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価値創造報告CASE3 プラズマ乳酸菌を活用した商品展開

IP DEVELOPMENT

科学的アプローチに基づく食品開発で
人々の健康づくりに貢献。

IP DEVELOPMENT 科学的アプローチに基づく食品開発で 人々の健康づくりに貢献。

ウイルス感染防御に関わる免疫機構の“司令塔”を直接活性化する唯一の乳酸菌

高齢化社会の進展や健康志向の高まりを背景に、毎日手軽に摂取でき、健康づくりに役立つ食品への関心が高まっています。 そうした中、キリングループでは、発酵・バイオテクノロジー分野で培った知見・ノウハウをもとに、グループ横断型の研究チームを組織。人々の健康増進に貢献する食品の研究・開発に取り組んできました。
この共同研究チームが2012年に発見したのが「プラズマ乳酸菌」です。プラズマ乳酸菌の大きな特長は、ウイルス感染防御に関わる免疫機構の“司令塔”である「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を直接活性化することです。現在のところ、このような作用をもつ乳酸菌はほかには存在しないことが確認されています。
このユニークな働きをするプラズマ乳酸菌に関する研究成果は、医学会での発表や権威ある専門誌への論文の掲載を通じて、高く評価されています。

プラズマ乳酸菌イメージ

ヘルスケア分野の専門家に向けたアプローチも開始

キリングループでは、こうした科学的研究の成果の社会実装を進めてきました。小岩井乳業、キリンビバレッジ、協和発酵バイオがそれぞれプラズマ乳酸菌の商品化を行い、ヨーグルト、清涼飲料、サプリメントを発売しています。そして2017年からは、プラズマ乳酸菌を配合したグループ各社の商品のブランドを統一し、外部企業へ導出するなど新たな市場展開を開始しています。
さらに、医師や薬剤師、看護師、栄養士などヘルスケア分野の専門家を直接の訴求対象とする新商品も開発。第1弾としてチュアブル(水なしで飲める)タイプのサプリメントを2017年12月に発売しました。

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これまで共同研究チームではプラズマ乳酸菌の機能に関する13報の研究論文を国内外の学術誌などに発表しており、それらの内容はほかの研究者の論文にも頻繁に引用されています。キリングループが目指しているのは、プラズマ乳酸菌の有用性を広く社会に伝え、より多くの人の健康増進に貢献すること。そのために、科学的検証を受けたプラズマ乳酸菌の有用性を、専門知識をもつ方々に評価していただき、さらに専門家を通じて高齢者や幼児のいる家庭など、健康への関心が特に高い人々への普及を図っていきます。同時にプラズマ乳酸菌に対する社会的な認知度を高め、グループ一体となって市場展開を強化することで、健康に関する社会の課題に応えていきます。

ヘルスケアの専門家へのアプローチ

プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を直接活性化する
「プラズマ乳酸菌」

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ウイルス感染防御は、多くの免疫細胞が協力することによって行われています。一般的な乳酸菌が活性化できるのは、NK細胞などごく一部にとどまります。これに対して、プラズマ乳酸菌はシステム全体の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を直接活性化させることが確認されています。すなわち、ウイルスに対する免疫全体が活発に働き、高い効果が期待できるのです。

プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を 直接活性化する「プラズマ乳酸菌」イメージ