2011年7月14日
キリンビール仙台工場の復旧スケジュールと今後の取り組みについて
~初仕込は、岩手県遠野産ホップを使用した「一番搾り とれたてホップ生ビール」~
キリンビール株式会社(社長 松沢幸一)は、東日本大震災による地震と津波によって被災した当社仙台工場(工場長 横田乃里也)復旧の目処が立ち、具体的なスケジュールが決定しました。再開後の初仕込式を9月26日に実施し、仕込んだビールの初出荷は11月上旬の予定です。また、工場見学、工場内レストランも11月上旬より再開を予定しています。
3月11日の震災以降、仙台工場では全従業員および協力会社の皆さんが一丸となって、清掃作業や設備の点検作業を行ってきました。工場用電力が供給再開されたため、今後は設備の試運転など、操業再開に向けて本格的に動き出します。9月26日に行う初仕込式で製造するブランドは、被災した岩手県遠野市で今年の夏に採れたばかりのホップを贅沢に使用した「一番搾り とれたてホップ生ビール」からスタートします。できあがった「とれたてホップ」は仙台工場再開後の初出荷ビールとして、東北地方を中心とした各地のお客様にお届けする予定です。
これに加えて、東北産のリンゴを使用した「キリンチューハイ 氷結 アップルヌーヴォー」、メルシャン株式会社(社長 鈴木徹)からは福島産のブドウを使った「福島県会津地方新鶴地域の地ワイン新酒 白 2011」をあわせた東北の原材料を使用した3商品を11月上旬に全国で発売することで東北の生産者を支援し、東北全体を応援していきます。また、9月中旬から11月下旬にかけて、東北地方をはじめとした全国47都道府県の食材が当たる「今こそ!選ぼう ニッポンのうまい! 2011」プレゼントキャンペーンをキリングループ各社の幅広い商品を対象に実施します。
さらに、このキャンペーンの対象商品と上記3商品については、売上1本につき1円※1をキリングループが一体となって取り組む東日本大震災の復興支援活動「復興応援 キリン絆プロジェクト」の一環として、東北の「食」の復興支援に活用します。東北の農業・水産業の復興・再生のため約8.5億円を支援し、JA(農業協同組合)やJF(漁業協同組合)などの団体と連携していくことを検討しています。また、宮城県、福島県、岩手県で農業を学ぶ高校生に返還義務のない奨学金の給付の一部として、約1.5億円※2を支援します。
- ※1 メルシャン「福島県会津地方新鶴地域の地ワイン新酒 白 2011」は1本につき10円。
- ※2 キリングループ計では、約3億円を奨学金として拠出。
当社では、88年にわたり東北地方のお客様に当工場のビールをご愛飲いただいた絆に感謝し、これからも宮城でキリンビールを製造し、東北地方のお客様にお届けしていきます。
今後もグループ一体となって、「絆を育む」をテーマに、被災地の皆さまの“地域社会の絆”や“家族の絆”を深めていただける様、復興支援策に全力で取り組んでいきます。被災地の一日も早い復興を心より祈念するとともに、NPOやNGO、行政などのパートナーと協働しながら、引き続き被災地の皆さまの支援に尽力していきます。
キリングループは「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。
キリンビール仙台工場の概要
1.沿革
キリンビール仙台工場(工場長 横田乃里也)は、1923年(大正12年)7月に操業を開始、東北地方で一番長い歴史を持つビール工場として、88年目を迎えました。当工場は、現在の仙台市宮城野区小田原に東北地方初の本格的なビール工場を立ち上げた、東洋醸造株式会社の事業を当社が買収する形で、誕生しました。キリンビールにとって、創業の地横浜、関西の拠点神崎(のちの尼崎)に次ぐ、3番目に立ち上げた工場でした。
1923年9月1日に、関東大震災が発生、当社横浜工場が被災、操業不可能な状態に陥りました。この危機を救ったのが、操業開始間もない当工場と神崎工場でした。増産体制を整え、震災復興後に急拡大したビール需要に、充分応えることができました。
その後当工場は、1983年(昭和58年)3月に新仙台港隣接の工業団地内に移転しました。移転の理由は、旧工場周辺の宅地化が進み、輸送事情が悪化した事と設備の老朽化などです。新工場は、旧工場の約4倍の敷地に約410億円(土地購入費用含む)を投入して、コンピューター制御による最新鋭の設備を導入しました。以来、28年にわたり、東北地方および新潟県を中心に、製品を供給してきました。
<略年表> | |
1907年(明治40年) | 麒麟麦酒株式会社創立 |
