2007年10月22日

協和発酵工業株式会社とキリンファーマ株式会社の統合を柱とする
協和発酵グループ及びキリングループの戦略的提携のお知らせ

 協和発酵工業株式会社(代表取締役社長 松田 譲、以下「協和発酵」といいます。)、キリンファーマ株式会社(代表取締役社長 浅野 克彦、以下「キリンファーマ」といいます。)及びキリンホールディングス株式会社(代表取締役社長 加藤 壹康、以下「キリンホールディングス」といいます。)は、このたび、協和発酵とキリンファーマの統合を柱とする、協和発酵グループとキリングループの戦略的提携について合意に達し、本日三社の取締役会において決議のうえ、三社間の「統合契約書」(以下「本統合契約」といいます。)並びに協和発酵及びキリンファーマ間の「株式交換契約書」(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結致しましたので、お知らせ致します。
1.戦略的提携の目的及び基本方針
協和発酵グループ及びキリングループにとって主力事業である医薬事業においては、医療制度の改革に伴う診療報酬改定や薬価引下げ等、薬剤費抑制策の浸透、欧米大手製薬企業による攻勢、新薬の研究開発を巡るグローバル競争の激化、新薬創出のための研究開発費負担の増大等、国内・海外共に競争環境が激変しております。両グループは、このような厳しい環境を乗り越えていくため、また、スピード感をもったグローバルな成長を図るために、協和発酵及びキリンファーマがそれぞれ単独で事業展開を推進するのではなく、両社を統合することによる経営基盤の強化が必要であると判断致しました。
このような共通認識に基づき、両グループは、協和発酵とキリンファーマの個性と強みを融合させた新たな会社を創生するという基本的な考え方に立ち、互いの強みであるバイオテクノロジーを基盤とし、医薬を核にした日本発の世界トップクラスの研究開発型ライフサイエンス企業を目指すべく、今般の協和発酵とキリンファーマの統合(以下「本統合」といいます。)を柱とする戦略的提携(以下「本戦略的提携」といいます。)の合意に至りました。
本戦略的提携の柱である医薬事業の統合については、協和発酵及びキリンファーマの両社は抗体医薬技術を中心としたバイオテクノロジーを強みとしており、両社の抗体医薬技術を融合することによる創薬力の向上、抗体医薬分野のプレゼンス向上による新規抗原の獲得機会の拡大、抗体技術の相互利用による抗体医薬品の開発スピードの加速や海外での積極的な事業展開を目指します。また、本統合を行うことで、研究開発・営業等で規模の拡大と効率的な事業運営体制の構築、医薬事業の収益基盤と競争力の一層の強化が期待でき、事業基盤の強化を図ることができると考えております。
また、非医薬事業については、協和発酵グループ及びキリングループにおいて営まれている事業について多くの共通点(食品、アルコール、健康食品通信販売等)があり、それぞれにおいて具体的に事業統合や連携を進めることで、事業価値の最大化を図ります。
本戦略的提携は、協和発酵グループとキリングループの事業全体を対象とした「企業グループ 対 企業グループ」の提携関係を構築することを基本方針としており、協和発酵グループとキリングループは、それぞれの事業規模・資本関係に関わらず、今後とも対等な立場で協議しながら、相互の強みを生かした戦略的な事業提携・連携を推進することにより、シナジーの拡大、競争力強化、経営効率向上、更なる成長の実現を図り、グループの企業価値最大化を目指します。
2.戦略的提携の内容
(1)戦略的提携の概要
関係法令に基づき、各社の株主総会における承認又は内外関係当局からの承認の取得等の手続を要する事項については、かかる手続を適切に行うことを前提に、以下の合意事項の実現を図ります。
[1]キリンホールディングスによる協和発酵株式の取得
本統合に先立ち、キリンホールディングスは協和発酵の普通株式を対象に、平成19年10月31日(水曜日)から平成19年12月6日(木曜日)までの間、1株当たり1,500円の買付価額で公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施致します。なお、本公開買付けについては、平成19年10月22日開催の協和発酵の取締役会において、賛同決議がなされております。これは、[2]で述べます協和発酵とキリンファーマの株式交換によりキリンホールディングスに割当て交付される協和発酵の普通株式と併せて、キリンホールディングスが当該株式交換の効力発生日時点における協和発酵の基準株式数の50.10%に相当する株式数を取得するために実施するものです。
(注1)協和発酵の基準株式数とは、(イ) 協和発酵の普通株式の発行済株式総数(協和発酵の保有に係る協和発酵普通株式の数を含む。)に、(ロ) 協和発酵の発行する新株予約権の目的となる協和発酵普通株式の総数が協和発酵の保有に係る協和発酵普通株式の数を超過する数を加えた数をいいます。
