2025年度「農芸化学女性企業研究者賞」を当社研究員が受賞

~ペプチド制御による発泡酒のマウスフィール向上と糖質ゼロビールの技術開発~

  • 研究・技術

2025年3月4日

キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングス株式会社(社長COO 南方健志)の飲料未来研究所(所長 森木博之)は、麦芽比率の低い発泡酒でビールらしい滑らかなマウスフィール※1を向上する香味の基礎となる技術(基礎技術)を開発しました。また、ビールの原材料だけで糖質を限りなくゼロにする技術開発によって新しい製法を生み出し、糖質ゼロとおいしさの両立を実現することで、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の商品化に貢献しました。この基礎技術と商品の実用化につながる応用技術開発への貢献が評価され、同研究所の森下あい子が、公益社団法人日本農芸化学会2025年度「農芸化学女性企業研究者賞」を受賞しました。
※1 ビールの味わいや飲み心地

受賞者

キリンホールディングス株式会社 R&D本部 飲料未来研究所 森下あい子

題目

「ペプチド制御による発泡酒のマウスフィール向上および糖質ゼロビールの技術開発」

研究・開発成果

マウスフィール(ビールの味わいや飲み心地)は、炭酸感、フルネス※2、後味によって構成されます。特に後味に含まれる渋味が大きな影響を与えます。麦芽比率の低い発泡酒はビールと比べて好ましくない渋味が増加し、ビールらしいマウスフィールが損なわれる課題がありました。
飲料未来研究所では、高分子および低分子ペプチドの制御によって渋味を抑え、発泡酒のマウスフィールを向上する技術を開発しました。この技術は、ビール類全般の品質向上につながる基礎技術として活用されています。
また、この基礎技術の考え方を「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の商品開発で活用し、ビールの原材料だけで糖質を限りなくゼロにする新しい製法(応用技術)を確立させ、難題とされていた糖質ゼロと美味しさを両立させることに成功しました。
※2 英語のfullnessに由来。充実感や豊かさを表す言葉

「農芸化学女性企業研究者賞」について

「農芸化学女性企業研究者賞」は、公益社団法人「日本農芸化学会」によって、企業において農芸化学分野の研究あるいは商品開発における顕著な成果に貢献した女性正会員に授与されるものです。

受賞者コメント

キリンホールディングス株式会社 R&D本部 飲料未来研究所 森下あい子

技術を通して創りたい未来に、「飲みすぎ、摂りすぎのない世界」があります。食べすぎ、飲みすぎ、摂りすぎは現代人が抱える悩みの1つであり、「食と健康」の新たなよろこびを広げるための挑戦の1つとして「糖質低減技術の開発」に取り組みました。この商品化につなげる応用技術の開発だけでなく、味に影響する成分の解明と制御方法の検討といった基礎技術にも同時に取り組むことにより、お客様価値につながる商品となるべく、必要な技術をお客様の望むタイミングに実現することが出来ました。今後もこれらの取り組みを通して、多くのお客様の「よろこび」につながるような貢献をしていきたいと思います。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。

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