食領域の安全・安心への取り組み

酒類・飲料事業における取り組み

バリューチェーンの中での品質保証活動

キリングループ品質方針・行動指針に基づき、国内においては商品の開発からお客様にお届けするまでのすべてのプロセスにおいて、一貫した品質保証体制を整えています。

  • バリューチェーンの中での品質保証活動のフロー図

各プロセスの詳細についてはこちらをご覧ください。

原材料の安全性について

キリングループとしての原材料(原料、容器等)の安全性保証に関するガイドラインを定め、国内の食事業において使用する原材料の安全性を確保しています。
定常的に国内外の行政・研究機関をはじめとするさまざまな安全性に関するリスク情報を収集し、原材料を採用する際にはこれらの情報を参考にして安全性を確認すると共に、安全性に関する規格を定めています。
また、原材料の採用後も安全性に関するリスク情報を元に、必要に応じて適切な対応ができる体制としています。

放射性物質

放射性物質に関しては、工場ごとに頻度を決めて製品分析を実施しています。
また、原材料となる水や農産物については、行政によるモニタリング情報等を定常的に確認しています。

遺伝子組換え

遺伝子組換え農産物やそれらを原料とする加工食品の使用に関しては、食品衛生法に従っています。
なお、遺伝子組換え表示制度により表示義務がある遺伝子組換え原材料は使用していません。

残留農薬

キリングループでは、以下の方法等によって、製品づくりに使用する原料が食品衛生法の残留基準を満たす安全なものであることを保証しています。

  • 原料の供給元における残留農薬の分析結果等を含む管理状況の確認
  • 類似原料に関する国内外での違反事例情報の確認
  • その他残留農薬に関するリスク情報の収集、等

食品添加物

食品衛生法で認められた食品添加物について、目的に応じて評価し使用しています。さらに使用基準が設定されている食品添加物については基準に従い使用しています。

アレルギー物質

使用する原料についてアレルゲンの情報を入手し、製品に表示されるアレルゲン以外のアレルゲンの混入がないように適切に管理しています。特定原材料については、表示義務がある食品はもちろんのこと、表示義務のない酒類についても表示しています。

食品安全マネジメントシステム認証取得一覧

製造工場では、GFSI承認国際認証である食品安全マネジメントシステムやISO22000などを取得・運用することにより、安全な商品の提供に努めています。グループ全体では、2024年にこれらの規格の取得割合100%達成を目指してます。
品質マネジメントシステム、食品安全マネジメントシステムの維持にあたっては、外部の認証機関による年1回の更新審査または維持審査を受審し、システムの有効性を確実にしています。
また、キリンホールディングス(株)品質保証部による横串機能として、グループ事業会社の品質内部監査も定期的に実施しています。

  • GFSI(Global Food Safety Initiative)は、フードサプライチェーンを構成する食品事業者、食品規格に係る国際機関、認証機関、学術機関など、食品安全の専門家が集まり、世界規模で食品安全を改善する活動に取り組んでいる非営利団体です。GFSIの運営母体は、CGF(The Consumer Goods Forum)です。
    引用:GFSI グローバル・フード・セーフティー・イニシアチブ  https://www.theconsumergoodsforum.com/jp/gfsi_japan/

主要生産拠点における主な認証取得状況

2024年1月1日時点

事業会社名 主な製品 品質マネジメントシステムに関する認証 食品安全マネジメントシステムに関する認証
ISO9001 認証名 取得拠点数 主な生産拠点数
キリンビール株式会社 酒類 ○(本社部門) FSSC22000 10 10
キリンビバレッジ株式会社 飲料 ○(本社部門) FSSC22000 3 3
メルシャン株式会社 酒類 ○(本社部門) FSSC22000 3 3
協和発酵バイオ株式会社 医薬品原料 ○(BIO KYOWA) FSSC22000 3 3
食品素材
小岩井乳業株式会社 乳製品   JFS-C 2 2
LION PTY LTD 酒類 FSSC22000 4 4
Interfood Shareholding Company
(ベトナムキリンビバレッジの拠点を含む)
飲料 ISO22000 2 2
Four Roses Distillery, LLC 酒類   2024年末までに1生産拠点で取得予定 2
Coca-Cola Beverages Northeast, Inc. 飲料 FSSC22000 2 2

食品安全品質保証センター

キリンホールディングス(株)品質保証部「食品安全品質保証センター」では、キリングループの検査・分析業務を通じて、バリューチェーン全体にわたる品質や安全性を保証しています。
これまでの品質保証に関する知見や資源を集約し、さらに各部門と連携することで、より高度で総合的な品質保証が行える体制が整っています。
原料、商品はもとより、開発品やご指摘品、工程などの分析や安全性の評価を行うとともに、分析・評価法の整備・開発、各バリューチェーンやサプライヤーの検査体制の精度の確認・向上にも取り組んでいます。

麦芽や果汁などの原材料、水、蒸気などのユーティリティの品質や安全性を分析評価しています。例えば、農産物は天候などにより品質の振れが生じるため、事前に品質を確認して工場での商品づくりを保証しています。また、原料の残留農薬や重金属など安全性に関わるデータも確認しています。

技術開発・商品開発・工程改善に必要な理化学分析・検査、及びそのために必要な技術の開発・整備を行っています。

お客様からいただくご指摘等について、様々な分析装置や技術を駆使して調査・分析を行っています。原因調査だけでなく、その結果を工程改善や商品の品質改善につなげています。

原料・製品・工程など、バリューチェーン全体の微生物汚染リスクの評価や、管理方法や検査法の提言などにより、微生物制御レベルの向上に取り組んでいます。また、工場・サプライヤーの検査精度の維持・向上を支援したり、微生物の同定・制御技術や新たな微生物検査技術の開発・整備も行っています。

検査事例