(注2)本公開買付けに係る応募株券等の総数が、79,849,000株に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が111,578,000株を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、金融商品取引法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行います。
(注3)協和発酵の事業、資産等に重大な悪影響を及ぼす事由が発生した場合その他一定の場合には、本公開買付けの実施を中止することがあります。
本公開買付けの詳細については、本日付でキリンホールディングスが発表致しました「協和発酵工業株式会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」をご覧ください。
なお、本公開買付けによる買付株式数が111,578,000株に満たない場合には、本公開買付け終了後速やかに開催される予定の協和発酵の臨時株主総会(以下「協和発酵臨時株主総会」といいます。)において、[2]で述べます本株式交換契約の承認その他本統合の実行のために必要な議案の承認が得られること等を条件として、キリンホールディングスが、協和発酵とキリンファーマの株式交換によりキリンホールディングスに割当て交付される協和発酵の普通株式と併せて、当該株式交換の効力発生日時点における協和発酵の基準株式数の50.10%に相当する株式数を取得することとなるために必要となる株式数につき、協和発酵は、平成20年3月25日を払込期日とし、1株当たりの払込金額を1,500円として、キリンホールディングスに対する第三者割当ての方法による新株の発行(以下「本第三者割当増資」といいます。)を実施することを予定しております。本第三者割当増資を実施する場合には、同取引について協和発酵臨時株主総会において特別決議による承認を得る予定です。
また、本第三者割当増資を実施する場合は、その詳細を決定次第、速やかにお知らせ致します。
[2]協和発酵とキリンファーマの株式交換及びその後の合併による医薬事業の統合
協和発酵とキリンファーマは、早期に医薬事業の統合を実施すべく、本公開買付けの成立後、両社の株主総会における承認を条件として、平成20年4月1日を効力発生日とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を実施致します。これによって、キリンファーマは協和発酵の完全子会社となる一方で、キリンホールディングスは先に本公開買付け等によって取得する協和発酵株式と併せて、協和発酵の基準株式数の50.10%に相当する株式を保有する親会社となります。本株式交換により、キリンホールディングスの保有するキリンファーマ普通株式1株に対し協和発酵普通株式8,862株、合計177,240,000株を割当て交付致します(なお、キリンファーマは本株式交換の効力発生日の前日までにその保有するキリンファーマ普通株式のすべてを消却する予定です。)。但し、本株式交換の効力発生は、本公開買付けにおいてキリンホールディングスによる買付予定株式数の上限に相当する111,578,000株の買付け等が完了しているか、あるいは本公開買付けが成立しかつ本第三者割当増資が完了していることのいずれかが成就していることを停止条件としています。
本株式交換が効力発生した後、平成20年10月1日を効力発生日として、協和発酵とその完全子会社となるキリンファーマとの間で、協和発酵を存続会社とし、キリンファーマを消滅会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を実施し、本合併により、協和発酵及びキリンファーマの医薬事業の統合は完了致します。上記のほか合併契約に規定すべき事項は、本合併に係る合併契約の締結までに決定致します。なお、本合併に伴い商号変更を行い、本合併後の存続会社の商号は株主総会の承認を経た上で「協和発酵キリン株式会社(英文名KYOWA HAKKO KIRIN CO., LTD.)」となります。
上記のとおり本合併に先立ち本株式交換を行う理由は、キリンファーマを協和発酵の完全子会社とすることにより、本合併に向けた準備作業をより早期に推進するためであります。本株式交換の詳細については、本日付で協和発酵、キリンファーマ及びキリンホールディングスが発表致しました「協和発酵工業株式会社とキリンファーマ株式会社の株式交換契約締結のお知らせ」をご覧ください。
(2)本統合に向けた推進体制
協和発酵グループとキリングループは、本統合契約締結後速やかに協和発酵社長とキリンファーマ社長を共同委員長とする統合準備委員会を設置し、本統合及び両グループの事業提携・連携を円滑・迅速に推進致します。
(3)本合併後の存続会社発足時の経営体制
本合併後の存続会社の商号協和発酵キリン株式会社(英文名:KYOWA HAKKO KIRIN CO., LTD.)