1921年(大正10年) | 東洋醸造株式会社が「フジビール」を製造・販売開始 |
1923年(大正12年) | 東洋醸造と麒麟麦酒が合併、キリンビール仙台工場が操業開始 |
1983年(昭和58年) | 当工場が、仙台市港2-1-1(当時の住所表記)に移転 |
2.所在地
宮城県仙台市宮城野区港2-2-1
TEL:022-259-2321
3.工場経営の基本方針
- (1) 市場ニーズに適応したビール造り
- 消費者の志向にマッチした高品質の製品をタイミングよく製造し、新しいうちにお届けすることを基本にしています。
- (2) 効率の良い工場
- 最新の設備の合理的配置、コンピューター活用、省エネルギー運転などによって、効率の良い工場を目指します。
- (3) 環境への配慮
- 工場立地法に適応した工場であることは当然ですが、さらに近隣七自治体と締結した公害防止協定に基づき、環境への対応をしています。
- (4) 清潔で安全な工場
- 清潔で明るい食品工場にふさわしい場内の環境作りをし、従業員にとっても安全で働きやすい工場を目指しています。
- (5) 見学しやすい工場
- ビールの出来るまでを分かりやすく見ていただくために、見学コースの設置やブルワリーツアーガイド配置など、工場をいつでも、気軽に見学していただける体制を整えています。
4.敷地面積321,573m2 (生産施設:35,865m2 環境施設:13,066m2)
(緑地面積:71,942m2 その他:200,367m2)
5.建物面積100,016m2 (建物延面積 107,503m2)
6.従業員数196名 (2011年6月30日現在)
7.製造品種
「キリンラガービール」、「キリン一番搾り生ビール」、「一番搾り とれたてホップ生ビール」、「麒麟淡麗〈生〉」、「淡麗グリーンラベル」、「キリン のどごし〈生〉」など
8.その他
- 1998年 1月
- 副産・廃棄物の再資源化率100%達成
- 1998年11月
- ISO 9001(品質マネジメントシステム)の国際規格を取得
- 1999年 9月
- ISO 14001(環境マネジメントシステム)の国際規格を取得
- 2001年 6月
- 北蔵王にて水源の森づくり植林活動
- 2006年 7月
- JISHA方式適格OHSMS認定(労働安全衛生マネジメントシステム)を仙台工場で取得
- 2007月 3月
- 宮城県「省エネ大賞 自然エネルギー等導入 促進部門大賞」受賞
「一番搾り とれたてホップ生ビール」商品概要
1. | 商品名 | 「一番搾り とれたてホップ生ビール」 |
2. | 発売地域 | 全国 |
3. | 発売時期 | 2011年11月上旬 |
4. | コンセプト | 今年とれたての岩手県遠野産ホップを贅沢に使用した、特別な一番搾り。 |
「キリンチューハイ 氷結 アップルヌーヴォー」商品概要
1. | 商品名 | 「キリンチューハイ 氷結 アップルヌーヴォー」 |
2. | 発売地域 | 全国 |
3. | 発売時期 | 2011年11月上旬 |
4. | コンセプト | 東北地方で今年収穫された初摘みリンゴのストレート果汁を使用した、この季節ならではの「氷結」。 |
「福島県会津地方新鶴地域の地ワイン新酒 白 2011」商品概要
1. | 商品名 | 「福島県会津地方新鶴地域の地ワイン新酒 白 2011」 |
2. | 発売地域 | 全国 |
3. | 発売時期 | 2011年11月3日(木) |
4. | コンセプト | 福島県会津地方美里町に位置し日当たりのよい傾斜地に広がる「福島県新鶴(にいつる)地域」で栽培されたブドウ品種「シャルドネ」を使用。 はつらつとした酸味と柑橘を思わせるさわやかな香りが楽しめる、フレッシュでスッキリとした味わいに仕上げた。 |
「今こそ!選ぼう ニッポンのうまい! 2011」プレゼントキャンペーン概要
1. | タイトル | 「今こそ!選ぼう ニッポンのうまい! 2011」プレゼントキャンペーン |
2. | 対象地域 | 全国 |
3. | 応募期間 | 9月中旬~11月下旬 |
4. | 内容 | 対象商品に貼付されている応募券によるクローズドキャンペーン。 抽選で47,000名様(1,000名様×47コース)に“47都道府県のうまいもの”いずれか一品と、当社のビール6本をセットにしてプレゼント。 |
5. | 対象商品 | キリンビール社、メルシャン社、永昌源社、キリン・ディアジオ社の商品約50アイテム。 ※具体的なブランドは後日発表予定。 |
以上