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2017年度のセグメント・事業別概況

日本綜合飲料

※( )は前年比

キリンビール

キリンビールは、6月の酒税法等改正に伴う酒類の公正な取引に関する基準施行を見据え、1月から取引条件を見直しました。これにより競合他社品に比べ店頭価格が高い状態が一定期間続くなどの影響を受け、ビール類の販売数量は減少(△4.2%)し、市場を下回りました。ブランド別では、「一番搾り」ブランドは市場並みの△2.4%となりましたが、9月のリニューアル活動以降は缶の販売が好調に推移し、年間でも販売数量が増加(+0.6%)しました。一方、「のどごし」ブランドは販売数量が減少し(△4.9%)、新ジャンルにおけるお客様支持回復に課題が残りました。
RTDは、「氷結」「本搾り」を中心に好調を維持し8.4%増加、ノンアルコール・ビールテイスト飲料は、「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」の発売などにより、販売数量が58.7%増加しました。ビール類の販売数量減少により売上収益は減少しましたが、取引条件見直しや缶比率の上昇等により単価・ミックスが改善したほか、コスト削減も奏功し、事業利益は増加しました。

キリンビバレッジ

「午後の紅茶」は2%増加し過去最高の販売数量を記録、「生茶」は前年のリニューアル効果を含め販売数量が5%増加しました。一方、「ファイア」の販売数量が減少(△8%)したことに加え、受託製造契約の終了に伴う販売数量減少等により、キリンビバレッジの販売数量合計は2%減少し、市場(±0%)を下回りました。健康・スポーツ飲料カテゴリーは、「サプリ」ブランド新商品の好調により11%増加しました。
販売数量減少により売上収益は減少しましたが、「午後の紅茶」「生茶」の構成比上昇、コスト削減効果により、事業利益は大幅に増加しました。

メルシャン

国内製造ワイン、輸入ワインの注力商品が好調に推移し、ワイン全体の販売数量が増加(+2%)しました。低価格の輸入デイリーワイン増加により売上収益が減少しましたが、コスト削減やマーケティング費用の効率化等により事業利益は増加しました。

日本綜合飲料について(1.49MB)

海外綜合飲料

※( )は前年比

ライオン

ライオン酒類事業は、豪州におけるAnheuser-Busch InBev(ABI)ブランドのライセンス販売を2016年9月に終了しました。ABIブランド喪失やワイン事業売却により、販売数量は大幅に減少(△10.5%)しましたが、自社ブランドビールの販売数量は好調に推移し、特に、注力するコンテンポラリー、クラフト、インターナショナル・プレミアムといったカテゴリーの販売数量は増加しました。ABIブランド喪失の影響を除けば、売上収益、事業利益はほぼ前年並みとなりました。
ライオン飲料事業は、オレンジ果汁価格高騰の影響により原材料費が増加し、果汁飲料をはじめとした販売数量が減少しましたが、2016年10月に実施した棚卸資産の評価減の反動増等により事業利益は微増となりました。

ミャンマー・ブルワリー

低価格帯商品、缶商品の需要増を捉え「アンダマン・ゴールド」の販売数量が大幅に増加(+85%)、「ミャンマービール」も壜のプロモーション等が奏功し4%増加し、全体の販売数量は17%の大幅増となりました。エコノミーカテゴリーの大幅増によりミックスは悪化しましたが、販売数量の大幅増加と前年度と当年度に実施した価格改定効果により、売上収益は現地通貨ベースで増加しました。為替影響により原材料費が増加しましたが、サプライチェーンコスト削減への取り組みも効果を発揮し、事業利益は現地通貨ベースで増加しました。

海外綜合飲料について(1.16MB)

医薬・バイオケミカル

医薬事業は、国内では後発医薬品の影響等により売上は減少したものの、技術収入の増加や研究開発費を含む販管費の減少によって増収増益となりました。研究開発については、グローバル戦略品の開発が順調に進捗しました。バイオケミカル事業は、国内、海外ともに医薬・健食用原料や通信販売が堅調に推移し、売上収益は前年並みとなりました。前年に比べ、収益性の高い商品の構成比が上がったことなどにより事業利益は増加しました。

医薬・バイオケミカルについて(859KB)