横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校のみなさんに、基盤技術研究所を訪問していただきました

  • 環境

2016年02月29日

  • 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校のみなさんに、基盤技術研究所を訪問していただきました

キリンが応援している「全国ユース環境ネットワーク」の参加校である横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校のみなさんに、キリンの基盤技術研究所へ来ていただき、キリンが持っている植物大量増殖技術による東北防災林の復興支援について見学していただき、意見交換を行いました。

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校は、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている高校で、科学技術、将来の国際的な科学技術系人材の育成を行っています。まずは、学生のみなさんから、それぞれの自己紹介と研究内容について発表していただきました。
その後、基盤技術研究所の担当研究者から農林水産省プロジェクトである農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「東北地方海岸林再生に向けたマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ種苗生産の飛躍的向上」(代表:森林総合研究所材木育種センター東北育種場)に参画し、研究を進めてきた内容についての講義を受けていただきました。

キリンは、2011年の東日本大震災の津波で仙台工場が被災したこともあり、「復興応援キリン絆プロジェクト」を創設、活動を進めています。
東日本大震災では、東北の海岸線の防災林が津波により壊滅的な被害を受け、その範囲は1000haにもおよびます。復活させるには500万本以上の、マツ材線虫病への抵抗性を持ったクロマツの苗が必要となり、現在の状況では全ての苗を揃えるのに14年以上かかります。
実は、キリンの基盤技術研究所では長年、植物大量増殖技術を研究し、実用化してきました。これは培養苗から茎、芽、胚などを増殖させる技術で、均一性のとれた苗を素早く、安定的に育成することができるものです。
キリンはこの技術を使って復興に貢献するため、農林水産省のプロジェクトに参画し、不定胚法と呼ばれる分野で研究を進めてきました
現在では小苗(プラグ苗)を作製する技術の確立に目処がたちつつあり、今後の東北地方の海岸防災林の復興に向けて活動をつづけています。

講義の後、高校生のみなさんに、増殖途中のクロマツの不定胚を見ていただいたり、実験室の中に入って増殖の様子を見学していただきました。

みなさんからは、

  • 飲み物の会社と言う認識しかなかったが、知らないところで植物の技術で東北復興支援をしていることを知って驚いた。
  • 植物を育てることが東北復興支援につながることを知り、サイエンスを復興支援につなげることができると気づかされた。
  • 小さな命に圧倒された。今日は大人から学んだが、今度は高校生から学んだことを大人に発信していきたい。

と言ったご意見をいただきました。

キリンではこの取組を高校生にもサポートしてもらい、一緒に東北復興を進めることを考えています。今回の訪問はその第一歩になったように思います。ありがとうございました。

  • 同プロジェクトでは、不定胚法の他に、種子や挿し木等による増殖法の開発も進められています。

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

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