり、今まで継続的に取り組んできました。これからも、氷結®が産地の活性と、全国のお客様の喜びにつながることを願って商品開発に取り組んでいきます。
- 2021年2月時点の情報です。最新の情報と異なることがありますのでご了承ください。
心と体を元気に。
「協和発酵キリン卓球教室」がつないだ絆のリレー
協和発酵キリン(現在の協和キリン)では、2011年11月〜2014年6月の2年8ヶ月間、「子どもの笑顔づくり支援 協和発酵キリン卓球教室」を岩手県・宮城県・福島県において継続的に開催し、通算61回、のべ9,768名にご参加いただきました。
開始した当初は、1日も早く被災した子どもたちの元気と笑顔を取り戻したいという想いから、小中高生を対象とした卓球教室を開催。気軽に楽しめる卓球というスポーツを通じて体を動かし、実業団トップクラスの選手たちと直接ふれあうことで、夢や希望を感じてもらうことを目指しました。また、技術指導だけでなく、「いのち」とまっすぐ真摯に向き合うことの大切さを伝えるなど、卓球を通じて子どもたちの心の成長を促し、絆づくりにも取り組んできました。
2012年4月からは、新たな取り組みとして、子どもたちだけでなく地域住民の大人や高齢者および障がい者の方を対象とした卓球交流会も開催し、誰もが楽しめる卓球を通じて被災地の方々の笑顔の輪を広げる活動を展開。仮設住宅の小さな集会所から、大きな体育館での開催、さらに大きな規模では協和発酵キリン杯を4県(岩手・宮城・福島・茨城)で開催するなど、さまざまな地域で交流を続けてきました。2014年4月に開催した第4回4県<絆>卓球交流大会では、ラリーピンポンリレーのギネス世界記録®に挑戦し、139人でラリーをつなげ新記録が誕生しました。
どの交流会も思い出深く、そこで見られた子どもたちの笑顔は今も、当時関わったスタッフたちの心に刻まれています。
矢澤明
協和キリンプラス株式会社 代表取締役社長(協和キリン卓球部 副部長)
協和キリンが取り組んできた被災地での卓球交流会をはじめ、グループ会社の多くの仲間たちがさまざま形で支援に関わってきたことを、一社員として誇りに思います。現在のコロナ渦で、卓球を通じた交流や協和キリン卓球部の活動についても熟慮しているところですが、状況が終息した際は「世界の人々の健康と豊かさに貢献する」企業の一員として、さまざまな活動に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
自分ごととして被災地と社会課題に向き合っていく。
従業員らによる「キリン絆ボランティア」
東日本大震災以降、熊本地震も含め、キリングループ全体で従業員による被災地のボランティア活動を継続的に行ってきました。持続性のある自立的な復興応援活動につなげるために。そして、従業員自らが参画することで現状を知り、自分ごととして社会課題に向き合うために。被災地のニーズに寄り添いながら、必要な支援に取り組んできました。
活動計画は被災地の活動時の復興フェーズ踏まえて当社自らによる事前の地域の現地視察の確認手順を踏み策定。被災地の状況に合わせて、年間計4回(春期2回、秋期2回)を基本計画とし実施しました。2011年10月〜2012年12月は仙台市での泥かき、石巻市雄勝町での漁業支援に従事。2013年からは南三陸町の漁業支援を中心に行い、2016年6月までに、のべ1,100人以上の従業員が参加しました。あの日から10年。被災地は、地域差はあるものの復旧から復興、そして自走化へと確実に前へ歩みを進めています。
「キリン絆ボランティア」に参加した従業員は、この活動を通じて被災地の復興再生に貢献するとともに、主体的に被災地と向き合うことで、社会課題に対する意識向上につなげています。
永元禎人
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部絆づくり推進室 絆づくり推進室長
CSV戦略部絆づくり推進室は、「キリン絆ボランティア」の方針および活動計画の策定・実行を主管しました。復興支援に自らが参加し、震災の教訓や社会課題を風化させないこと、またその活動を通して従業員のCSR・CSVに対する意識向上の機会にしていきたい。そのような想いでプログラムを具現化させてきました。結果的に、各地で実施した取り組みは充実度の高い弊社独自のプログラムとして機能し、被災地の方々からもたくさんの感謝の声を頂戴することができました。参加した従業員からも多くの学びがあったというフィードバックが寄せられ、大変意義のある取り組みであったと感じています。