多様なビールで、人々の新たなつながりの醸成に貢献する
- コミュニティ
2024年05月31日
日常にささやかな幸せをもたらし、生活を豊かにできるビールは、日本において古くから親しまれ、お客様の生活によろこびをもたらしてきました。しかし、今日本のビール市場で飲まれているのは、実はほぼ1種類。一方、世界には150種類以上のビアスタイルが存在します。キリンビールは、お客様へビールの本来の豊かさを提供できていないことに責任を感じ、その多様さ・楽しみ方を広げたいという思いでクラフトビール事業に取り組んでいます。
また、近年は、リモートワークやコミュニケーションのデジタル化により、人とのつながりが希薄化しています。クラフトビールで多様な選択肢から「私の好き」を選び、仲間や家族とビールの違いについて語らうことで、コミュニケーションが弾むきっかけにもなると考えています。
クラフトビールを日本に定着させるという大きな挑戦は、私たちキリンビールだけでは成しえません。そこで、同じ志をもつ日本・世界各地のブルワリーと手を取り合いながら取り組みを行っています。
まず、当社は中核ブランド「スプリングバレー」を軸にクラフトビールの認知拡大に取り組んでいます。2015年にクラフトビール事業に参入し、ブルワリー併設店舗「SPRING VALLEY BREWERY」を東京・代官山にオープン。その後飲食店向けの小型ビールサーバー「タップマルシェ」、お客様向けダイレクトチャネルである会員制生ビールサービス「ホームタップ」・通販サイト「DRINX」へ展開を拡大。さらに、缶商品を量販店で発売したことで、自宅でも楽しめる機会を飛躍的に増やし、認知を広げています。
次に市場創造には、クラフトビールのおいしさ・楽しさを体感いただく機会を創出することが重要であるため、「タップマルシェ」を活用しクラフトビールを楽しめる場を全国の飲食店に広げています。「タップマルシェ」は当社の商品や提携ブルワリーだけでなく、資本関係のないブルワリーも含めた全国20種類以上のクラフトビールがそろいます。お店ごとにビールを選んでいただくことができ、多様なおいしさの体験はもちろん、料理とのペアリングなど、クラフトビールならではの楽しみ方を提供し、ご好評いただいています。また、2023年には、史上初となる国内のブルワリー13社と協働したクラフトビール体験型イベント「HELLO CRAFT BEER WORLD」を開催するなど、飲食店以外でもクラフトビールを楽しんでいただく場を広げています。
3つ目の取り組みとして、クラフトビールを日常生活の中でも楽しんでいただけるよう、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」「SPRING VALLY シルクエール<白>」「SPRING VALLY JAPAN ALE<香>」を缶商品として量販店で発売。小売・流通様と共創したクラフトビール売場の「コーナー化」など、お客様とのつながりをつくるため、手に取る機会を増やしています。
4つ目は、クラフトブルワリーの品質支援です。クラフトビールに対するお客様の興味は上昇しつつも、過去の「地ビール」のイメージから「クラフトはクセのある当たりはずれのあるビール」と感じている方が多くいます。そのイメージを払しょくするには、クラフトビール全体の品質向上が必要です。そこで私たちのビール醸造の長い歴史の中で培ってきた科学的知見や技術を生かし、全国のクラフトブルワリーに官能評価の分析や品質、衛生管理などの技術提供を行っています。現在当社が支援するブルワリーは30社程度ですが、年内に40〜50社まで増やす予定です。
当社はこれまでの歴史の中でビールが届けてきた、お客様やブルワリー、原料生産者などさまざまな「人と人とのつながり」という価値を今後も提供していきます。そして、クラフトビールカテゴリー全体の成長に寄与するとともに、クラフトビールに関わる地域の食文化・産業の活性化に貢献していきます。
※所属(内容)は掲載当時のものになります。