ヘルスサイエンス領域
ヘルスサイエンス戦略担当役員メッセージ
ヘルスサイエンス領域が対象とする社会課題と事業
健康長寿社会の実現
ヘルスサイエンス領域の事業事例:
「Sleep」シリーズ販促を通じ
良質な睡眠の重要性を啓発
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ブラックモアズ
Innovation and Communications Officer
Chief BrandJoanne Smith
消費者の普遍的な睡眠ニーズに対応
近年、世界中で睡眠障害の有症率が上昇しています。家庭、仕事、経済、生活環境へのストレスが増大していることだけでなく、コミュニケーションツールが発達しているにもかかわらず、人間関係が疎遠化したことなども背景にあります。こうした傾向は新型コロナウイルス感染拡大によって一層強まっています。
当社が実態調査をした結果、全体の71%の人が何らかの睡眠の課題を抱えており、一人当たり平均3.6件の課題を抱えていることが分かりました。例えば、目覚めが悪い、寝付きが悪い、夜中に目が覚める、眠りが浅いといった問題です。一方、こうした有症率の高さにもかかわらず、ほとんどの人が睡眠改善に向けた行動に移せていないのが現状です。睡眠の改善手段としては生活習慣の見直しが一般的ですが、ビタミンや栄養補助食品などのサプリメント(VDS)を利用している人の割合は36%にとどまります。
サプリメントを選ぶ時に消費者が重視する条件には「特徴が分かりやすい」「ニーズが反映されている」「成分が自然由来」「機能性」「副作用がないこと」などがあります。当社のブランドパーパスは「自然の力で、全てのお客様に最高の健康を届ける」ことであり、私たちは良質な睡眠の重要性を啓発すること、消費者の睡眠ニーズに応える新商品を提供することが目標です。これらを達成するため、私たちは科学と自然の力、消費者インサイトを最大限に活用し、新たな睡眠ケア商品「Sleep」シリーズを開発しました。特徴が分かりやすい商品名や説明を用いて、当社独自の自然療法と科学を採用することで、消費者の普遍的な睡眠ニーズに応えるものです。
良い睡眠による「ポジティブな変化」に注⽬
「Sleep」シリーズの一つ、「Blackmores Deep SleepTM」は毎日の安らかな深い眠りをサポートするタブレットです。バレリアン、ジジフス、ホップ、マグネシウムを配合しており、睡眠の質を高め、浅い眠りを改善し、すっきりとした目覚めをサポートします。
次に「Blackmores Fall Asleep TabletsTM」は入眠までの時間を短縮する便利なタブレットです。西洋漢方で伝統的に使用されるラベンダー、ジジフス、レモンバームとマグネシウムを配合。心をリラックスさせ、より早く眠りにつけるようサポートし、体力を回復させます。
そして「Blackmores Beauty Sleep TabletsTM」は良質な睡眠をサポートし、肌と髪の健康を改善するタブレットです。睡眠障害を和らげるために西洋漢方で伝統的に使用されているホップをはじめ、レチノール(ビタミンA)、ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン、ビタミンC、ビタミンE、ビオチンが配合され、コラーゲンの生成、皮膚の完全性や構造を改善し、肌や髪の健康をサポートします。
これらの「Sleep」新シリーズは2023年5月にオーストラリアで発売され、今後2年間かけて韓国、中国、シンガポール、ニュージーランドなどの市場でも展開する予定です。新シリーズの販促のため、「よく眠り、毎日ベストを尽くしたい」という普遍的な消費者インサイトに基づくブランドコミュニケーション戦略を打ち出しました。
こうした中、私たちは「Sleep well, feel alive」という販促キャンペーンを実施しました。質の悪い睡眠がもたらす負の影響ではなく、良質な睡眠が人生のあらゆる側面にもたらすポジティブな変化に焦点を当てたものです。動画配信サービス、YouTube、ラジオ、デジタルオーディオ、ペイドソーシャル、検索エンジン、屋外広告、交通広告、インフルエンサーマーケティング、主要小売店での店内プロモーションなどを活用した「360度アプローチ」を展開。9週間にわたって実施され、延べ1,850万人以上のオーストラリアの消費者にリーチし、成果を上げました。
販売は好調、新規顧客の獲得にも成功
キャンペーン期間中、ブランドセグメントの小売売上高は28%成長し、「Blackmores」は睡眠セクターで急成長したブランドの一つとなりました。また、睡眠ケア市場で「Blackmores」のシェアは17.6%成長し、売上高予想を143%上回りました。新商品の売り上げのうち90%はカテゴリー全体の純増に寄与し、73%が「Blackmores」の売上純増分に寄与しました。特に「Deep Sleep 60粒入り」は薬局、食料品店における睡眠ケア商品でNo.1となりました。
「Sleep」シリーズの販売は好調に推移し、売上高は目標比109%増を達成。オーストラリアでは目標比143%増と突出した成績を記録しました。これらにより良質な睡眠の重要性を消費者に啓発し、新規顧客の獲得に成功。「Sleep」ブランドと睡眠商品カテゴリーの双方を成長させました。
現時点の成果は上々であり、「Sleep」シリーズと「Sleep well, feel alive」キャンペーンは、消費者の睡眠への問題意識を高めることだけでなく、問題解決としてVDSの内服を促すことにも成功しました。私たちは消費者インサイトを踏まえて商品を提供し、深層心理に基づいたマーケティングを行ったことにより、消費者が良質な睡眠を確保し、1日のパフォーマンスを最大化できるように支援しました。
今後も、私たちは市場全体で「Sleep」シリーズの投資と成長にコミットすると同時に、新たな消費者ニーズの開拓やイノベーションの創出に努め、ブランドの成長を推進していきます。