[食領域]
~自社栽培のブドウ畑が多様な生きものを育む~
2017年12月22日
キリン株式会社
キリン株式会社(社長 磯崎功典)は、12月22日(金)に企業による生物多様性の保全や持続的な利用などの実践的な活動を評価する「第6回いきものにぎわい企業活動コンテスト」(主催:いきものにぎわい企業活動コンテスト実行委員会、後援:環境省、農林水産省)において「審査員特別賞」を受賞しました。
1877年に日本初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、今年は140年目にあたります。キリングループのメルシャン株式会社は、この会社をルーツとしており、日本ワインと共に歩んできました。今回の受賞は、日本で栽培されたブドウだけを使った日本ワインが注目されている中、メルシャンが2003年に開場した長野県上田市丸子地区陣場台地にある「椀子(マリコ)ヴィンヤード」での取り組みが評価されたものです。当社は「椀子ヴィンヤードには豊かな生態系に寄与する里地里山としての機能がある」という仮説を立て、2014年より生態系調査を開始しました。かつて大半が遊休荒廃地であった土地をワイン畑にすることが、生態系にどのような影響を与えるのかを把握することで、里地里山に寄与するブドウ栽培を目指し、生態系調査と植生再生活動に取り組んでいます。
「第6回いきものにぎわい企業活動コンテスト」審査員特別賞
「椀子ヴィンヤード生態系調査・植生再生活動」
「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター」との共同研究で開始した生態系調査により、垣根栽培のブドウ畑である椀子ヴィンヤードが広大な草原として機能し、多様な生きものを育んでいることが分かりました。2015年から2016年の調査では、希少種を含む8目64科168種の昆虫と258種の野生植物と30種の植栽種が見つかっています。垣根栽培は、年に数度下草刈りをする必要があります。これにより、牧草や在来種のイネ科植物でおおわれている地面に日が当たり、草原性の多様な植生が生育することが可能になります。
希少な植生の発見を受け、2016年から年1回、従業員参加による植生再生活動を、専門家※の指導を受け実施しています。希少種が植生していた場所の枯れ草を秋に刈り取り、ブドウ畑の中の再生予定地に敷きます。2017年には在来種の定着を確認しており、今後は希少種の定着にも挑戦していきます。
ベニモンマダラ/ウラギンスジヒョウモン
クララ/ユウスゲ(キスゲ)/メハジキ/スズサイコ
キリングループは「健康」「地域社会」「環境」という3つの社会課題に取り組み、お客様と共に幸せな未来をめざしていきます。