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[食領域]

第6回「洋酒技術研究会賞」受賞記念講演会にて研究成果を発表

~「ワイン原料の栽培技術を活用した和酒本格芋焼酎の商品開発と焼酎の高品質化への貢献」について~

  • 研究・技術

2018年11月27日

メルシャン株式会社

メルシャン株式会社(社長 代野照幸)は、キリン株式会社(社長 磯崎功典)のワイン技術研究所と共同研究した「ワイン原料の栽培技術を活用した和酒本格芋焼酎の商品開発と焼酎の高品質化への貢献」が2018年5月に第6回「洋酒技術研究会賞」を受賞したことを受け、2018年11月28日(水)に開催される受賞講演にて研究成果を発表します。講演はワイン技術研究所の藤居知宏が行います。

研究の概要

当社は「これまでの芋焼酎は原料由来の香味特徴を十分に引き出せていないのではないか」という仮説のもと、ワイン原料用ブドウ栽培評価技術を活用し、芋の特徴香の強化について研究しました。その結果、芋の特徴香を増強した芋焼酎の開発に成功し、この研究成果を生かして、熊本県八代市にある八代工場内の本格焼酎製造棟「八代不知火蔵」にて醸造する、本格芋焼酎「浅黄うさぎ」を2015年7月より発売しています。

【研究の経緯と結果】

  1. 原料の香味特徴を高める技術の研究
    特徴香成分の栽培時の挙動を調べ、最適な収穫時期を検討
    <結果:原料芋と収穫時期の選定>
    • 橙系サツマイモ品種「ハマコマチ」は、芋焼酎醸造に使用すると特徴香を増強できることを明らかにしました。
    • 「ハマコマチ」に含まれる、芋焼酎の特徴香に寄与する成分は、栽培期間を通して増加し、200~210日の栽培で最大となることを明らかにしました。
  2. 原料の香味特徴を引き出す技術の研究
    特徴香を引き出す製麹条件(麹原料)と酵母を検討
    <結果:麹原料と酵母の選定>
    • 米・大麦などの麹原料と白麹菌・黒麹菌の組み合わせの中で「玄米黒麹」の組み合わせが芋焼酎の特徴香を大きく増加させることを明らかにしました。
    • 選抜したワイン酵母と「玄米黒麹」を使用することで、特徴香成分を多く含む芋焼酎を醸造できました。

「洋酒技術研究会」と「洋酒技術研究会賞」について

  • 「洋酒技術研究会」は、国産洋酒の品質向上を目的に、洋酒製造に関する技術情報、食の安全性・法制度・環境問題等、幅広い分野についてタイムリーに情報提供を行っています。
  • 「洋酒技術研究会賞」は、原則として、①研究・技術開発、②製品開発、③環境対応・品質管理、④報文・講演等の情報発信の中から日本の洋酒業界の発展に大きく貢献のあった者に対して、選考・授与されるものです。

「八代不知火蔵」は、これからも豊かな自然に恵まれた熊本県八代の地から、皆さまの暮らしに生かす価値を発信し、地域の発展に貢献していきます。

研究概要

1.受賞研究
「ワイン原料の栽培技術を活用した和酒本格芋焼酎の商品開発と焼酎の高品質化への貢献」
2.研究会名
洋酒技術研究会
3.受賞日
2018年5月16日(水)
4.受賞・発表者名
キリン株式会社 ワイン技術研究所 藤居知宏
5.受賞講演会日
2018年11月28日(水)
6.受賞講演会会場
浜松町東京會舘チェリールーム(住所:東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル39階)

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