消費者志向自主宣言・フォローアップ
理念
- 食と健康の領域で、情熱をもって真摯にお客様に寄り添い、一緒になって幸せな未来をめざします。そして、技術に立脚した品質本位のものづくりを通じて、人々の健康で心豊かな生活に貢献します。
- 安全で安心いただける商品・サービスを提供し、お客様の声を大切にして満足度の向上を図り、信頼される企業をめざします。
- 社会と共有できる価値の創造(CSV※)という経営方針のもと、「酒類事業を営むキリングループとしての責任」を果たし、「健康」「コミュニティ」「環境」という社会課題の解決に主体的に取り組むことで、お客様の幸せに貢献します。
- CSV=Creating Shared Value
取組方針
1.常にお客様の立場に立って考えるという企業風土の醸成
- お客様本位、お客様満足が第一であるという経営トップの考え方を、従業員との直接対話等を通じて社内への浸透を図ります。
- お客様が価値を認めご満足いただける商品・サービスを提供できるための社内研修を実施します。
2024年 主な取り組み・成果
(1)「お客様本位」の浸透と実践に向けて
- 創業以来の姿勢である「お客様本位」の考え方、お客様や社会の課題を解決していくことの重要性を“トップメッセージ”として、キリングループ全体へ社内報、動画、社内イントラネット等を通じて発信し、従業員が自ら考える機会を創出しています。また、経営陣によるグループ各社全国事業所の従業員との対話を実施し、浸透を図りました。
(2)社内研修の実施
- お客様からのお申出に対応する営業担当者とお客様相談員向けに、応対品質の向上を目的とした研修を開催しました。また、新入社員向けに、お客様対応に必要な基本コニュニケーション習得のための研修を毎年開催しています。
- お客様相談室員の人財育成を目的として、本年度もお客様対応専門員資格(一般財団法人日本産業協会主催)の取得を推進してきました。消費者関連の知識を学び、お客様との直接の接点で、お客様に寄り添い、真意を汲み取ることで、適切な対応を可能にするための知識を習得しています。また、お客様相談室員の窓口応対品質の向上を図るためのCX(カスタマーエクスペリエンス)研修を通年で実施しました。
2.お客様の安心につながる情報の適切な開示
- 適正飲酒の啓発活動を継続的に行っていきます。
- 商品・サービスにかかわる品質情報のコミュニケーションを充実させることで、安心感や信頼感の向上につなげていきます。
2024年 主な取り組み・成果
(1)適正飲酒啓発への取り組み
- キリングループは事業活動を通じて社会課題の解決を図り、社会と共に持続的な成長を実現するCSVを経営の根幹に据えています。その大前提としての酒類事業を営むキリングループとしての責任をはたしていくためのグループ方針を更新しました。 キリングループ全体でアルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを進めるとともに、節度ある飲酒文化の醸成と、こころ豊かな社会の実現に貢献していきます。
- 団体向けの適正飲酒セミナー『お酒と自分と仲間を知ろう!』編と『女性とお酒』を新設しました。
(2)Webでの開示情報の拡充
- 「商品情報サイト(www.kirin.co.jp)」での開示
「商品・品質情報」において、商品の原材料やアレルゲン、栄養成分等の情報を提供しています。情報はアレルゲンの表示対象品目の変更などの法令改正に合わせ、適切な内容としております。2024年には食品以外の健康関連の商品やサービスの掲載を開始し、より多くのキリングループの商品・サービスを見ていただけるようにいたしました。
また、お客様相談室ホームページの「よくあるご質問」では、紅麹や有機フッ素化合物(PFAS)など、お客様の関心の高い商品の安全や品質に関するQAを、随時追加しました。 - 「企業情報サイト(www.kirinholdings.com)」での開示
「品質への取り組み」において、キリングループの品質方針、品質マネジメント体制、各事業領域における安全・安心の取り組みをご紹介しています。掲載している情報は、社内外の変化に応じて適宜更新しております。
3.お客様の声を活かす仕組みづくり
お客様からいただいた貴重な声を全従業員に共有し、より良い商品・サービスの提供に活かしていきます。
2024年 主な取り組み・成果
(1)お客様の声への対応と共有
お客様相談室では、ご連絡を受けた時点で、その内容を情報管理システムに入力し、社内の各関連部門と連携しながら、迅速かつ丁寧に対応しています。2024年は、電話、メール、お手紙で年間約41,000件のお問い合わせやご意見、ご指摘※をいただきました。
寄せられたお声は、翌日までに「日報」として社内共有する他、「月報」、「四半期報」、「トピックス」等のレポートを発信するとともに、お客様相談室の社内ポータルサイトで常時掲載し、全従業員に共有する取組みを継続しています。また、共有するお声の範囲をヘルスサイエンス事業にも拡げ、各部門を横断して定期発信しています。
