[ヘルスサイエンス領域]
キリングループ独自成分「βラクトリン」の認知機能改善に関する研究成果が
「第7回国際フードファクター会議(ICoFF)」で「Young Investigator Award」を受賞
- 研究開発
2019年12月12日
キリンホールディングス株式会社
当社は、これまでキリン独自素材の乳由来成分「βラクトリン」について研究を進めてきましたが、研究を進める過程で「βラクトリン」である「GTWYペプチド」以外のWY配列を有する認知機能改善ペプチドを確認しました。今後の可能性も含めて、これらの総称を「βラクトペプチド」とすることし、2020年12月以降の研究成果に関する発表については、「βラクトリン」のことを「βラクトペプチドの1つであるGTWYペプチド」と表記します。
2020年12月24日(木)
キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)の健康技術研究所(所長 小川俊也)が開発した独自成分である「βラクトリン」を使った認知機能改善に関する研究成果が、「第7回国際フードファクター会議(ICoFF2019)」で、栄誉ある「Young Investigator Award」を受賞しました。12月4日(水)に、兵庫県神戸市で表彰式が行われました。
- 発表表題
- 「β-Lactolin, a novel whey-derived peptide, improves memory retrieval in a clinical trial and prevents Alzheimer’s disease in preclinical studies」
- 研究の概要
- 近年の疫学調査や臨床試験の結果より、乳製品の摂取が、認知機能低下や認知症の予防に良いと報告がなされています。当社はこれまでに、東京大学と共同研究を行い、発酵乳製品の中でもカマンベールチーズにアルツハイマー病予防効果があることを確認し、認知機能を改善する有効成分として乳由来ペプチドである「βラクトリン」を新たに発見しました。さらに東京大学での研究で「βラクトリン」はアルツハイマー病予防効果を示すことが報告されています。
- 今回、健常中高年114人を対象にランダム化比較試験を実施し、「βラクトリン」を多く含むサプリメント錠剤もしくはプラセボを用いて、認知機能への作用を評価しました。その結果、「βラクトリン」摂取群ではプラセボ摂取群と比較して記憶機能が有意に改善し、「βラクトリン」は記憶の中でも特に想起力(思い出す機能)を高めることが確認されました。その他の検査項目も含め、「βラクトリン」が前頭葉の機能を高める可能性が示唆されました。
- 本成果をもとに、「βラクトリン」のサプリメントや飲食品が開発され、食を通じて認知症予防や認知機能改善に貢献することが期待されます。
- 「国際フードファクター会議」と「Young Investigator Award」について
- 「国際フードファクター会議」は、「機能性食品因子」研究に関わる世界中の研究者が一度に集う、4年に1回開催される国際学術集会です。「第7回国際フードファクター会議」(組織委員長 芦田均 神戸大学教授)は、12月1日(日)から5日(木)に兵庫県神戸市で開催されました。
- 「Young Investigator Award」は、本国際会議の発表演題の中から受賞候補がノミネートされ、口頭発表の内容を踏まえて優れた発表と認められた研究者が選考・授与されるものです。
- 受賞者
- キリンホールディングス株式会社 R&D本部 健康技術研究所 阿野泰久
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
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