2007年12月17日

キリン食生活文化研究所 レポートVol.6
2006年世界主要国のビール消費量
〜中国が4年連続世界No.1、ロシアは初の第3位に〜

 キリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2006年の世界主要国、地域および各国民一人当たりのビール消費量をまとめました。

【トピックス】

  • ■世界の総消費量は、約1億6,576万kl(前年比5.8%増)となり、21年連続の増加。
    東京ドームをジョッキに見立てると、約134杯分に相当。
  • ■国別では、中国(前年比14.8%増)が4年連続で世界No.1。ロシア(9.0%増)はドイツ(第4位、0.3%増)、ブラジル(第5位、4.1%増)を抜いて初の世界第3位に。また、中国を筆頭に、タイ(15.3%増)、ベトナム(7.8%増)のアジア勢が高い伸びを示した。
  • ■地域別では、成長市場のアジア(11.0%増)が、構成比を前年から1.4ポイント拡大し、最大市場のヨーロッパとの差を縮めた。ヨーロッパとアジアは構成比が3割を超え、世界の2大ビール消費市場に。

1.国別ビール消費量(表1)

 2006年の世界の総ビール消費量は、前年より約909万kl(大びん633ml換算で約143.6億本)増え、約1億6,576万kl(前年比5.8%増、大びん換算で約2,619億本)で、21年連続の増加を記録しました。東京ドームをジョッキに見立てると、約134杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当し、前年から約7.3杯増加。大阪ドームでは、約138杯分(大阪ドーム1杯は約120万kl)で、約7.6杯分の増加となりました。世界経済の回復基調や、年間平均気温の上昇などを背景に上位国が軒並み増加となっています。

 国別では、2003年から1位の中国が、アメリカ合衆国との差を1,051万klにまで広げ、4年連続で1位となりました。また、健康志向の高まりにより、低アルコール化が進むロシアは、高い増加率で順位を上げ、初の世界3位になりました。成長市場のアジアでは、タイ、ベトナムが高い増加率となったほか、ヨーロッパでは、ウクライナ、ルーマニアが高い増加率を示し、全体の消費量を押し上げました。

 日本は、順位の変動はないものの、少子高齢化、嗜好の多様化、酒税改正などの影響で微減となっています。

2.地域別ビール消費量(表2)

 最大市場のヨーロッパは、ロシア、ウクライナ、ルーマニアなどが牽引し3.7%増となりましたが、成長市場のアジアは、それを大きく上回る増加率でヨーロッパの市場規模に迫っています。ヨーロッパとアジアは、ともに構成比が3割を超え、世界の2大ビール消費市場になっています。

3.国民一人当たりビール消費量(表3)

 上位国の順位に大きな変動はありません。チェコは14年連続の1位となっていますが、アイルランドやイギリスなどは、市場の成熟化から減少傾向となっています。日本は、大びん(633ml)換算で、昨年比約0.5本減少しました。

注:日本の消費量については、ビール・発泡酒・新ジャンルの合計。

注:前年(2005年)の値は、今回の調査時点で変更されている場合、新しい値を使用。

出典:各国ビール協会などへのアンケート調査(当社が実施したもの)

The World Beer Market: The 2007 Survey (ERC Group Ltd)

The Barth Report Hops 2006/2007 (BARTH−HAAS GROUP)