[食領域]
ミャンマー・ブルワリーの高効率生産設備建設
- 環境
- 技術力
- 人材風土
2018年08月01日
急拡大するビール市場でリーダーであり続けるために
キリングループは、2015年、ミャンマー最大のビール会社ミャンマー・ブルワリー(MBL)をグループに加えました。ミャンマーで約80%の圧倒的シェアをもつMBLですが、急拡大する同国ビール市場には大手グローバル企業も参入しており、競争は激化しています。今後も市場での確固たるポジションを維持していくために、キリングループは国内外の事業で培った経験・ノウハウを活かし、商品開発、マーケティング、生産、調達など、MBLの各機能の強化を支援しています。
例えば、商品ポートフォリオ戦略では、低・中価格帯商品の供給拡大とブランド強化に注力するとともに、将来的に拡大が予想される高価格帯商品(プレミアムビール)も投入してブランド構築を進めています。また、商品のコンセプト設計から売場での工夫、消費者とのコミュニケーションまでをトータルでコーディネートするマーケティングの仕組みもMBLに提供しています。
成長するミャンマーのビール市場
2011年の民政化により長年続いた経済制裁が緩和され、“アジア最後のフロンティア”として一躍脚光を浴びるミャンマー。近年のGDP成長率は7~8%で推移しており、急速な経済発展を背景にビール市場も急拡大しています。2016年時点での市場規模は約33万klと、人口1人当たり消費量で見ると周辺のタイやベトナムに比べてまだ低い水準ですが、今後の経済成長に伴い市場の飛躍的な拡大が期待されています。
ミャンマー・ブルワリの商品カテゴリー
ミャンマーのビール消費量推移
高度なエンジニアリング力で生産能力の増強をサポート
急拡大する需要に応えていくために、MBLでは現在、醸造・充填設備の大規模な増設を進めています。2018年初頭に10万?の高効率ラインが稼働を開始し、同年内には現在の生産能力を大幅に増強する計画です。
これを全面的にサポートしているのが、キリンエンジニアリングをはじめとする当社グループのエンジニアリング部門です。キリンエンジニアリングはキリングループの国内外の製造プラントだけでなく、グループ外の食品メーカーや医薬品企業などのプラントも数多く建設し、高い評価を得てきました。同社スタッフとキリンから出向しているエンジニアリング担当者の豊富な経験と高い技術力によって、新設備の全体設計から機器の選択、設置、チューニング、オペレーションの指導まで、ポテンシャルを最大限に引き出し、投資効率の最大化を目指すMBLの取り組みを支援しています。
導入した省エネ設備
社会課題の解決に向けて省エネ・水資源保全を徹底
現在ミャンマーでは、経済が急速に発展する中、今後のエネルギー需給のひっ迫が懸念されています。こうした状況を受け、MBLの工場では日本政府の「二国間クレジット制度資金援助事業」を活用して最先端の省エネ設備を導入するなど、各工程でエネルギー消費の抑制に努めています。
また、水資源の保全についても、グループの知見を活かし、積極的に取り組んでいます。
工場から排出された排水は、徹底した水質管理のもと自社で確実に浄化するとともに、製造量の増加に対応して設備能力の増強を図っています。工場の水使用量については、工程の効率化や新たな技術導入により、水使用原単位を2020年までに2015年比で25%削減する目標を設定し、世界のトップクラスを目指しています。
ミャンマーの経済成長と環境負荷の低減、その双方に貢献しながら、キリングループは同国での持続的な成長を目指していきます。
※所属(内容)は掲載当時のものになります。