メルシャン株式会社(本社:東京、社長:岡部
有治) は、「メルシャン中期経営計画2008-2012年」を策定しました。
「メルシャン中期経営計画(2008-2012年)」の骨子 当社は、本年7月1日にキリンホールディングス社の事業会社として新体制をスタートしました。キリングループ長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015(略称:KV2015)」に掲げる飛躍的成長の実現に向け、当社の役割を果たすべく「ワイン」と「加工用酒類」事業分野に特化し、さらなる成長を目指しています。 今回の5カ年の中期経営計画では、グループ連携の最大化とこれまでにない経営革新を断行し、激変する市場環境の中で、「ワイン」と「加工用酒類」のそれぞれの分野でストロングNo.1の早期実現と経営理念・経営ビジョンに沿った企業活動の実践を図り、すべてのステークホルダーから高い評価を獲得することを目指します。 併せて、株主還元の充実と成長戦略を実現するための財務戦略を推進します。定量目標として、2012年に連結売上高1,250億円、営業利益55億円、当期利益30億円を目指し、株主配当は利益の増加に伴い現行の5円から10円に増配するなど株主還元の充実を図ります。さらに、目標利益を達成し、資産効率を改善することにより2012年の株主資本利益率(ROE)5%以上とEVA(R)*(経済的付加価値)黒字化の達成を目指します。 *EVAは米国のスターンスチュワート社の登録商標です。
1.経営理念・経営ビジョン
<経営理念> メルシャン(『Merci+an』=常に感謝の気持ちを持ち続ける人)は、社名が示すとおり、お客様への感謝の気持ちを常に大切にし、「自然の恵みをくらしに活かす」企業活動を行ってまいります。
<経営ビジョン>
① 成長シナリオの実現
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将来的に市場拡大の可能性が高い「ワイン事業」と「加工用酒類事業」に特化し、両事業でストロングNo.1を目指します。
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②お客様視点の経営の実践
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「お客様に常に感謝の気持ちを持って行動する会社」に生まれ変わるために、経営のあり方や仕組みを常に変革し続けます。
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③CSRの向上
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企業基盤となる品質管理とCSR(企業の社会的責任)の向上に不断の努力を行います。
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2.経営革新
①経営基盤の整備
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本年7月1日に経営機構・組織の改正を行い、ワイン事業と加工用酒類事業特化型のスリム化した組織へ変更し、同時に顧問制度・役員退職慰労金の廃止を取締役会にて決議しました。また、CSR推進部を新設し、全社リスクマネジメント・品質管理機能を強化し、CSRの向上を図ります。
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②コスト競争力の強化
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酒類事業で成果をあげているコスト改善活動を全社展開するとともに、ワイン総合専門会社に相応しい価値訴求型事業モデルを構築します。また、営業・販促、生産・SCM等あらゆる分野でのグループ連携強化により大幅なコスト削減を図ります。
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③組織風土・行動の革新
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全社員の行動指針にお客様視点を浸透・実践させるとともに、「新たなワイン需要の創造と拡大」「一人一人の働き方の改善」の全社的運動を展開します。また、各部門で人材育成プログラムを導入し、自由闊達でいきいきした組織風土を醸成します。
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3.経営目標
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2007年見込
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2012年目標
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2007年比
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売上高 |
1,060
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1,250
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118%
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営業利益
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19
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55
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289%
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経常利益
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17
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55
|
324%
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当期純利益
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8
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30
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375%
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営業利益率
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1.8%
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4.4%
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+2.6ポイント
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ROE
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1.6%
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5%以上
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+3.4ポイント以上
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[セグメント別ガイドライン(連結)]
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(単位:億円)
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売上高
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営業利益
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2007年見込
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2012年目標
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2007年比
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2007年見込
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2012年目標
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2007年比
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酒類
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817 |
1,000 |
122% |
8 |
40 |
500% |
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ワイン
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371
|
550
|
148%
|
12
|
30
|
250%
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加工用酒類
