2008年12月9日
1.サッカー文化の創造を目指す、キリングループのサッカー支援活動
■支援の歴史と、これからの支援が目指すもの
キリングループでは、1978年に日本で初めての本格的国際サッカー大会「ジャパンカップ」(現・キリンカップサッカー)に協賛して以来、30年にわたって日本サッカー界を支援しています。その間、サッカー日本代表は着実に力をつけ、日本でのサッカーの裾野も大いに広がりました。熱く応援するサポーターや仲間たちとサッカーを楽しむ人たち、さらには未来の日本代表を夢見る子供たちが増えたことに、多少なりとも貢献できたのではないかと考えています。
とはいえ、日本のサッカーは依然発展途上であり、まだまだ進化するに違いありません。2015年に世界トップ10のチームとなることを目指す日本代表と共に、キリンビールとキリンビバレッジのグループ2社は、2015年3月までの長期にわたり日本代表オフィシャルスポンサーの契約を締結し支援を約束しました。そこには、日本代表の強化はもちろん、日本におけるサッカー文化の創造に貢献したいという熱い想いが込められています。
キリングループではサッカー文化の創造に貢献すべく、3つの活動を柱に、2015年までの支援活動を展開しています。
■2015年に目指す姿
キリングループでは、2015年までの長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015」(KV2015)を掲げ、「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していくことを目指しています。また、日本サッカー協会は「JFAの約束2015」として、「日本代表が世界でトップ10のチームとなる」「サッカーを愛するファミリーが500万人になる」を目指していることから、同じく2015年に向けて掲げているビジョンに共鳴し、ともに実現していきたいという想いを込めて、支援活動を展開していきます。
全カテゴリーの日本代表がより強く、より愛される存在となり、またサポーター・ファン同士のコミュニケーションが積極的に交わされ、各地で身近にサッカーが楽しまれ、未来に向けても楽しめる持続的な環境が整いつつある姿を目指して、取り組んでいきます。
2.2009年の具体的な活動
■2015年の大きな夢の実現に向けて
キリングループは、「サッカーを愛し、日本代表を愛し、サポーター・ファンを愛し、夢に向けてともに応援していく」という企業姿勢を表す言葉として、「KIRIN LOVES SOCCER」というメッセージとともに、具体的なアクションプランを展開しています。
■2009年の日本代表応援アクションプラン ~第1の柱
活動の第1の柱としては、“世界に挑戦する日本代表チーム”を全カテゴリーで支援していきます。日本代表は、2015年の長期的なゴールに到達するためのステップとして、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会を中期的なゴールに見据え、2009年のアジア最終予選に挑みます。キリンも、この目標に向けて様々な応援アクションプランを展開します。
2009年も、A代表を中心に各カテゴリーで、世界に挑戦する大会が予定されています。岡田監督率いるA代表は、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会出場を賭け、アジア最終予選に挑むことになります。その予選中盤となる第4戦目の強化試合として重要な位置づけとなるのが、2月4日に開催される「キリンチャレンジカップ2009」です。フィンランド代表を相手に重要なシミュレーションの場としての熱戦が期待されます。また、6月には予選残り3試合が集中して開催されるため、その直前の強化試合として重要な位置づけとなるのが、5月下旬に開催される「キリンカップサッカー2009」です。キリンカップサッカー30回の記念大会を盛り上げる様々なイベントと共に、日本代表を応援していきます。
キリングループは、「キリンカップサッカー」や「キリンチャレンジカップ」といった世界の強豪チームとの強化試合への特別協賛をはじめとして、国内外での強化試合やトレーニングキャンプ等では、日本代表オフィシャルドリンク「キリンアルカリイオンの水」「キリンレモン」「キリン ソニック」を提供するなど、多面的にバックアップしていきます。
