KIRIN's HISTORY

様々な環境の変化を乗り越え、成長を実現してきたキリングループの歴史をご紹介します。

100年を超える歴史の中で、グループは大きな成長を遂げてきました。祖業であるビール事業は、日本を代表するビールメーカーとして地位を築き、海外へも進出。現在ではアジア・オセアニアを中心に有力なブランドを保有し、事業を展開し成長を続けています。さらに、ビール製造で培った知見を活用することで清涼飲料など食領域において事業を拡大し、1980年代以降には医、ヘルスサイエンスへとのその事業領域を拡げてきました。

キリングループの3つの事業領域

  • 食領域(酒類・飲料事業)

    祖業であるビール事業を中心に、現在も基盤となる事業領域です。1990年代以降にはアジア・オセアニアを中心にグローバル展開を加速させ、高い付加価値を有するブランドを数多く製造・販売しています。

  • ヘルスサイエンス領域

    食領域における自然由来の原料や、発酵・培養の研究を進める中で、プラズマ乳酸菌を始めとした身体に有用な物質を数多く発見してきました。これらの資産を活用し今後のグループの成長の柱として育成していく事業領域です。

  • 医領域

    ビール製造で培った微生物・細胞の研究から発展した技術にバイオテクノロジーを掛け合わせ、1980年代に医薬品の研究開発を開始しました。今ではグループの主要事業にまで発展し、バイオ医薬品を中心としてグローバルに事業を展開しています。

1907 - 1980

「麒麟麦酒創業から食領域において事業を拡大」

1885年に設立されたジャパン・ブルワリー・カンパニーの事業を引き継ぎ、1907年に当社は創立しました。1950年代半ばに日本が高度経済成長期に突入すると、ビール需要は1956年から1964年にかけて年平均成長率20.6%という驚異的な伸びを示しました。順調に事業規模を拡大する中、1975年に策定した長期経営構想の「昭和50年度構造計画~安定成長への布石~」において「食領域」における多角化を進めました。

  • 1907

    麒麟麦酒株式会社創立

    ドイツ人醸造技師によるドイツ産原料を用いたビール醸造を行った「キリンビール」は本格的なドイツ風ビールとして市場から高い評価を受けました。(創立当時の横浜山手工場)

  • 1928

    キリンレモン発売

    清涼飲料へ事業を拡大。「絶対二人工着色ヲ施サズ」という信念のもと、その透明さを見せるため、当時は珍しかった透明な瓶で販売。さらに品質保持のため、1本ずつ紙に巻いて出荷していました。(初期の「キリンレモン」のポスター)

  • 1943

    麒麟麦酒、麒麟科学研究所(現・キリンホールディングス株式会社キリン中央研究所など)開設

    キリンビールの研究部門の歴史は1918年に研究部を設置したことから始まり、この年に部門として独立し、麒麟科学研究所となりました。

  • 1963

    自動販売サービス株式会社(現・キリンビバレッジ株式会社)設立

    自動販売機で清涼飲料を販売する子会社を設立しました。(「キリンレモン」の自動販売機)

  • 1972

    キリンシーグラム株式会社(現・キリンディスティラリー株式会社)設立

    蒸留酒の自社製造を開始。1974年には初の国産ウィスキー「ロバートブラウン」を発売しました。

  • 1976

    小岩井乳業株式会社設立

    食品事業に参入。チーズやバターなどの乳製品を全国販売しました。

  • 1977

    KW Inc. (現・Coca-Cola Beverages Northeast)設立

    北米ニューイングランド地方において、コカ・コーラ社のボトリング事業を開始しました。

1981 - 2005

「多角化を推進 医とヘルスサイエンスへ事業領域を拡大」

2度のオイルショックを経てビール市場の成熟化が顕著になると、新たな経営体質づくりを目指し、1981年に「長期経営ビジョン」を策定しました。「嗜好、健康、文化に関連を持つ分野に事業を拡大し、ビールを核として生活の質的向上(豊かでゆとりのある生活)に貢献する企業」になることを目標に掲げ、過度にビール事業に依存している企業構造をバランスのとれたものに改めることで、収益力の高い優良企業であり続けることを目指しました。本ビジョンを基に進出したのが、医領域とヘルスサイエンス領域です。

  • 1982

    研究開発部新設

    キリンビール内での提案に基づき、バイオテクノロジーを切り口として医領域の研究開発を開始しました。

  • 1983 ヘルスサイエンス

    キリンビール事業開発部健康食品チーム発足

    酵母などを利用した健康食品を検討するチームが発足し、ビール事業や飲料事業で培った技術や知見を活かしてヘルスサイエンス領域に進出しました。(1985年に発売された「リフレ」)

  • 1983

    株式会社キリンシティ(現・キリンシティ株式会社)設立

    ドイツピルスナービールの伝統技『3回注ぎ』による樽生ビールの提供を行うビアレストランとして、外食事業に進出しました。

  • 1984

    キリン・アムジェン社設立

    研究開発部で研究を進めていたエリスロポエチン(EPO)について、米アムジェン社との合弁会社を設立したことで大量生産に成功しました。
    2017年合弁契約終了