また、何かお困りごとや知りたいことがあったときに、お客様相談室に電話やメールをされることなくお客様ご自身で解決していただけるようお客様相談室ホームページの「よくあるご質問」QAを適宜更新している他、AIチャットボットの回答により到達しやすくなるよう整備を進めてきました。
さらに、新たな窓口として有人チャットのテスト展開を経て、2025年1月より全曜日で対応可能な状態をつくりました。
- ご指摘=商品やサービスに対するお客様のご不満が形となって現れたもののこと。
(2)お客様の声を改善につなぐ仕組み
- お客様から寄せられたご意見やご要望を取り入れ、商品やサービスの開発、改善、充実を図るために、お客様相談室と研究開発、製造、販売、企画などの関連部門が集まる“改善ミーティング”を毎月実施し、改善につなげました。改善につながった代表的な事例はホームページでご紹介しています。
- また、お客様対応後に実施したアンケート結果をもとに、対応上の不備はないか常に振り返り、改善を図っています。
4.社会課題の解決に資する商品・サービスの開発・提供(CSVの推進)
- お客様の健康増進につながる商品・サービス・事業を創造します。
- 事業活動を通じた地域活性化や、サプライチェーンの持続可能性強化により、地域社会へ貢献します。
- 事業活動における環境負荷軽減の取り組みを進めていきます。
2024年 主な取り組み・成果
(1)お客様の健康増進につながる商品、サービス、事業の創造
キリンホールディングスは、独自素材「L. lactis strain Plasma (以下、プラズマ乳酸菌)」を活用し、機能性表示食品制度の「健康な人の免疫機能の維持をサポート」に関する表示を持つ商品を、多様なお客様のライフスタイル・好みに合わせ、手軽に摂取できる幅広いラインアップで展開することで、“免疫ケア”習慣の定着を促進しています。
2024年度の代表的な新商品として、キリンビバレッジ社からは「キリン iMUSE(イミューズ)からだ想い ヨーグルトテイスト」、「キリン iMUSE(イミューズ)グリーン」、小岩井乳業社からは「小岩井 免疫ケアヨーグルト」(甘さすっきり、低脂肪、砂糖不使用の3品)、キリンホールディングスからは、サプリメント「キリン iMUSE(イミューズ)免疫ケア+マルチビタミン8種」(7日分・30日分)を発売しました。
また、パートナー企業を通じて販売するプラズマ乳酸菌配合の機能性表示食品は国内では10社18商品(2024年12月末時点)に拡大し、海外における販売実績も、13か国(2024年12月時点)まで拡大しています。
上記に加え、新たなサービスや事業創造に積極的にチャレンジしており、例えば、減塩に関する悩みを抱えるお客様が、おいしく生活習慣の改善ができるよう、電流波形を用いた技術を搭載したスプーン型の「エレキソルト」デバイスを開発し、2024年は「CES Innovation Awards® 2025」の「Digital Health部門」および「Accessibility & AgeTech部門」の2部門で受賞と高く評価いただきました。今後、増産と海外展開を目指しています。このような取り組みを通じて、これからもお客様の健康増進に貢献していきたいと考えています。
(2)事業活動を通じた地域活性化、サプライチェーンの持続可能性強化による地域社会への貢献
- キリングループは、「食に関わる経済の活性化」、「ウェルビーイングを育むつながりと信頼の創出」「原料生産地と事業展開地域におけるコミュニティの持続的な発展」、「人権の尊重」の領域で、事業活動を通じた地域活性化や、持続可能な地域社会への貢献を目指しています。
- キリンビール社は「キリン 氷結®」ブランドから、果実のフードロス削減に貢献する「氷結®mottainaiプロジェクト」を立ち上げ、「浜なし」や「ぽんかん」を用いた商品を期間限定で発売しました。当プロジェクトは、食品ロスの削減の効果的かつ波及効果が期待できる優良な取り組みと評価され、消費者庁、環境省が主催する「食品ロス削減推進表彰」において酒類製造事業者で初の「審査委員長賞」を受賞しました。
- キリンホールディングス社、キリンビバレッジ社は、レインフォレスト・アライアンスと共同で2023年10月より開発してきた環境再生型農業への移行を促すツールである「リジェネラティブ・ティー・スコアカードを、2024年12月より運用開始しました。運用は、「キリン 午後の紅茶」に使用されている紅茶葉の主な生産国であるスリランカの一部の紅茶農園を対象にしたもので、2025年末までにスリランカの1つの大農園と30の小農園での運用を予定しています。
(3)事業活動における環境負荷軽減の取り組み
- キリングループは、2020年2月に「キリングループ環境ビジョン2050」を発表し、「気候変動」「生物資源」「水資源」「容器包装」の4つを重要なテーマとして掲げ、複合的に発生し相互に関連する環境問題に対し、これらを個別の課題としてではなく、相互に関連する課題ととらえ、統合的に解決することを目指しています。
以上
2025年4月7日
キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長COO
南方 健志