[食領域]
キリンとヤフーが共同研究
~主観的な労働パフォーマンスの変化を食品において世界で初めて示す~
2018年11月15日
キリン株式会社
ヤフー株式会社
キリン株式会社(代表取締役社長 磯崎功典、以下キリン)とヤフー株式会社(代表取締役社長 川邊健太郎、以下ヤフー)は、キリングループが研究を進めているLactococcus lactis strain Plasma(以下、プラズマ乳酸菌)の労働パフォーマンスにおける効果を協働で検証しました。その結果、プラズマ乳酸菌を摂取することにより、体調が良好に維持され、活気が高くなり、労働パフォーマンスの指標が向上することを確認しました。この研究成果は、10月26日(金)の日本公衆衛生学会で発表され、主観的な労働パフォーマンスの変化を食品において世界で初めて示しました。
近年、従業員の健康を重要な経営指標と考え、健康増進に積極的に取り組む企業経営スタイル「健康経営」への注目が集まっています。従業員の健康増進は、医療費削減につながるだけではなく、労働生産性においても重要であり、特に労働生産性に関する指標であるプレゼンティーズム※1は「健康経営」にも大きく影響していると考えられます。
キリンは、ウイルス感染防御の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化する乳
酸菌としてプラズマ乳酸菌を発見し、これまでさまざまな科学的エビデンスを取得してきました。プラズマ乳酸菌を摂取することで、複数の免疫指標が向上することや、冬季の風邪・インフルエンザ様症状の発症リスクが低減することを確認しています※2。
これらの成果は、労働環境における重要なリスクである風邪・インフルエンザなどの感染症による病欠・パフォーマンス低下に、プラズマ乳酸菌が貢献できる可能性を示唆しています。そこで、キリンとヤフーは、労働環境改善の観点からヤフー本社従業員を対象にしたプラズマ乳酸菌の労働パフォーマンス改善効果の検証を共同研究として行いました。
試験は、ヤフー本社に勤務する20歳から65歳までの226名の従業員を対象に、2017年11月下旬から2018年2月下旬にかけて実施しました。被験者をランダムに2つのグループに分け、片方のグループにはプラズマ乳酸菌を4週間摂取(プラズマ乳酸菌摂取期間)した後に、4週間の摂取しない期間(非摂取期間)を設定しました。もう片方のグループには、順番を入れ替えて非摂取期間、プラズマ乳酸菌摂取期間の順に実施しました。各期間中に、アンケート※3で体調、気分、労働生産性の評価を行いました。
プラズマ乳酸菌摂取期間では、非摂取期間に比べて、①全体的な体調、せき・のどの痛み、鼻水・鼻づまり、倦怠感が改善(図1)、②気分の活気が向上(図2)、さらには③労働生産性の絶対的プレゼンティーズムが約5%向上(図3)しました。
(図1)
(図2)
(図3)
(注)図1~3の*は有意水準0.05、**は有意水準0.01で共に統計的に有意差あり。
以上より、プラズマ乳酸菌の摂取によって、風邪の諸症状をはじめとする体調不良のリスクが低減し、活気を高く維持した状態で勤務ができるだけでなく、労働パフォーマンスも向上すると考えられます。