■2009年の日本代表応援アクションプラン ~第2の柱
第2の柱となる、日本代表を応援するサポーター・ファンを応援する活動としては、参加型の企画を展開します。
キリングループの各工場を応援拠点として、まずは2009年2月22日から5月6日までの期間、キリングループ14工場で一斉に「キリン・サッカー日本代表応援メッセージ募集!!イベント」をスタートします。2010FIFAワールドカップアジア最終予選に挑むA代表への想いを寄せていただき、集まったメッセージを代表チームへ贈呈し、日本代表を激励します。2008年は、61,204通のメッセージが寄せられ、贈呈セレモニーも開催しました。
日本代表応援に関する活動情報を、キリンホームぺージ(サッカーサイトhttp://www.kirinlovessoccer.com) でタイムリーに紹介していくとともに、日本代表応援グッズなどが当たるプレゼント企画を、年間を通じ展開していきます。
12月16日からは、「キリンチャレンジカップ2009」の観戦チケットをはじめ、「サッカー日本代表のサポーター支援グッズとして、オリジナルマフラーやコミューターマグカップなど冬の応援グッズを計325名にプレゼントするなど、年間を通じて応援ムードを盛り上げます。
また、キリンビールでは2009年も恒例の「サッカー日本代表応援」をテーマとしたクローズドキャンペーンを展開するほか、キリンビバレッジも様々な応援施策を店頭などを通じて実施することで、グループで一層の盛り上がりを演出していきます。
■2009年の日本代表応援アクションプラン ~第3の柱
キリングループは、これからもサッカーの裾野拡大や未来の日本代表を目指す子供たちの夢に少しでも貢献したいと考え、次世代に向けたサッカーの取り組みを展開していきます。
○キリンサッカーフィールド
サッカーを通じてジュニアにスポーツの楽しさ、心の豊かさを伝えることを目的とし、2008年には、サッカー技術だけでなく心の教育なども伝えるサッカープログラム「キリンサッカーフィールド2008」を全国12都市で合計1,200名の小学生を対象に実施しました。講師には元サッカー日本代表選手の城彰二さんを迎え、コーチ陣には元Jリーガーの安永聡太郎氏、式田高義氏、元なでしこリーガーの吉村萌氏など、日常触れ合うことのできないプロ選手と触れ合う場を提供しました。さらに、「ウォーターローディング※1」として、講義形式で練習中の水分補給の重要性も参加者にお伝えしています。2009年も活動を継続していきます。
※1 運動中の体力やパフォーマンスの低下を防止するため、「のどが渇いた」と感じる前に水分をこまめに補給することの重要性を参加者に講義形式で伝えている。
○「エスコートキッズ」&「キッズシート」
さらに、「キリンカップサッカー2009」において、「キリンビバレッジ キッズプロジェクト」の一環として、サッカー日本代表選手やその対戦国チームの選手と共にピッチに入場行進するキッズスタッフ「エスコートキッズ」と、将来のサッカー日本代表を夢見る子どもたちを招待する「キッズシート」への参加者を募集します。
○「クリーンスタジアム活動」
環境保全の観点からは、2003年から日本サッカー協会とともに取り組んでいる「クリーンスタジアム活動」を積極的に展開していきます。未来にわたってサッカーを楽しむためにも、環境保全活動についてできることから取り組んでいこうという想いを共有するサポーターにボランティア参加いただき、スタジアムでのクリーンアップ活動などを実施しています。これまでの累計クリーンサポーター(ボランティア参加人数)は、12,293名(2008年12月現在)に及び、活動の輪はますます広がっています。
○「JFAこころのプロジェクト」&「JFAアカデミー福島」
日本サッカー協会がサッカーを通じて子供たちの心の成長に寄与したいという主旨でスタートし、2008年には年間で437回開催された「JFAこころのプロジェクト※2」に引き続き協力するほか、次世代の日本代表選手として世界に通用する人材育成を目指して展開する次世代育成プログラム「JFAアカデミー福島※3」に対して、キリンビバレッジから支援を継続しています。