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98
|
150
|
153%
|
2
|
10
|
500%
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受託生産他
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348
|
300
|
86%
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▲6
|
0
|
-
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医薬・化学品
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56
|
70
|
125%
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4
|
10
|
250%
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飼料
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164
|
150
|
91%
|
6
|
5
|
83%
|
その他
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23
|
30
|
130%
|
1
|
0
|
-
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合計
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1,060
|
1,250
|
118%
|
19
|
55
|
289%
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4.業務提携シナジー
① ストロングNo.1になる可能性の高い事業分野(ワイン・加工用酒類)への特化
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②
キリングループ経営ノウハウの導入
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③
キリングループによる強力なサポート体制の確保
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④ 戦略的人材交流の促進
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5.事業戦略
1)ワイン事業No.1戦略
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ワイン総合専門会社として「健全なワイン市場の拡大と深耕」「お客様支持No.1の獲得」の実現に向けて、お客様視点に基づいた新商品開発・導入およびワインを楽しむ新しいライフスタイル等の提案を積極的に行います。 ワイン市場シェア20%、営業利益率5%を達成するために12の事業変革プログラムをスピード感を持って展開します。
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〔12の事業変革プログラム〕
(1)商品ポートフォリオの強化
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①市場データ分析を基に創造性に富んだ商品開発戦略の実行
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②国産デイリーワイン分野での新しい価値提案によるストロングNo.1ポジションのさらなる強化
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③輸入デイリーワイン分野での伝統国・新世界の各主要国の販売量No.1ポジション獲得
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④国産ファインワイン分野でワイン造りリーダーとして日本産ワインの品質向上への取り組み強化と市場拡大に向けて「シャトー・メルシャン」シリーズおよび「甲州種ワイン」の充実・強化
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⑤輸入ファインワイン分野で多様なお客様ニーズに応える銘醸ワイン・希少ワインの充実した品揃えと多岐にわたる販売ネットワークの構築
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(2)営業力の強化
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⑥当社ワイン専門営業とキリンマーチャンダイジング社およびキリンビール社との連携・協働営業の推進
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⑦ワイン売場のさらなる魅力度アップに向けた提案の推進
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⑧料飲店での多様なお客様ニーズに対応するワインメニュー提案の強化・実践
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⑨価値営業のさらなる推進による収益力強化
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⑩全営業のワインプロフェショナル化
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(3)全社運動の推進
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⑪グループ全員によるワイン総需要(ワインファン)の拡大策の実践
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⑫「TCR(Total Cost Reduction)」プロジェクトの推進
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2)加工用酒類事業No.1戦略
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加工食品産業・中食産業(お弁当・惣菜)・外食産業市場においても、お客様の「安全・安心」に対するニーズが益々強くなってきています。当社は、1988年より約20年にわたり加工用酒類分野のパイオニアとして培ってきた技術力・提案力・商品開発力に加え、ワインからアルコール製剤まで、業界随一の品揃えを持つ強みを活かし、お酒の持つ天然系調味料としての価値をさらに高め潜在需要の開拓に取り組みます。 2005年より「日本橋オフィスの開設」「カスタマーセンターの充実」「日光工場の新設」など事業拡大に向けた基盤整備を完了し、今中期経営計画では、事業拡大に向けて本格的な取り組みを開始します。2012年売上高150億円、市場シェア16%に向けて新たに3つの強化プログラムを推進します。
(1)
専門営業マンによるコンサルタント営業の強化・推進
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(2)
カスタマーセンター、研究所、専門営業マンの3者が一体化したレシピ提案、新商品提案までを包括する総合営業戦略の推進
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(3)
キリングループとの連携強化による新需要の創造
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3)医薬・化学品事業
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当社は創業時から培った微生物発酵技術を活用し製薬会社との共同研究を行うことなどにより医薬原体などの生産(受託)・販売を主たる事業としています。 今後は発酵技術・合成技術力にさらに磨きをかけ、高品質・低コストな原料・原薬を安定的に供給します。2012年売上高70億円、営業利益10億円に向け、2つの強化プログラムを推進します。
(1)
制癌剤原薬事業の強化
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(2)
創薬支援強化として長期的視点で新規医薬品開発パイプラインの充実
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4)飼料事業
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当社は飼料業界において、独自性の高い付加価値商品を開発し、戦略商品として着実に市場に定着しています。 2012年売上高150億円、営業利益5億円に向け、安定した売上と利益の確保のため各事業強化プログラムの推進と徹底した品質管理体制のもとお客様から高い信頼の獲得を目指します。
(1)
畜産飼料事業(北海道を中心とした乳牛用飼料) 業界No.1のR&D体制の整備と営業力の強化
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(2)
水産飼料事業(九州・四国を中心とした養殖魚用飼料) 市場評価の高い「ソフトEP」のような付加価値製品のR&D強化
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当社はグループ連携の最大化と経営革新に取り組み、将来拡大の可能性のある「ワイン事業」と「加工用酒類事業」に特化し、両事業でストロングNo.1を目指すと同時に、お客様視点の経営の実践やCSRの向上を図り、酒類の様々な提案を通して日本の食文化に貢献してまいります。
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