キリンビバレッジ株式会社(社長 首藤由憲)は、公益財団法人日本ユニセフ協会(会長 赤松良子)と協力し、キリンビバレッジ社が輸入・販売を行うナチュラルミネラルウォーターブランド「Volvic」(以下ボルヴィック)がグローバルに展開している清潔で安全な水を確保するためのユニセフ支援活動「1L for 10L(ワンリッター フォー テンリッター)」プログラムを、2013年7月1日(月)~9月30日(月)の3ヵ月にわたり実施します。
本プログラムは、2013年で日本での実施7年目を迎えます。2012年までの活動により、総計約36億Lの清潔で安全な水が約23万人のマリの人々に供給されることになり、現地の人びとと子どもたちの暮らしを支えています。
今年のプログラムでは、約3.6億Lの水の供給を目標としており、7年間の支援の総計は約40億Lとなる見込みです。
また、プログラムを開始した2007年からの支援対象地域の状況の変化など、活動を通じて蓄積された知識や経験をもとに、フェイスブックでの情報発信や教育機関での講演等も実施します。プログラム自体の告知活動や水の問題に関する啓発活動も行い、日本におけるアフリカの水と衛生に関する問題への関心と理解を深めることを目指します。
さらに、7年目の今年は、支援してくださった日本の消費者の皆様に活動の結果を分かりやすく報告するため、井戸をつくったことが支援先の生活にどのような変化を生み、役立っているかを伝えるコミュニケーション活動も実施する予定です。
キリングループは、「おいしさを笑顔に」のグループスローガンを掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。
「1L for 10L」プログラムは、世界の水に関わる重要課題に取り組んでいくため、ボルヴィックとユニセフが2005年から共同で取り組んでいるプログラムです。ユニセフが開発途上国を中心に世界各地で実施している水と衛生に関するプロジェクトを、ボルヴィックブランドを通じて支援しています。本プログラムは2005年のドイツから始まり、2006年にはフランスでも展開され、2007年より日本での実施に至っています。
日本における活動においては、今年度も引き続き、アフリカ・マリ共和国の支援が決定しました。プログラム実施期間中、全てのボルヴィック製品(フレーバーウォーターを含む)の売り上げ総量に応じてキリンビバレッジ社が売上の一部をユニセフに寄付することで、ボルヴィック出荷量1Lにつき10Lの清潔で安全な水が支援対象国であるマリ共和国の人々に供給される仕組みとなっています。
ユニセフはこの寄付によって支援対象地域に井戸をつくり、10年間のメンテナンスを行うと同時に、井戸の持続的な使用を実現させるため、修理工や修理部品の確保、各種トレーニングを実施し、住民が主体となってメンテナンスを行えるようサポートします。
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健やかな成長を守るために活動する国連機関で、子どもの権利を守る主要な機関として、保健、教育、栄養、水と衛生、保護等の支援活動を実施しています。活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの任意拠出金でまかなわれており、現在、150以上の国と地域で活動をしています。
40年以上にわたり、ユニセフは安全な水と衛生施設を必要としている人々に提供するためのプログラムを実施しており、井戸やトイレの建設や水と衛生に関する啓発活動を展開しています。「安全な水と衛生の確保」はユニセフが中期事業計画(2006年~2013年)で掲げる5つの重点分野の1つ「子どもの生存と発達」に含まれ、様々な政府機関やNGO等のパートナーと協力しながら活動しています。 (http://www.unicef.org)
公益財団法人日本ユニセフ協会は、先進工業国36カ国にあるユニセフ国内委員会のひとつです。日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、政策提言(アドボカシー)、募金活動を担っています。 (http://www.unicef.or.jp)
マリ共和国では政情不安が続いているため、現地での活動は当初計画していたスケジュールよりも遅れています。しかし、ユニセフはこの困難な状況の中でもパートナーとの連携をさらに強化して着実に活動を進めています。セキュリティの問題から、一部支援地の変更や井戸建設会社の選定や資材の運搬等において難局も発生していますが、モプティ地域では地域の水道局を中心に、熟練作業員や水管理委員会が協力して井戸の修復作業を行っています。また、最も状況の悪化しているマリ北部では、直接、活動の監督やモニタリングの実施が困難なため、現地で稼動している信頼できるパートナーと協定を結び建設活動の監督やモニタリングを行うなど、緊急事態下でも支援を途切れさせない努力を続けています。
今後もボルヴィックは、ユニセフ・マリ事務所や支援先の地方自治体との連携を密にしながら現地の状況の把握に努め、支援対象地域の人々や実際に井戸建設等に携わっている方々の安全を最優先に考え、支援活動を継続していきます。
マリにおいて改善された水源を利用する人々の割合は全国民の64%(約1.6人に1人)と世界平均(89%)より低く、特に農村部では51%(約2人に1人)※にとどまっているのが現状です。農村部では手掘りの浅井戸や池等の濁った水を使用する状況が強いられ、下痢やメジナ虫病(寄生虫病)、コレラやトラコマ(慢性結膜炎)等、水と不衛生な環境が原因となる病気が多く見られます。中でも、清潔で安全な水と衛生習慣があれば、その多くが予防できる下痢は、5歳未満の子どもの主な死亡原因となっています。
※ユニセフ『世界子供白書2013』より
活動完了分
①手押しポンプ付の深井戸新設
②故障していた手押しポンプ付きの深井戸修復
③ソーラーパネルを備えた小規模水道設備へ井戸を改修
④手押しポンプのメンテナンスを確実に実施できるよう、水と衛生に熟練した作業員の育成およびトレーニング
⑤井戸の修理やメンテナンスに使用する工具を供給
⑥井戸新設・修復を行った村で、地元住民による水利用者委員会を設立
⑦コミュニティの水と衛生に関する活動の管理、住民への水と衛生に関する啓発活動、水質モニタリングを行うための自治体の能力の強化
活動予定分
①手押しポンプ付の深井戸新設
②故障していた手押しポンプ付きの深井戸修復
③ソーラーパネルを備えた小規模水道設備へ井戸を改修
④給水設備の運営管理を行う水利用者委員会の設立および水と衛生に関する地方、コミュニティベースでの管理能力の強化
⑤手押しポンプのメンテナンスを確実に実施できるよう、水と衛生に熟練した作業員の育成およびトレーニング
⑥井戸の修理やメンテナンスに使用する工具を供給
⑦水と衛生管理の地方分権化モデルの強化および地方自治体の能力強化
⑧家庭レベルの貯水槽の水を塩素消毒するための研修および技術支援
*贈呈額は、ダノンウォーターズオブジャパン、三洋電機、クロスカンパニー3社の支援金を合計したものです。