※2 日本代表選手や現役のJリーガー、なでしこリーグの選手らが「夢先生」として学校の授業を 受け持ち、夢や目標を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さ、フェアプレーや助け合いの精神を、子どもたちと語り合い、触れ合いながら伝えていく活動。
※3 未来の日本代表を育てることを目的としたサッカーエリートを養成するプログラム。
3.サッカー日本代表支援の歴史と形態
■サッカー支援の歴史
キリンとサッカーとの関わりは、30年前にさかのぼります。1978年、当時日本では初めての本格的国際大会であった「ジャパンカップ」に協賛を開始したことに始まり、そのきっかけは、1976年にキリン本社が渋谷区神宮前に移転し、当時岸記念体育会館の中にあった日本サッカー協会と、山手線をはさんで向かい側になったことでした。ご近所ということでの挨拶の中で、当時スポンサー探しに苦労していた日本サッカー界の実情を知り、社会貢献活動のあり方を摸索していたキリンは、日本サッカー界の発展とスポーツ文化の普及に貢献することを目標に掲げ、ジャパンカップへの協賛を決定しました。78年の「ジャパンカップ」は、ヨーロッパとブラジルの一流クラブチーム4チームと、アジアからは韓国代表、タイ代表、日本代表と日本選抜の合計8チームが出場した華やかな国際試合として開催されました。
80年には「ジャパンカップ・キリンワールドサッカー」と大会名称を変更。日本選抜に代わって前年度天皇杯優勝チームが出場することになり、85年からは現在の「キリンカップサッカー」という名称になりました。92年からは、国の代表であるナショナルチーム同士の対戦であるFIFA(国際サッカー連盟)公認のインターナショナルAマッチとなり、海外からも注目される国際大会に成長しました。大会の歴史の中では、第1回「ジャパンカップ」で当時西ドイツ、1FCケルン所属の奥寺康彦選手が来日したことや、86年にブラジル、パルメイラス所属の三浦知良選手(元日本代表、現横浜FC)が来日したことが話題を呼び、88年には、元日本代表監督のジーコもフラメンゴ(ブラジル)のメンバーとして来日し、その華麗なプレーを披露しました。
90年代に入り、日本サッカーは着実に実力をつけ、それを支えるファンの支持も拡大しました。日本代表の戦績は、92年にアジアカップで初優勝、93年には“ドーハの悲劇”で惜敗したものの、97年には“ジョホールバルの歓喜”に沸き、98年にはフランス・ワールドカップへの初出場を果たしました。そして、日韓共催となった2002年ワールドカップでは、初のベスト16進出という結果を残し、U-23日本代表も、96年のアトランタオリンピックでブラジル代表に勝利した“マイアミの奇跡”に続き、2000年のシドニーオリンピックでは、1968年のメキシコ大会以来の決勝トーナメントに進出(ベスト8)しました。2004年のアテネオリンピックに続き、2008年北京オリンピックにも男女ともに出場し、なでしこジャパンは4位入賞を果たすなど、日本サッカーは着実にレベルアップを続けてきました。
そしてA代表は、2004年にアジアカップを連覇し、2006年のドイツ・ワールドカップにも、3大会連続3度目の出場を果たしました。現在は、2010年に開催される南アフリカ大会への4大会連続出場を目指し、2009年の最終予選を戦っています。
■キリンのスポンサーシップ
キリンビールは、1995年に日本代表オフィシャルスポンサーの1社となり、1998年からはキリンビール、キリンビバレッジのキリングループが、日本代表オフィシャルスポンサーとなりました。2000年には、これまでのA代表に加えて、U-23、U-20、U-17日本代表チームのオフィシャルスポンサー契約を締結し、2001年には日本女子代表チームを加えて、2007年3月まで6年にわたる契約更新を行いました。
2006年12月には、日本代表が次なる目標に向けて動き出す中、キリンビールとキリンビバレッジのグループ2社は、2007年4月から2015年3月までの8年間にわたる「日本代表オフィシャルスポンサー」の契約を更新しました。この契約を機に、これまでの日本代表カテゴリーに、さらにフットサル日本代表、ビーチサッカー日本代表を加え、全カテゴリーのスポンサーとして支援しています。