価値創造モデルに基づいた事業活動の一例
2024年5月31日
キリングループは、事業活動を行うに当たり、INPUTからOUTCOMEまでの循環によって
社会的価値と経済的価値を持続的に増幅させる価値創造モデルを採用しています。
ここでは、一例としてキリンビールの「TAPPY(タッピー)」を取り上げ、どのように価値創造を実現しているかをご紹介します。
イノベーションを生み出す基盤として、以下の資源が投入されました
多様な人財と挑戦する風土
外食産業における社会課題の解決に向けて、キリンビール営業部、同企画部、キリンホールディングス パッケージイノベーション研究所といった異なる部署に所属するメンバーが集った協同プロジェクトで、次世代ビールサーバー「TAPPY」は開発されました。
確かな価値を生む技術力
「TAPPY」では、ビールが流れる経路に独自設計を重ねて、ディスペンサーの洗浄を容易にしています。また、「TAPPY」で採用した生ビール用のPETボトルには、キリングループ独自のガスバリア技術であるDLCコーティングを内面に施すことで酸素の侵入を防ぎ、ビールの酸化劣化を抑え、ビールの品質を長期間保つことができます。
お客様主語のマーケティング力
お客様の嗜好の多様化によって、飲食店におけるビール注文比率の低下や外食機会の減少が進み、ビール1樽(最小7L樽)あたりの消費期間が長期化すると、ビールの提供品質が損なわれる可能性があります。鮮度の良い「おいしいビール」をお客様に提供するために3Lペットボトルを活用したサービス開発に取り組みました。
価値創造を加速するICT(DX)
キリンビール営業担当者による対面での営業活動に加えて、デジタルを活用した新たな営業活動にも取り組んでいます。SNS広告から「TAPPY」Webサイトに誘導し取り引きにつなげたり、QRコードから「TAPPY」の取り扱い説明動画を閲覧できるようにするなど、商談手法・ツールをデジタル化しています。
社会課題を成長機会として、 INPUTを生かし、事業に取り組みました。
その結果、社会課題の解決につながる「TAPPY」が誕生しました。
社会課題
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行して以降、外食需要が回復し、飲食店ににぎわいが戻りつつある一方で、人手不足・物流問題など、外食産業が抱える課題は顕在化しています。持続可能な外食産業を目指すためには、これらの社会課題を解決していく必要があります。
少容量で回転が速いからおいしい
- 容量は3L。約10杯で交換されるのでいつも新鮮。
- 開封後は常に冷蔵しているため劣化を防ぎます。
軽くて洗浄の手間も減るからかんたん
- 容器が小さく軽いので、交換も持ち運びもラクに。
- ディスペンサーの洗浄の手間が大幅に減りました。
ロスがほぼないからおトク
- 交換直後や、水通し洗浄時のビールのロスがほぼ0に。
- 一般的な店舗で、年間約16万円※のコスト削減に。
※キリンビール調べ
パートナーとなる飲食店・酒販店の支持をいただき、経済的価値と社会的価値を生み出しました。
経済的価値
- 「キリン一番搾り®生ビール」ブランド飲用体験の質向上
- 取扱い店の拡大
社会的価値
解決される社会課題
- 外食産業の人手不足の解消
- フードロス削減(洗浄時のビールロスなど)
- 飲食店や物流における人手不足解消
- 輸送に関わるGHG削減
お客様への価値
- より多くのお店で、おいしい「キリン一番搾り®生ビール」を楽しむことができる
パートナー様にとっての価値
- 飲食店
品質向上による売上増、従業員の方々の負荷低減、洗浄時のビールロス・労務削減による利益増 - 酒販店・特約店
従業員の方々の負荷低減、物流・労務費削減による利益増
全国展開から2年半で20,000店突破!
近年、少人数で運営する飲食店が増えていることを踏まえ、効率的にお店を回し、売上・利益を確保していくためには、ドリンク提供も低コストのオペレーションが重要です。“おいしい生ビール”を誰でも簡単に提供できる「TAPPY」は、少人数で運営する飲食店でも導入いただきやすいことから、全国展開を始めて以降、お取り扱い店舗数が伸長し続け、2年半で20,000店を突破しました。