代表取締役社長松田 譲(現協和発酵社長)(予定)
なお、本合併後の存続会社の社長松田 譲は、キリンホールディングスの取締役を兼務します。
代表取締役副社長宗 友廣(現キリンホールディングス常務取締役)(予定)
取締役構成総数 7名(上記代表取締役2名を含みます。)
協和発酵出身者5名(社外取締役1名を含みます。)
キリングループ出身者2名
なお、本合併後の存続会社は、執行役員制度を導入する予定です。
監査役構成総数 5名(うち非常勤監査役1名)
協和発酵出身者4名(社外監査役3名(うち非常勤監査役1名)を含みます。)
キリングループ出身者1名
(4)本合併後の存続会社とキリンホールディングスとの関係
本統合後の存続会社は、純粋持株会社であるキリンホールディングスがその議決権の過半数を保有する連結子会社として、キリンホールディングスのグループ運営の基本方針を尊重しつつ、自主性・機動性を発揮した自律的な企業活動を行うとともに、引き続き上場会社としての経営の独立性を確保し、株主全体の利益最大化及び企業価値の持続的拡大を図ってまいります。また、本統合契約締結日以後10年間、キリンホールディングスの基準株式数の割合は、50.10%を原則とし、キリンホールディングスは、本統合後も本合併の存続会社の上場が維持されるべく最大限の合理的な協力を行います。
(注) 基準株式数の割合とは、(イ) キリンホールディングス(キリンホールディングスの子会社及び関連会社を含みますが、協和発酵並びにその子会社及び関連会社を除きます。)の保有に係る協和発酵の普通株式及び(ロ) キリンホールディングスの保有に係る協和発酵の新株予約権の目的となる協和発酵普通株式の数の合計を基準株式数で除して得られる割合をいいます。
(5)本合併後の存続会社における非医薬事業の統合等
本合併後の存続会社グループの非医薬事業については、本戦略的提携を推進しつつ、それぞれの事業性、収益性を最大化しうる事業運営体制を早期に構築し、各事業領域での成長を目指します。
[1]バイオケミカル事業
素材を中心とするビジネスモデルが医薬事業と異なるため、本合併後の存続会社の子会社として平成22年4月までに分社し、独自の経営体制構築と成長を目指します。バイオケミカル事業内の健康食品通信販売事業とアルコール事業については、キリングループに同一の事業が存在するため、競争力の強化、経営効率向上、成長実現を目的として、両事業を統合する方向で具体的検討を行います。また、本合併後の存続会社の基盤となるバイオテクノロジーは、医薬事業のみでなくバイオケミカル事業において展開・発展が期待できることから、医薬事業と共同あるいは分担して、最新のテクノロジーの追求と事業化に取り組みます。
[2]食品事業
調味料中心のメーカー向け素材提供事業であること、中食・外食産業向けを強化しようとしていることなど、キリングループのキリンフードテック株式会社との共通点が多いため、同社と事業統合する方向で具体的検討を行い、事業基盤の強化・拡大と成長を目指します。
[3]化学品事業
本合併後の存続会社のビジョンに合った環境対応型製品などの高付加価値機能性製品の販売拡大を目指すとともに、他社とのアライアンスを含めて収益安定化と競争力強化に努めます。
3.統合により期待される効果
(1) 売上・営業面におけるシナジー
  • ・戦略的なMRの最適配置による国内営業力の強化
  • ・がん、腎及び免疫疾患領域を中心とした国内市場でのプレゼンスの向上
  • ・アジア各国における両社既存インフラの活用による海外展開強化
(2) 研究開発シナジー
  • ・がん、腎及び免疫疾患領域で、抗体技術を核とした新薬創出力の向上
  • ・強みの融合による開発スピードの加速化と効率化
  • ・効果的なライセンシング・アライアンスの実現
  • ・開発パイプラインの拡充及び補完
(3) コストシナジー
  • ・部門統合による人件費及び外部委託費の削減
  • ・情報及びノウハウの共有・統合による必要コストの削減
  • ・拠点及びインフラの統合による運営費の削減
  • ・重複投資の一本化による減価償却費の削減
4.戦略的提携のスケジュール(概要)
平成19年10月22日(月)協和発酵、キリンホールディングス及びキリンファーマ取締役会(キリンホールディングス:本統合契約の承認及び本公開買付け開始の決定、キリンファーマ:本統合契約及び本株式交換契約の承認、協和発酵:本統合契約及び本株式交換契約の承認、並びに、本公開買付けへの賛同の決定)
本統合契約及び本株式交換契約の締結
平成19年10月31日(水) (予定)キリンホールディングスによる本公開買付けの開始
平成19年12月6日(木) (予定)キリンホールディングスによる本公開買付けに係る公開買付期間満了日
平成19年12月下旬(予定)協和発酵臨時株主総会基準日
平成19年12月31日(月)キリンファーマ定時株主総会基準日
