[食領域]
2017年9月21日
キリン株式会社
キリン株式会社(社長 磯崎功典)の健康技術研究所(所長 近藤恵二)は、ホップ由来のビール苦味成分であるイソα酸が、肥満に伴い生じる認知機能低下を改善することを世界で初めて解明しました。当社はこの研究成果を7月16日(日)から20日(木)にロンドンで開催された「国際アルツハイマー病学会2017年度大会」にて発表しました。
現在、高齢者の増加に伴い、日本では約462万人※1、世界では3,560万人以上※2の方が認知症を患っているとされ、国内外で大きな社会課題となっています。さらに近年、肥満や生活習慣病が認知症発症リスクを高めることが明らかになっています。一方、認知症には発症後の十分な治療法が開発されていないため、予防法への関心が高まっており、肥満や生活習慣病の改善が認知症予防の有用な手段の一つとなる可能性があります。
ビールの原料として1,000年以上にわたり使用されているホップは、薬用植物としても知られています。当社ではこれまでホップ由来ビール苦味成分であるイソα酸のアルツハイマー病予防効果※3、生活習慣病改善効果※4を独自に解明してきました。
今回は、肥満に伴い生じる認知機能低下に対するイソα酸の効果を、非臨床での試験により評価しました。その結果イソα酸は、肥満抑制作用(図1)および肥満に伴い生じる脳内炎症や海馬委縮への抑制作用を示し、さらに認知機能改善効果を示しました(図2)。これにより、イソα酸は肥満に伴い生じる認知機能低下を改善することが示唆されました。
キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。