[食領域]
~世界で初めてビール苦味成分の予防効果を確認~
2016年11月28日
キリン株式会社
キリン株式会社(社長 磯崎功典)の健康技術研究所(所長 近藤恵二)は、東京大学、学習院大学と共同で、ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸のアルツハイマー病予防に関する作用機序を世界で初めて解明しました。当社はこの研究成果を12月1日(木)から3日(土)に開催される「第35回日本認知症学会学術集会」にて発表します。
現在、高齢者の増加に伴い、日本では460万人、世界では2,430万人近くの方が認知症を患っているとされ、国内外で大きな社会課題となっています。一方、アルツハイマー病に代表される認知症には十分な治療方法が開発されておらず、日々の生活を通じた予防に注目が集まっています。
これまでの疫学などの研究では、適度な量の酒類の摂取は認知症の防御因子として報告されています。特に赤ワインのポリフェノールは認知症への効果に関して多く研究報告がありますが、ビールの成分についてはあまり研究が進んでいませんでした。
ビールに華やかな香りと爽やかな苦味をもたらすホップは、ビールの原料として1,000年以上にわたって使用されており、当社ではこれまでホップ成分の肥満抑制効果、発がん抑制効果、骨密度低下抑制効果などを解明してきました。
今回、認知症の予防に関する研究開発において、ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸にアルツハイマー病の進行を抑制する作用があることを見出しました。また、この作用は、脳内の老廃物を除去するミクログリアと呼ばれる細胞の活性化および、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイドの蓄積や脳内の炎症抑制により生じることを明らかにしました。
なお、本成分摂取のヒトの脳機能への作用は、内閣府の革新的研究開発推進プログラムImPACTでの実証試験※1で確認しています。
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