平成20年2月下旬(予定)協和発酵臨時株主総会(本株式交換契約及び本第三者割当増資の承認)
平成20年3月25日(火) (予定)本第三者割当増資払込期日
平成20年3月下旬(予定)キリンファーマ定時株主総会(本株式交換契約の承認)
平成20年4月1日(火) (予定)本株式交換の効力発生日
平成20年4月下旬(予定)協和発酵及びキリンファーマ取締役会(合併契約の承認)
本合併に係る合併契約締結
平成20年6月下旬(予定)協和発酵定時株主総会(合併契約の承認)
平成20年10月1日(水) (予定)本合併の効力発生日
(注1) 今後手続きを進める上でやむを得ない事由が生じた場合は、三社間で協議の上、日程を変更する場合があります。
(注2)平成20年4月下旬には、本合併後の存続会社の主要組織、役員人事、中期経営計画等について発表することを予定しております。
(注3)キリンホールディングスに対する本第三者割当増資は、本公開買付けにより買付予定株式数の上限に相当する111,578,000株の株式が取得された場合には実施致しません。
5.今後の見通し
業績見通しについては、のれんの金額及び償却年数を含めて現時点では未定のため、確定次第改めて開示致します。
6.当事会社の概要
(1) 商号 協和発酵工業株式会社 キリンファーマ株式会社 キリンホールディングス
株式会社
(2) 事業内容 医家向け医薬品、医薬・工業用原料、ヘルスケア製品、農畜水産向け製品、アルコール等の製造、販売 医薬品の製造・販売 持株会社として、事業会社(酒類・飲料・医薬品等)の事業活動の支配・管理
(3) 設立年月日 昭和24年7月1日 昭和33年4月25日
(平成19年7月1日発足)
明治40年2月23日
(平成19年7月1日発足)
(4) 本店所在地 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 東京都渋谷区神宮前六丁目26番1号 東京都中央区新川二丁目10番1号
(5) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 松田 譲 代表取締役社長 浅野 克彦 代表取締役社長 加藤 壹康
(6) 資本金 26,745百万円(平成19年3月31日現在) 3,000百万円(平成19年7月1日現在) 102,045百万円(平成19年6月30日現在)
(7) 発行済株式数 399,243,555株(平成19年3月31日現在) 30,000株(平成19年7月1日現在) 984,508,387株(平成19年6月30日現在)
(8) 総資産 3,788億円(平成19年3月31日現在・連結) 766億円(平成19年7月1日現在・単体) 20,189億円(平成19年6月30日現在・連結)
(9) 純資産 2,440億円(平成19年3月31日現在・連結) 630億円(平成19年7月1日現在・単体) 10,921億円(平成19年6月30日現在・連結)
(10) 決算期 3月31日 12月31日 12月31日
(11) 従業員数 5,756人(平成19年3月31日現在・連結) 1,270人(平成19年7月1日現在・単体) 23,700人(平成19年6月30日現在・連結)
(12) 主要取引先 株式会社メディセオ・パルタックホールディングス
株式会社スズケン
アルフレッサ株式会社
アルフレッサ株式会社
東邦薬品株式会社
株式会社スズケン
特になし
(13) 大株主及び
持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)6.33%
第一生命保険相互会社6.17%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)5.60%
農林中央金庫 4.52%
みずほ信託退職給付信託みずほ銀行口再信託受託者資産管理サービス信託2.02%
キリンホールディングス
(持株比率100%)
※自己株式を除く
モクスレイ・アンド・カンパニー4.86%
明治安田生命保険相互会社4.43%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)3.57%
株式会社三菱東京UFJ銀行 3.56%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)3.22%
(平成19年3月31日現在) (平成19年7月1日現在) (平成19年6月30日現在)
(14) 主要取引銀行株式会社みずほコーポレート銀行
農林中央金庫
株式会社三菱東京UFJ銀行 株式会社三菱東京UFJ銀行
(15) 当事会社の関係 資本関係 キリンホールディングスは、協和発酵の普通株式1,000株を保有しています。
人的関係 該当事項はありません。
取引関係 該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 該当事項はありません。
以上