[食領域]
2017年5月24日
キリン株式会社
キリン株式会社(社長 磯崎功典)の健康技術研究所(所長 近藤恵二)は、ホップを熟成させることで生成される「熟成ホップ由来苦味酸」に、体脂肪低減効果があることを世界で初めて確認しました。また、「熟成ホップ由来苦味酸」を含み、さまざまな飲料へ展開可能な熟成ホップエキスを開発し、その量産体系を確立しました。当社はこの研究開発成果を5月14日(日)から18日(木)に開催された「第36回ヨーロッパ醸造学会」にて発表しました。
ビールに華やかな香りと爽やかな苦味をもたらすホップは、ビールの原料として1,000年以上にわたって使用されており、当社はこれまでにホップ成分のアルツハイマー病予防効果、発がん抑制効果、骨密度低下抑制効果などを解明してきました。そして今回、“熟成ホップ”に関する研究で、ホップの熟成(酸化)過程で生成される「熟成ホップ由来苦味酸」が脂肪を燃焼させる褐色脂肪組織を活性化することを明らかにしました※。
また、「熟成ホップ由来苦味酸」の化学的性質を解明し、効率的にホップを熟成させる加熱熟成技術を確立しました。この熟成ホップを水抽出した熟成ホップエキスには、熟成ホップ由来苦味酸が含まれ、体脂肪低減効果があることをヒト試験で確認しました。一般的に、ホップの熟成が進むとチーズ様臭や樹脂様臭のような好ましくないにおいが生じますが、熟成ホップエキスにはそのようなにおいはなく、穏やかで厚みのある苦味をビールや飲料に与えることを確認しました。さらに、さまざまな飲料への展開を可能にする熟成ホップエキスの量産を可能にしました。
これまでに、ビールに含まれる機能性成分としては、アルツハイマー病予防効果などが確認されているイソα酸や、自律神経活動を調節するβ-ユーデスモールなどが知られていましたが、今回、「熟成ホップ由来苦味酸」の体脂肪低減効果を明らかにしたのは世界で初めてです。
(左図)第36回ヨーロッパ醸造学会 2017
(右図)引用文献:Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25
引用文献:Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25
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