4カ月間の育児休業を取得 多様な働き方を認め合い、尊重する
- 人財風土
2020年09月02日
多様性を発揮できる組織作り
多様性を発揮できる組織風土づくりに向けた会社の取り組み、および個人の価値観から一歩外に出て、自身の多様性を広げていくことにチャレンジしている社員の声を紹介します。
育休を取得しようと思った経緯
日本は、育休中に給付金を受給できる期間などを考えると世界的に見ても非常に優遇されているはずなのに、日本の男性の育休取得率は世界的にもダントツに低く10%を大きく下回る。政府も男性の育休取得率を世界の先進国並みの水準(30%)まで上げたいと目標を掲げていて、間違いなくその流れは強くなっていく。まだまだ社会では当たり前になっていない育休を長期間取得できるようなきっかけに、自分がなれればいいなと思った。また、自分がリーダーになったときには世の中の動きや、会社の多様性を重んじるようなこの流れはもっと当たり前になっていると想定され、自分が経験して得た知見をメンバーに還元して活かしていけるのではないかと思った。
また、結婚してから5年で授かった待望の第一子の多感な時期をそばでサポートしたいと思った。仕事柄夜の飲食のために帰宅が遅いことが多く、娘は既に寝ていて、朝会社に行くときも娘はまだ寝ているという、寝顔しか見られない平日が続き、ろくに育児もできないでいた。妻のサポートもしたかったし、娘が幼いかけがえのない期間にたくさん愛情を注ぎたいと思った。
最後に、男性である自身が積極的に育休を取得することで、周囲にいい影響を与えられたらと思った。社内に対しては、広域販推という業務用営業の最前線で働きながらも育児休業ができるのだ、と良い刺激になると思ったし、社外に対しても、キリンは先進的で多様性があって人を大切にしてくれる企業であると、是非伝えたいと考えた。
取得するまでの準備
2019年11月に出産予定で、2019年7月には育休取得を視野に入れて、リーダーに相談をしていた。取得する時期は大きな仕事のヤマが終わった後の2020年の5月から。既に育休を取得していた先輩にも相談して、1か月ではほとんど何もなく終わってしまうというアドバイスもあり2ヶ月は取得したいと考えるようになった。仕事のヤマが終わって4月から1か月間、後任に丁寧に引き継いで育休を取得する予定だったが、コロナの流行が始まり、得意先に一緒に行くこともできず後任への引継ぎはできなくなってしまった。幸いリーダーとは日ごろから綿密にコミュニケーションをとり、必要な場面で同行もしており、主要な得意先はリーダーが「わかっている状態」だったため、基本的にはリーダーに引継ぎをすることになった。
育休中
3月末から舞い込んできた緊急案件が決着できないまま5月に入り、育休に入った。不安な気持ちもあったが、結果的にはたまにリーダーとLINEや電話でコミュニケーションをとることで補完することができた。
また、本来ならば2ヶ月で育休から復帰する予定だったが、コロナの影響もあり、より家族と過ごす時間を増やして家族を守りたい、引き続きすぐそばで娘の面倒を見たいという気持ちが強まり、育休期間をさらに2ヶ月延長することにした。
育休を延長するときもリーダーやメンバーからの多大なる支援のもとで決断することができた。特に印象に残っているのはリーダーから「大丈夫だよ。俺、がんばるから」と背中を押してくださったことだ。感謝してもしきれない。一生忘れることのできない一言になった。
取得してみて
娘との関係性は格段に上がり、娘も私のことを「親」として見てくれていると感じるようにもなった。娘とだけではなく、妻とのコミュニケーションも以前より取れるようになった。コロナがなければもっといろいろなところに連れて行ってあげたかったのが本音だが、コロナ禍において家族が一緒に暮らせているだけで幸せなことなのだと考えるようになった。
コロナの流行によりリモートワークやオンライン商談がメインとなっていたこともあり、主にリーダーがサポートする形で乗り切ることができた。もしこれが対面の商談が基本となっていたら乗り切るのは難しかったかもしれない。
現時点ではチーム制がとれておらず、担当メンバー+リーダーという状態になってしまっている。バディ制やチーム制をもっと導入していればどちらかが休んだ時にも柔軟に対応できると考える。業務用・量販営業に限らず内勤スタッフでも同様のことが言えると思う。
得意先から好反応
取得する際も、復帰した後も得意先からは「やはりキリンさんは素晴らしい企業ですね」「最先端をいっていますね」と好反応だった。
得意先も多様性を重んじる当社を理解・賛同してくれているということがよく分かった。こういったことに積極的なことをもっと対外的にもアピールして良いのではないだろうか。
今後
育児をしながら働く人は今後ますます当たり前になってくるだろう。夫婦共働きで子育てをしながら仕事をするというケースもしかりである。パートナーはどのような仕事をしていて、どのような保育園に入れていて、周囲のサポートがどのような状況なのか、など様々な環境が人によって異なり、その人の働き方は変わってくると考える。育休を通じて、多様な働き方や価値観、それぞれの環境に違いがあることを理解し、そしてそれを尊重することの重大さを実感することができた。
今の部署は若い男性メンバーも多いため、育休や産休を取得したいと思えるように背中を押したいと思うし、サポートをしたいと思う。
その時にはその人が家庭の一番大変な、そして大切な時期を乗り越えて、また元気な姿で仕事に戻ってこられるような環境をつくる存在、リーダーになりたいと思う。
キリンビール
広域販売推進統括本部
新ヶ江 翔
※所属(内容)は掲載当時のものになります。
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