  • 1988 ヘルスサイエンス

    「ラホヤアレルギー免疫研究所(現ラホヤ免疫研究所)」の設立を支援

    免疫の研究はKHK4083や「プラズマ乳酸菌」「KW乳酸菌」などにつながりました。

  • 1990

    麒麟麦酒株式会社より腎性貧血治療剤「エスポー」(EPO製剤)を発売

    1982年の参入からわずか8年で初めての医薬品を発売しました。

  • 1998

    LION NATHAN LTD.(現・LION PTY LTD)に資本参加

    オセアニアへ進出し、現在のLion社に繋がる事業に出資しました

  • 2002

    Four Roses の事業権を取得

    米ケンタッキー州において1888年に誕生したバーボン「フォア・ローゼズ」の事業権を取得しました。

  • 2002

    San Miguel Corporationに資本参加

    経済成長、人口増加が著しいフィリピンへと進出しました。

  • 2002 ヘルスサイエンス

    キリンビールの基盤技術研究所が、小岩井乳業株式会社および昭和女子大学大学院生活機構研究科と共同で、アレルギー症状を改善する「KW乳酸菌」を発見

    2022年には、「Lactobacillus paracasei KW3110(KW乳酸菌)」の開発と事業化が、日本農芸化学会2022年度「農芸化学技術賞」を受賞するなど、キリングループの免疫研究として高い評価を受けました。

2006 - 2015

「グローバルで飛躍を目指し積極的なM&Aを実施」

2006年に策定した長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(KV2021)において、当社はグループの飛躍的成長を目指し事業基盤の拡大に取り組みました。医薬事業は協和発酵工業との合併を果たし協和発酵キリン(現・協和キリン)が誕生しました。また、M&Aも積極的に行い、日本においてはメルシャン株式会社を子会社化し、豪州でも事業を拡大しました。

  • 2006

    メルシャン株式会社を連結子会社化

    ワイン事業を傘下とし酒類事業を更に充実させ、酒類・飲料市場を全体で捉える綜合飲料グループ戦略の推進に取り組みました。

  • 2007

    キリンファーマ株式会社設立

    キリンビールの医薬事業を承継し、医薬品の製造・販売を行う企業として発足しました。

  • 2008 ヘルスサイエンス

    協和発酵バイオ株式会社設立

    協和発酵工業株式会社のバイオケミカル事業をキリングループとのシナジー創出を加速させるために分社化しました。

  • 2008

    協和発酵キリン株式会社(現・協和キリン株式会社)発足

    協和発酵工業株式会社とキリンファーマ株式会社が経営統合し、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを活かした医薬事業を立ち上げました。

  • 2010 ヘルスサイエンス

    「乳酸菌L.ラクティス プラズマ(プラズマ乳酸菌)」を発見

    キリンホールディングス株式会社と小岩井乳業株式会社が、ウイルス感染防御を担う免疫細胞を活性化する乳酸菌(後の「プラズマ乳酸菌」)を発見しました。

  • 2015 ヘルスサイエンス

    協和発酵バイオのタイ現地法人、THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO., LTD.がアミノ酸生産工場を竣工

    当工場は、2022年11月に、HMO (Human Milk Oligosaccharide: ヒトミルクオリゴ糖)の生産設備も完成し商業生産を開始しました。

2016 - 2018

「構造改革によるグループの再生」

規模の拡大に成功したものの、事業によって収益性の差が拡大し、さらに主要事業であるキリンビール社の販売数量が低迷するなど、構造改革の必要に迫られました。当社は2012年に策定していた長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015」(KV2021)を2016年に新KV2021へと刷新し、グループの再生・再編に取り組みました。

  • 2016

    コーポレートガバナンス・ポリシー策定

    経営を支えるコーポレートガバナンスの強化に積極的に取り組み、今日まで更なる改善を続けています。

  • 2017

    ブラジルキリン売却

    新KV2021の方針に則り、業績の低迷が続いていたブラジルキリン社を売却しました。

  • 2017 ヘルスサイエンス

    「iMUSE」発売

    グループの独自素材である「プラズマ乳酸菌」の新ブランドを発売しました。2020年には免疫機能としては初めて機能性表示食品として届出受理され、売上拡大を続けています。

2019~

 「新たな成長を目指し世界のCSV先進企業へ」

事業売却や収益性の改善により再生・再編を成し遂げたキリングループは、次の成長を見据えて新たな長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(KV2027)を策定しました。世界のCSV先進企業になることを目指し、社会課題の解決に取り組むことで持続的な成長を実現していきます。これまでの主要な事業であった食と医に加えて、ヘルスサイエンス領域を将来の柱とすべく立ち上げ、育成を図ります。

  • 2019

    キリングループCSVパーパス策定

    社会と価値を共創し持続的に成長するための指針「CSVパーパス」を策定しました。

  • 2019 ヘルスサイエンス

    キリンホールディングスが乳酸菌原料を製造する拠点「iMUSE ヘルスサイエンスファクトリー」を新たに設立し製造開始

    「プラズマ乳酸菌」の菌体の需要増加を受けて、2021年には当製造拠点の設備増強を発表しました。これにより「プラズマ乳酸菌」菌体の年間生産能力の拡大が実現しました。

  • 2019 ヘルスサイエンス

    株式会社ファンケルに資本参加

    ヘルスサイエンス領域において、グループにないケイパビリティを補うためにファンケル社と提携しました。

  • 2020 ヘルスサイエンス

    「iMUSE」が免疫で日本初の機能性表示食品として届出受理

    機能性表示食品制度の「健康な人の免疫機能の維持をサポート」に関する表示で、免疫機能で初めて消費者庁に届出が受理されました。
    ※免疫機能の機能性表示食品として届出公表された日本初のブランド

  • 2023 ヘルスサイエンス

    Blackmoresを連結子会社化

    アジア・パシフィックにおけるヘルスサイエンスのリーディング・カンパニーを目指し、サプリメントなどの健康食品事業を展開している豪州企業 Blackmoresを子会社化しました。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、
「食と健康」の新たなよろこびを広げ、
こころ豊かな社会の実現に貢献します

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