キリングループの「健康」とは

CSVパーパスにおける「健康」

キリングループは、CSVパーパスの一つに「健康」を掲げ、「健康な人を増やし、疾病に至る人を減らし、治療に関わる人に貢献する」ことを目指しています。
当社グループは1907年の創業以来、ビール事業を通じて発酵・バイオテクノロジーを中心とした技術力を磨いてきました。1980年代には医薬事業への参入など多角化に挑戦し、その後旧協和発酵工業との合併により更なる成長を遂げた結果、現在はグループの1セグメントを担う主要事業にまで成長しています。そして現在、当社グループは食から医にわたる領域で価値を創造すべく、ヘルスサイエンス領域での成長によるグループのポートフォリオ転換の成功を目指し、事業活動を展開しています。
昨今の社会情勢の影響も大きく受け、お客様・社会の健康に関する関心は非常に高まっています。健康に関する課題は世界の人類共通の課題である一方、個々人のライフステージや特性などで抱えている課題の内容は千差万別です。一般的には、バランスのよい食事や毎日の運動を心掛ける人が増えている一方で、肥満や生活習慣病などの課題も数多く生じています。そこで当社グループは長年信頼を築いてきた幅広い顧客接点を活用しながら、サイエンスに基づく嘘・偽りのない商品とサービスを提供し、お客様共通の健康課題と個別の健康課題の双方に対処し、「健康な人を増やし、疾病に至る人を減らし、治療に関わる人に貢献する」ことを目指していきます。

持続的成長のための「健康」領域の経営諸課題

当社グループは、社会とともに持続的に存続・発展していく上での重要テーマを「持続的成長のための経営諸課題(グループ・マテリアリティ・マトリックス:GMM)」に整理しています。長期経営構想KV2027での食・ヘルスサイエンス・医の領域での成長の実現に向けて、当社グループの事業のみならず、従業員を含むマルチステークホルダーへのインパクトを検討し、健康に関する様々な重要課題の解決に努めています。
まずはじめに、食品・医薬品を製造する会社として、お客様・患者さまに安全な商品を安心して摂取・使用いただくことが重要です。そのため、「食の安全・安心の確保」や「医薬品メーカーとしての安定供給と安全性・信頼性の確保」を第一に、事業を展開しています。
品質に関する取り組みを前提に、当社グループは価値創造を通じて社会に貢献していきます。医薬事業では「Unmet Medical Needsを満たす医薬品の提供」を重要課題とし、協和キリンを統括会社としてクリースビータのグローバル展開などを通じて、世界中の多くの患者さまに貢献していきます。食およびヘルスサイエンスの領域では、4つの課題への対応で価値を創造していきます。プラズマ乳酸菌関連商品を通じた「免疫機能の維持支援」、摂りすぎないことによる健康支援としての「生活習慣病の予防支援」、当社の技術力を活用した「脳機能のパフォーマンス向上と衰え予防の支援」、そして「栄養へのアクセス向上」です。これらは今後、お客様の「人生100年時代の健幸ライフスタイルパートナー」となれるようグループ全体でのヘルスサイエンス事業の育成・拡大を通じて解決を目指していきます。

最後に、上記を実現していくためには、当社グループの従業員の健康も重要です。
「健康経営の実現」では、お客様に「健康」をお届けする企業として、従業員が心身の健康に向けて積極的に取り組み、一人ひとりが明るくいきいきと働ける環境や機会の創出を目指しています。また「労働安全衛生の確保」では、製造業として安全で衛生的な職場環境の整備に最優先で取り組むとともに、業務上の安全・衛生に関する法令等の遵守も重要視しています。
今後も、食と健康の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現を目指すべく、当社グループはCSV経営を通じてお客様や社会の健康課題の解決に取り組んでまいります。