キリン株式会社(社長 磯崎功典)では、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」を運営しています。これは、ビールの楽しさ・奥深さをお客様にお伝えするために2001年7月に開講したもので、おいしいビールの飲み方から、ビールに関する興味深いうんちくまで、さまざまな学部・施設があり、24時間365日通学できます。
今回は、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計171の世界主要国および各地域において、2014年のビール消費量をまとめました。この調査は1975年分から統計を開始しています。
トピックス
- 世界の総消費量は、約1億8,906万kl(前年比0.4%増)で、29年連続の増加。東京ドームをジョッキに見立てると、約152杯分に相当。
- 国別では、中国(前年比3.1%減)が12年連続で1位。18位の韓国(前年比11.7%増)は昨年に引き続き増加。
- 地域別では、アジア(前年比1.3%減)の構成比が34.0%となり、7年連続で1位。4年連続で増加しているアフリカ(前年比5.7%増)と2年ぶりに増加した中南米(前年比3.0%増)が全体の消費をけん引した。
2014年の世界のビール総消費量は、前年より約73万kl(大びん633ml換算で約12億本)増え、約1億8,906万kl(前年比0.4%増、大びん換算で約2,987億本)で、29年連続の増加を記録しました。東京ドームをジョッキに見立てると、約152杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当します。
- 国別ビール消費量(表1)
- ・中国(前年比3.1%減)が2003年から12 年連続で1位となりました。
- ・また増加率では、上位25カ国のうち韓国(前年比11.7%増)が2桁増となりました。
- ・上位10カ国までは昨年から順位の変動はなく、日本(前年比1.5%減)は8年連続で7位となりました。
- 地域別ビール消費量(表2)
- ・地域別では、アジア、オセアニア、中東が減少しましたが、その他地域は増加となりました。
- ・7年連続トップのアジア(前年比1.3%減)は、韓国(前年比11.7%増)、ベトナム(前年比6.4%増)、インド(前年比6.4%増)が増加しましたが、中国(前年比3.1%減)、タイ(前年比2.4%減)の影響で減少しました。
- ・アフリカ(前年比5.7%増)は4年連続で増加しています。
- 国別一人当たりビール消費量(表3)
- ・チェコが22年連続で1位となりました。
- ・上位35カ国のうち、昨年より消費量の伸びた国は19カ国でした。
- ・日本は、アジアで韓国の45.8Lに続き42.6L、大びん換算で約67.3本(前年比0.8本減)という結果でした。
キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。
注:日本の消費量については、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
四捨五入のため、数値が必ずしも一致しない場合がある
前年実績が今年の調査で変更になった国については、変更した数値で前年比を算出している
※前年の世界総消費量も最新の値に変更している(1億8,881万kl⇒1億8,833万klへ変更)
出典:各国ビール協会などへのアンケート調査(当社が実施したもの)
The Barth Report Hops 2013/2014(BARTH−HAAS GROUP)
2015 Beer Market Insights Reports(Canadean Ltd.)
※2013年度より調査データ会社をERC GroupからCanadean Ltd.へ変更したため、過去レポートと数値が合致しないこともある
(表1) 2014年 国別ビール消費量
【解説】
- 世界の総消費量は、約1億8,906万kl。前年比0.4%増と29年連続の増加。
- 中国(前年比3.1 %減)は、2003年から12 年連続で1位。夏場の天候不順などの影響で2年ぶりに減少。一方で、インターネットでのお酒の販売が普及したことにより、自宅でお酒を楽しむ人が増えている。
- アメリカ(前年比0.5%増)やイギリス(前年比3.1%増)では、個性的な味わいや独自性を好む若年層を中心にクラフトビールやプレミアムビールの飲用率が増えている。Canadean Ltd.の調査によると、アメリカではクラフトビールの消費が前年比15%増となるなど、好調に推移している。
- ブラジル(前年比5.0%増)は、サッカーワールドカップやリオのカーニバルの開催により、2年ぶりに増加。
- ロシア(前年比0.5%減)は、引き続き低迷する経済情勢や増税などの影響により微減。
- インド(前年比6.4%増)は、一人当たりの消費量は少ないものの、人口増加に加え若年層でのビール飲用率の拡大などにより、近年消費量が伸びている。
- 日本(前年比1.5%減)は、8年連続で順位に変動は無いものの、最需要期である夏場の天候不順や嗜好の多様化などの影響により減少。
- 韓国(前年比11.7%増)は、低アルコールを好む若年層や女性の飲用層が拡大した影響により2年連続で増加。
(表2) 2014年 地域別ビール消費量
- ※ 日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計
2014年 地域別ビール消費量 構成比
地域別ビール消費量推移(2005年~2014年)
【解説】
- 地域別では、アジア(前年比1.3%減)の構成比が34.0%(前年34.6%)と、7年連続で1位。
- 1位のアジアは、昨年に引き続き韓国(前年比11.7%増)、ベトナム(前年比6.4%増)、インド(前年比6.4%増)などがけん引したものの、中国(前年比3.1%減)、タイ(前年比2.4%減)の影響で1997年の地域別調査を開始以降、初めての減少となった。
- 3位の中南米(前年比3.0%増)は、ブラジル(前年比5.0%増)、メキシコ(前年比2.5%増)などの上位国やベネズエラ(前年比2.0%増)などがけん引し、2年ぶりに増加。
(表3)2014年 国別一人当たりビール消費量
【解説】
- チェコは22年連続で1位となったものの、昨年と比較すると、大びん換算で7.3本減少。
- 上位35カ国では、消費が伸びた国は19カ国。