[食領域]
日本のビールを"魅力あるものに"
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2018年08月04日
お客様を「主語」に、ビールをもう一度“魅力あるもの”にするために
この20年、日本のビール市場は縮小傾向が続いています。これは飲酒人口の減少だけでなく、お客様にとってビールの魅力が薄れているためでもあるとキリンビールは考えます。そこでビールを再び“魅力あるもの”にしていくために、様々な取り組みを展開しています。
2017年には、フラッグシップブランド「一番搾り」を約4年ぶりにフルリニューアルしました。従来の「メーカー主語のマーケティング」から、「お客様主語のマーケティング」へと考え方を大きく転換。“お客様が本当に求めるビールの味”を把握するために、大規模な市場調査を実施。
そして、3年間で1,000回を超える試験醸造を重ねてきたことで、“麦のうまみ”を増しながら酸味や甘い香りを抑制し、バランスが良く、飲みやすいおいしさを実現しました。
この「新・一番搾り」の展開では、「四つの瞬間」(下記コラム参照)に焦点を当てたお客様中心のマーケティングを全社一丸となって実践しています。また、2016年に発売し、好評を博した「47都道府県の一番搾り」の成果を活かし、自治体や農協など各地の多様なステークホルダーとも連携しながら、お客様ニーズや地域特性に合わせたきめ細かな提案を行っています。2018年1~3月までの「一番搾り」の販売数量は、前年累月比12.4%増の665万ケースと順調に伸長。これからもおいしさの追求と地域の誇りを共有するCSV活動を通じて「一番搾り」を“日本のビールの本流”にしていきます。
パートナーとともにお客様との「接点」を拡大しクラフトビール市場を活性化
ビールの魅力向上を目指すもう1つの挑戦が「クラフトビール市場の活性化」です。クラフトビールが日本のビール類市場に占める割合は、数量・金額とも1%前後※でまだ小さな市場ですが、例えば米国では数量で12%、金額では20%以上ものシェアをもつ一大カテゴリーとなっています※。
この市場が日本でも急成長する可能性は十分にあり、キリンビールでは市場の拡大と定着を目指し、クラフトビールとお客様の「接点」の拡大を進めています。その一環として、「スプリングバレーブルワリー」「グランドキリン」など自社ブランドを着実に育成するだけでなく、ヤッホーブルーイングや米国のブルックリンブルワリーといった国内外の有力ブルワリーと提携し、魅力的なラインアップを拡充。
また、複数のクラフトビールを手軽に提供できる飲食店向け専用ビールサーバー「タップ・マルシェ」の開発、「スプリングバレーブルワリー」3店舗の展開、体験型セミナーやデジタルコンテンツが楽しめるコミュニティの運営など、多彩な角度からお客様との接点を拡大。こうした取り組みに関わる社内外のパートナーとの協働によって、お客様への新たな価値提供に取り組んでいます。
※2017年、キリン調べ
「四つの瞬間」に焦点を当てたブランディングを推進
キリンビールは、「お客様主語のマーケティング」を展開しています。お客様がブランドに接触する「四つの瞬間」のそれぞれにおいて、獲得したいお客様の「気持ち」や「行動」に焦点を当てた広告・販促施策を推進。例えば、お客様が最初にブランドの情報に触れる「ゼロの瞬間」に対しては、ブランドの認知向上を目指して、TVCM、イベント、SNSなど多様なメディアで情報を発信。
また、お客様がブランドを購入する「第一の瞬間」では、量販店や飲食店におけるお客様の行動を科学し、購買意欲の喚起に注力しています。
※所属(内容)は掲載当時のものになります。